1964年から引き継がれてきた勝利のバトンが今年もワセダの手に渡った。第62回早慶ウエイトリフティング対抗戦。いわゆる早慶戦であり、覇者ワセダと陸の王者慶應が雌雄を決す戦いとして様々な競技で行われている一戦である。56kg級・62kg級・69kg級が内包される午前の部と、77kg級・85kg級・94kg級・+94kg級が内包される午後の部に分かれているこの試合。それぞれの階級内で順位が付き、それに応じた得点で最終的な勝敗を決める得点制となっている。結果は140-70で早大の圧勝。怒とうの55連覇を成し遂げた。
午前の部は安嶋千晶(スポ4=茨城・大子清流)・山口千尋(スポ1=茨城・石岡一)・木村勇喜(スポ2=兵庫・明石南)・生頼啓暉(スポ1=兵庫・明石南)など下級生が中心に、午後の部には大原魁斗(社4=山梨・日川)や神田悠斗主将(社4=岐阜・海津明誠)、池田祐介(社4=滋賀・安曇川)など四年生を中心に各階級の選手が出場した。8月末から9月はじめにかけて約1週間の夏合宿を行っていた早大ウエイトリフティング部。合宿でのトレーニングを通して成長した自身の実力を発揮しつつ、勝負の秋へ向けて試合の感触を再確認する一戦となった。
スナッチでの好感触に笑顔を見せた池田
安嶋や山口、田中希恵(スポ4=香川中央)は男子選手を相手に重量を競い合った。慶大に肉迫する重量を挙げる気迫の試技を見せた選手達。早大の勝利に大きく貢献した。また、木村勇喜(スポ2=兵庫・明石南)は驚異的な成長を発揮した。普段の62kg級から一つ上である69kg級で出場した木村。スナッチでは120kgを成功させるが、それのみかC&Jでは148kgに挑戦するほどの伸びを見せる。C&J1本目で125kgを成功させ、まずは階級内での順位を確定させた木村。2本目の145kgで感触を確かめると、最後は重量を148kgに設定する。会場が緊迫感に包まれるなか、力強くウエイトが浮き上がった。苦しそうな表情を見せつつも立ち上がると、力強くジャーク。差しには成功したものの、重量に耐え切れずつぶれるかたちで失敗となってしまった。
C&J148kgを差した木村
各々が使命を果たし、また来年度へと勝負のバトンを繋げた。12月のインカレへ向けてすでに勝負は始まっている。この勝利を糧(かて)に、集大成を見せることはできるのか。覇者ワセダの歴史を背負い、彼らは更に飛躍する。
(記事、写真 伊東穂高)