今季初の団体戦は5位に

ウエイトリフティング

 6月29・30日の2日間にわたって行われた東日本大学対抗選手権は、今シーズン初めての団体戦。今大会は、11月に行われる全日本大学対抗選手権に向けた試金石となる試合だ。早大からは10人が出場し、チーム目標に掲げていた5位に見事入った。

 1日目、55キロ級に出場した家吉理空(社1=熊本一)。スナッチとC&Jをそれぞれ1本ずつ成功させ、トータル171キロの8位に終わる。続く61キロ級に吉田旭主将(社4=岐阜・中津)が出場。スナッチ3本で記録を残すことができず、トータル記録がなしに終わってしまう。67キロ級では、エントリーしていた木村勇喜(スポ3=兵庫・明石南)が怪我のため出場できず、上野大瑚(スポ2=兵庫・明石南)が出場した。スナッチでは101キロを成功させるものの、C&Jの重量を伸ばすことができず、トータル221キロの7位で試技を終えた。ここまではあまりいい流れではなかったが、73キロ級に出場した知念勇樹(スポ3=大阪・関大第一)と生頼啓暉(スポ2=兵庫・明石南)の二人がチームに勢いを与える試技を見せる。生頼は、スナッチ3本目で自己ベストを大幅に更新する118キロに挑戦し、見事成功を収める。C&Jに入っても勢いは止まらず、確実に1、2本目を成功させ、迎えた3本目157キロ。この記録も自身の自己ベストを更新する記録だ。157キロでもしっかりと決めてみせた生頼。6本成功でトータル275キロを記録し、4位に入る。生頼は、以前行われた全日本学生個人選手権からトータルで8キロを更新し、目覚ましい成長を見せている。夏の練習を経て、今回の記録を更に上回る姿に秋以降期待したい。生頼の試技に刺激を受けた知念は、チームの「雰囲気を変えられたらいいなという気持ちで」と語るように、スナッチ1、2本目を成功させ、迎えた3本目。自己ベストを更新する125キロを成功させる。そして、C&Jでも3本全て成功させ、6本成功のトータル288キロの2位に輝いた。知念は、以前スナッチが弱いと語っていたが、スナッチの自己ベストを確実に更新している。この調子で秋以降も記録を更新し続けたい。この階級で早大は37点を獲得し、流れに乗り始める。81キロ級に田中裕也(スポ4=宮崎・小林秀峰)と佐藤康太郎(スポ1=宮城農)が出場。田中はスナッチ3本成功し、「意地で取ってやる」と語るように、自己ベストを更新する121キロを記録する。C&Jは3本目150キロを失敗に終わるが、「目標は個人的に達成できた」と振り返っていた。佐藤は早大に入学してから初めての試合となった今大会、フォームを変更して臨んだ。「初めの重量だけしっかり取れるように」と目標に掲げ、その言葉通り1本目は確実に成功。スナッチは128キロを記録した。C&J3本目には164キロを成功させた。トータル292キロの見事3位で、表彰台に上がった。変更したフォームを安定させるという課題を克服し、秋以降の更なる成長に繋げてほしい。早大は1日目に77点を獲得し、折り返した。

スナッチの自己ベストを更新した知念

 2日目、96キロ級に出場した森田恭平(教2=熊本西)。スナッチ116キロ、C&J140キロの8位で終えた。続いて102キロ級に柏木良太(スポ1=京都・鳥羽)が出場。スナッチ1、2本目を成功させ、3本目130キロも成功させる。C&Jも1、2本目をしっかり取り、迎えた3本目、160キロを成功。どちらも自己ベストを更新する試技を見せた。6本成功でトータル290キロの4位と好結果を残す。109キロ級には岡村幸尚(社2=兵庫・明石南)が出場。スナッチ122キロ、C&J159キロを記録し、5位で試技を終えた。

スナッチを成功させる柏木

 早大は107点を獲得し、5位で終えた。今大会は、吉田主将が振り返るように「全日本大学対抗選手権を想定した団体戦をできた」と収穫があるものとなった。ただ、序盤は流れに乗ることができず、全員が上手くいくかたちで繋ぐことが課題として残った。一旦、試合期は終了し、夏の練習期間に入る早大ウエイトリフティング部。11月の全日本大学対抗選手権に向けて、この期間に一人一人が成長し、チームとして更なる団結力を見せてくれるだろう。

(記事 西杉山亮 写真 西杉山亮、篠田雄大)

結果

▽55kg級

家吉理空 スナッチ75kg C&J96kg トータル171kg 8位 4点

▽61kg級

吉田旭 C&J121kg 2点

▽67kg級

上野大瑚 スナッチ101kg C&J120kg トータル221kg 7位 5点

▽73kg級

知念勇樹 スナッチ125kg C&J163kg トータル288kg 2位 22点

生頼啓暉 スナッチ118kg C&J157kg トータル275kg 4位 15点

▽81kg級

田中裕也 スナッチ121kg C&J146kg トータル267kg 6位 10点

佐藤康太郎 スナッチ128kg C&J164kg トータル292kg 3位 19点

▽96kg級

森田恭平 スナッチ116kg C&J140kg トータル256kg 8位 2点

▽102kg級

柏木良太 スナッチ130kg C&J160kg トータル290kg 4位 16点

▽109kg級

岡村幸尚 スナッチ122kg C&J159kg トータル281kg 5位 12点

▽団体

早大 5位 107点

コメント

吉田旭主将(社4=岐阜・中津)

――今季初の団体戦となりましたが、それに臨むにあたってチームとして何か目標などはありましたか

具体的には全体順位で5位以内に入ることを目標としていました。また全日本インカレを想定して、1人で6本ずつやるというよりは、チームで60本やるという意識で試合に臨みました。

――チームとしての今大会の収穫と課題を教えてください

収穫は、自分自身が過ごした4年間で最も全日本大学対抗選手権を想定した団体戦ができたことだと思います。順位も試合前に立てた目標を達成できたので、それに関しでも収穫だったと感じています。一方で、自分自身が61キロ級で大きな失敗で、得点を失ったことで、後の選手たちがそれを補うために頑張るという形になり、全員が上手くいくようなかたちで試合運びができなかったことが課題です。

――これからの意気込みをお願いします

この試合でチームとしての成長に手応えを感じることができたので、チームとしての力を意識しながらさらに気持ちを高めて練習に臨み、全日本インカレまで頑張っていきたいと思います!

田中裕也(スポ4=宮崎・小林秀峰)

――今大会個人としての目標を教えて下さい

個人的な目標としては、今回団体戦ということで、チームにいい勢いを与えるっていう目標がありました。目標は個人的に達成できたと思います。

――チームとしての目標を教えて下さい

チームとしては、全員が成功率を良くして、どんどん、箱根駅伝みたいに、いい流れを引き継いでいきたかったです。ただ、最初で出足を挫いてしまったが、その分自分たちがカバーしあったことで、シミュレーションっていうものがあって、予想点数よりも上の点数を自分たちが取るっていう意気込みで、目標を達成できたので、チームとしていい流れが出来たのかなと思います。

――スナッチ121キロ成功に関していかがですか

そうですね、121キロは自分の自己ベストだったが、絶対何が何でも意地で取ってやるっていう気持ちでした。少し下でぐらつきはしたけど、絶対に落とさないっていう気持ちで取った試技だったと思うので良かったと思います。

――C&J3本目150キロはいかがでしたか

そうですね、150キロはクリーンの自己ベストだったので、クリーンはいつもやれていました。ただ、「きょうさしたい」と思っていたので、残念ではあるところですね。できればさして、もっと勢いをつけたい気持ちがありました。

――夏の練習に向けて意気込みをお願いします

これからぼくらは試合期が終わって、筋肥大期でまた体作りが始まっていくので、最後の目標が11月の全日本大学対抗選手権、それに向けて良い体作りをしていきたいと思います。なおかつ、自分のレベルが上のレベルと差が離れているので、そこに少しでも近づけるような体作りをしていきたいと思います。

知念勇樹(スポ3=大阪・関大第一)

――今回は団体戦ということで意気込みは

そうですね、個人的には試合前に調子悪くて、体のコンディションとかも悪くて。だからどれくらいの重量が扱えるか正直わからなかったです。ただ、アップしていく中で、感覚が良かったので、これはいけると思って。あとはもうコーチ陣と相談して、何キロいくとか相談して、自分はもう成功するだけっていう意気込みで挑戦しました。チーム的には軽量級の調子があまり良くなかったので、ムードを変えていかないとなって思って、73kg級の生頼と自分で、雰囲気を変えられたらいいなという気持ちで挑みました。

――スナッチ125キロを成功された感想は

そうですね、125キロやるつもりは全然なかったので、正直取れるかどうかわからなかったですけど、結果的に取れて良かったかなと。嬉しくて、その試技の感想はあまり覚えていないです。(笑)

――6本成功に関してはいかがですか

重量的にはもっと出来るとは思うので、手堅く確実に取っていったことと、生頼選手が自己新目の前で出して、自分も頑張らないといけないという意気込みが、こっちにも伝わって来たので、そのやる気がいい感じにチャージされて、勝負できたのかなと思います。

――夏の練習の目標を教えて下さい

結構4月の全日本学生個人戦が終わってから、体のバランスが崩れてしまって、あまり練習が積み重ねられなかったので、まずは少し休んで、体のコンディション整えてから。そして、夏に筋肥大期に入って、練習メニューをしっかりこなせるようになれればと思います。そこから自分の技術を向上させるための自主トレを積極的に行わないと、また記録が周りに追い越されると思うので、周りの他大の選手以上に練習していくことが重要かなと思います

佐藤康太郎(スポ1=宮城農)

――早大のユニフォームを着る初めての試合はいかがでしたか

そうですね、今までは責任感とかあまりなかったですけど、今回は団体戦のメンバーの一人として、しかも1年生なので、少し責任は高校の時より重く感じました。このユニフォームに対する思いとしては。

――今大会の目標を教えて下さい

とりあえず、初めの重量だけしっかり取れるようにして、周りに合わせて、いけるように、臨機応変に本数を多く取れたらなと思いました。

――スナッチの結果に対していかがですか

この階級が変更される前の69キロ級でスナッチ133キロだったので、今回はあまり良い結果だったとは言えないと思います。ただ、フォームを変えてすぐの試合だったので、フォームをもっと安定させないといけないという課題が見つかりました。

――C&Jの結果に対していかがですか

もう少し、1、2本目で軽かったら、3本目で2位の人狙えるくらいだったので、2本目でちょっと重くて。今日何よりもだめだったことはコンディションの調整があまり良くなかったと思います。昨日もあまり眠れていなかったので、それであまりいい感じではなかったと思います。セコンドの人にも気を使わせてしまったと思います。

――四年間の目標を教えて下さい

今、日本一の宮本昌典選手っていう方がいて、四年間でその方の大学の記録を抜きたいと思います。

――夏の練習に向けて意気込みをお願いします

まだ自分は補強種目っていうスクワットとかデッドリフトがあまり強くないので、この夏の期間を筋肥大期と言って、その期間中に、もっと補強種目を強くして、今の重量をもっと楽に出来るようにしたいです。