今年も3月7・8日にかけて全日本学生選抜選手権大会が開催された。早大からは鈴木梨羅(スポ2=千葉・松戸国際)・戸田妃乃子(スポ2=福岡・九州国際大附)・知念勇樹(スポ2=大阪・関西第一)の2年生3人と安嶋千晶(スポ4=茨城・大子清流)・知念勇斗(スポ4=沖縄・豊見城)の4年生2人が出場。5人全員が3位以内に入るという好結果でスタートした。
最初に女子45kg級に出場した鈴木。今年から階級が変更となり、48kg級から減量して臨んだ。スナッチの1本目となる67kgは失敗。しかし、2本目では同重量の拳上をしっかりと成功させる。続く3本目70kgも成功させて、クリーン&ジャークへ折り返す。体重が軽くなったことにより、不安があったジャーク。1本目88kg、2本目91kgを成功させ、3本目では95kgに挑んだ。「ジャークに向けて主に取り組んできました」と語る鈴木。クリーンでは少し重いと感じながらも、ジャークで決めて見事成功させた。練習の成果を発揮した鈴木は「結構自信になった」と振り返る。トータル165kgで今大会の目標を見事に達成した。次に4年生の安嶋と知念勇斗が女子55kg級と男子55kg級にそれぞれ出場した。早大ウエイトリフティング部として最後の出場となる。安嶋はスナッチの1本目67kg、2本目72kgを成功させる。3本目75kgは失敗するが、2位でクリーン&ジャークへ折り返す。クリーン&ジャークでも2本目まで成功させるものの、3本目を失敗し、トータル166kgの2位で大会を終えた。知念勇斗はスナッチ1本目を成功させ、2本目97kgに挑むが失敗となる。しかし、3本目で同重量の拳上を成功させてクリーン&ジャークへ折り返す。クリーン&ジャークでは2本目127kgまで成功させ、3本目130kgに挑戦するが失敗となり、トータル224kgの3位で大会を終えた。
トータル165kgを挙げた鈴木
続いて女子71kg級に戸田が出場した。試合前はトータル190kgを目指し、昨年の全日本大学対抗選手権の時より良い試合をしようと意気込んで臨んだ今大会。スナッチ1本目は予定していた重量から下げて81kgからスタートした。1本目は失敗に終わるが、2本目で同重量の拳上を成功させる。3本目は練習でも取り組んでいなかった83kgに挑戦するも失敗に終わり、「自分の中でたぶんビビっちゃって出来なかった」と振り返る戸田。その後のクリーン&ジャークでは1本目100kgを成功させる。2本目、3本目105kgで勝負するが失敗に終わり、トータル181kgの3位となった。最後に男子73kg級に出場した知念勇樹。今大会を「成功率を目標でがんばりました」と語る知念勇樹。その言葉通り、6本中5本成功と高い成功率を見せた。スナッチの1本目、2本目は見事に成功し、3本目121kgに挑戦する。しかし失敗に終わり、「スナッチはまだまだ練習不足だな」と振り返る知念勇樹。スナッチを118kgで折り返す。最近自己新記録が出て自信がついてきたと語るクリーン&ジャークでは、1本目155kgと高い重量から始め、2本目まで成功させる。そして、迎えた3本目の164kg。「ジャークに関しては楽にできるようになってきた」と振り返るように見事成功させ、トータル282kgの2位で終えた。
トータル282kgを挙げた知念勇樹
今大会、早大から5人全員が3位以内に入り、いい結果を残すことができた。しかし一方で来年度から3年生になる3人は、記録や中身について満足しておらず、今後シーズンインへ向けて課題を見つける大会となった。さらに「後輩たちを引っ張っていくこと」を目標として語る知念勇樹のように、結果だけではなくチームを引っ張っていく姿にも期待したい。
(記事、写真 西杉山亮)
結果
▽男子
55kg級
知念勇斗 スナッチ97kg C&J127kg トータル224kg 3位
73kg級
知念勇樹 スナッチ118kg C&J164kg トータル282kg 2位
▽女子
45kg級
鈴木梨羅 スナッチ70kg C&J95kg トータル165kg 1位
55kg級
安嶋千晶 スナッチ72kg C&J94kg トータル166kg 2位
71kg級
戸田妃乃子 スナッチ81kg C&J100kg トータル181kg 3位
鈴木梨羅(スポ2=千葉・松戸国際)
――今日の試合の目標と意気込みを教えて下さい
今日の試合の目標はトータルで160kgを取ることで、スナッチ1本目でいつも失敗してしまうので、それも克服できたらいいなって思ったんですけど。それはまた今回も失敗してしまったので、次の試合では必ず1本目しっかり取って、6本成功できるように。そしたらもっと結果もついてくると思うので、そうしたいと思います。
――今回から階級が変更となり、今日の試合までどんな取り組みをしてきたか
今までは48kg級でやっていて、今回初めて少し減量して挑んだんですけど。やっぱりジャークでは不安はあって、体重が軽くなると重量感が重くなって、スナッチよりはジャークに結構支障が出たりするので。それでジャークも体重が無くてもさせるような練習、ジャークを重い重量かつぐ、ディップって言うんですけど。そういうこととか、さすだけの練習とか、積極的に重量触ったりして、ジャークに向けて主に取り組んできました。
――ジャークで95kg成功した時はいかがでしたか
結構自信になったというか、あまり試合の前は95kgさわれるっていう自信はなくて。160kgとるために91kg取れればいいなって思っていたんですけど。思いの外プラットフォームに立ったら軽くて、クリーンはちょっと重かったんですけど、練習の成果もあってジャークでしっかり決めることができて良かったです。
――これからの1年間の目標等はありますか
これからの1年間の目標は、まず5月全日本でまた45kg級で出て優勝すること、あと12月のインカレで45kg級か49kg級かわからないですけど、出場して個人でしっかりスナッチ、ジャーク、トータルで優勝できればいいなって思います。
戸田妃乃子(スポ2=福岡・九州国際大附)
――今日の試合の目標と意気込みを教えて下さい
目標はトータルで190kgいくことだったんですけど、まあインカレよりもいい試合をしたいなってと思っていました。
――今日の試合を振り返ってどうでしたか
練習の調子も上がってきて、自分の中では試合いけるなって思っていたんですけど。そうはいかなくて、結局インカレよりも悪い、結果が出ない。今まで頑張ってきたことが結果に出なかったから、どう頑張ればいいかわからなくて、ちょっと混乱しています。
――スナッチ3本目85kgから83kgに変更した理由は何ですか
私が最後のラストアップ、最初スタートが82kgにして、こっちで80kgをとって、試合で82kgにしようって言っていたけど、(ラストアップで)80kg落としちゃったので、81kgに下げてやったっていうことがありました。1本目はまわして、2本目取ったけど、流れが自分の調子の中であり。さらに相手の人との兼ね合いで、85kgではなくて83kgにしようって言って、83kgにしたんですけど。結局気持ち的に83kgは練習でやっていなくて、自分の中でたぶんビビっちゃって出来なかったなと思っています。
――これからの1年間の目標等はありますか
自己新を出すことをずっと言っているんですが、この1年間で出なくて、体重も下がっていることに思うこともあったから。とりあえず今の自分の自己ベストまで戻すことが今年というか半年目標で、インカレでは他の選手と今はまだ戦える状況じゃないので戦えるように、いい試合をしたねってみんなから言われるように頑張りたいです。
知念勇樹(スポ2=大阪・関西第一)
――今日の試合の目標と意気込みを教えて下さい
目標は今年初めての試合だったので、とりあえず成功率6本取ることを目標にして、6本とったら自己新は勝手についてくるかなって思ったので、それで成功率を目標でがんばりました。
――6本中5本成功で調子が上がってきているか
体重、階級がちょっと変わったので、その分ジャーク、クリーンのスクワット、立ちが軽くなったので、だいぶジャークに関しては楽にできるようになってきたんですけど、スナッチはまだそんなに前と変わらずって感じなので、スナッチはまだまだ練習不足だなって思いました。
――ジャークの初期重量を155kgに設定した理由は何ですか
最近自己新が出ていたので、確実に取れる重量も上がってきているので、自信持って臨むことが出来たかなと思います。
――制限時間一杯使う理由は何ですか
まあ無いんですけど(笑)自分どっちかと言ったら、ゆっくり入って気持ち落ち着かせてから、挙げるタイプなので。それがあるのと、残りカウントダウンされた方がしっかり思いきっていけるって感じです。
――これから1年間の目標を教えて下さい
3年生という立場になるので、まずは結果をしっかり伸ばすこと。順位としては取れているんですが、この1、2年間は中身が薄いので、数値を上げていくこと。さらに後輩たちを引っ張っていくことが一番の試合での目標です。日常生活とかだと、後輩たちと新入生に対してしっかりコミュニケーション取ってリードしていける、選手としてだけではなく、人間としても成長させられるような人になりたいと思います。