全員が活躍!54連覇を勝ち取る

ウエイトリフティング

 第61回を迎えた早慶定期戦(早慶戦)。ことし早大は54連覇がかかっていた。しかし選手たちはその重圧をものともせずに力を出し切り、見事慶大に勝利。連覇というバトンを来年につないだ。

 午前の部は56キロ級、62キロ級、69キロ級の3階級が行われた。初めに行われた56キロ級には安嶋千晶(スポ3=茨城・大子清流)、新川百音(スポ2=山梨・塩山)が登場。安嶋は確実に結果を重ねていった。すべての試技を成功させる安定感を見せ、2位と早大に貢献した。新川百音は初めての早慶戦だったが、6回すべてのチャレンジを成功。クリーンアンドジャーク(ジャーク)3回目で89kgを持ち上げた際にはガッツポーズを見せた。続く62キロ級で出場した知念勇斗(スポ3=沖縄・豊見城)はスナッチ3本を危なげなく成功させ、ジャークとトータルでは大会新記録を樹立。早大、慶大の両大学のサポーターから大きな拍手が起き、会場を沸かせた。一方、自身の成績を「まずまずの結果」と振り返えったのは森川芳樹主将(スポ4=兵庫・明石南)だ。早慶戦で53年間優勝という、早大がつなげてきた歴史から生まれる責任が、主将である森川に重くのしかかっていた。その重圧からなのだろうか、本来の力が出し切れずに悔しい表情を見せた瞬間も見られた。しかしそのような中でも冷静さを忘れずに結果を出し、62キロ級で2位を獲得。チームを導く役割をきっちりと果たした。69キロ級では千葉健介(社4=岩手・水沢)が落ち着いた試技で1位を獲得するも、ジャークで挑んだ大会新記録へのチャレンジは失敗。記録更新まであと少しだったため悔しさも残ったが、しっかりと結果を残して最後の早慶定期戦を終えた。同階級の木村勇喜(スポ1=兵庫・明石南)は何度かよろめく場面もあったものの持ちこたえ、5回成功。早大が優勢の状態で折り返した。

知念勇斗は大会新記録を更新

 午後は77キロ級の大原魁斗(社3=山梨・日川)がスナッチをすべて成功させると、続くルーキー知念勇樹(スポ1=大阪・関西第一)もスナッチで113kgを上げ、チームの流れを作った。85キロ級で出場した田中裕也(スポ2=宮崎・小林秀峰)はジャークを一回失敗するもトータル252kgと強さを見せ、1位に。橋本拓実(社1=東京・早実)は4位だったものの堂々とした試技を見せた。これからの成長に期待したい。永迫竜矢(スポ3=宮崎・小林)、若宮知輝(スポ1=愛知・豊橋東)は94キロ級で登場。永迫はいつも通り力を出し切り1位を取り、チームをさらに勢いづけた。そして今回最も注目されていた選手の一人である若宮は普段、トレーナーとして活躍している。早慶定期戦という大舞台で緊張も高まる中、5回の成功を収めた。最重量の+94kg級では神田悠斗(社3=岐阜・海津明誠)、池田祐介(社3=滋賀・安曇川)が出場。上級生の意地を見せ、池田が1位、神田は2位と好成績だった。

早慶定期戦初出場で力を発揮する知念勇樹

 早大が慶大を下し、54連勝という偉業を成し遂げた。そして選手全員の確かな成長が感じられた。この勝利は各選手の活躍が積み重なることで成し遂げられたものである。伝統が生み出す重圧を力に変えることができた早大ウエイトリフティング部。試技が終わった選手が声援を送っている姿が印象的だった。これからの試合も実力とチーム力で乗り越えていくだろう。

(記事、写真 大久保美佳)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽56キロ級

安嶋千晶 スナッチ71Kg C&J90Kg トータル161Kg 2位

新川百音 スナッチ62Kg C&J89Kg トータル151Kg 4位

▽62キロ級

森川芳樹 スナッチ90Kg C&J125Kg トータル215Kg 2位

知念勇斗 スナッチ103Kg C&J137Kg トータル240Kg 1位

▽69キロ級

千葉健介 スナッチ108Kg C&J130Kg トータル238Kg 1位

木村勇喜 スナッチ105Kg C&J127Kg トータル232Kg 2位

▽77キロ級

大原魁斗 スナッチ98Kg C&J120Kg トータル218Kg 2位

知念勇樹 スナッチ113Kg C&J147Kg トータル260Kg 1位

▽85キロ級

田中裕也 スナッチ117Kg C&J135Kg トータル252Kg 1位

橋本拓実 スナッチ86Kg C&J95Kg トータル181Kg 4位

▽94キロ級

永迫竜矢 スナッチ110Kg C&J133Kg トータル243Kg 1位

若宮知輝 スナッチ50Kg C&J65Kg トータル115Kg 4位

▽+94キロ級

池田祐介 スナッチ120Kg C&J150Kg トータル270Kg 1位

神田悠斗 スナッチ110Kg C&J135Kg トータル245Kg 2位

コメント

森川芳樹主将(スポ4=兵庫・明石南)

――54連覇がかかった早慶戦でしたが、どのようなお気持ちで臨まれましたか

54連勝がかかった早慶戦では諸先輩方が守ってきた伝統のある試合で負けられないと感じていました。1本1本集中した試技を行い、全日本大学対抗選手権(インカレ)の次に緊張する試合でした。

――ご自身の成績を振り返っていかがですか

私の成績を振り返ると4本成功で久しぶりの試合でしたのでまずまずの結果です。インカレでは1点でも多く得点を取れる選手になれるよう練習に励みます。

――主将としてほかの部員の活躍を見ていかがでしたか

主将として他の部員の活躍を見て、大会新記録や自己新記録を取った選手がいて嬉しく感じており、毎年記録が塗り替えられていければ、より盛り上がる試合になると思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

次の試合は全日本学生新人があり新人の選手に頑張ってもらい、レディースカップもあるので女子の選手には活躍してほしいです。12月のインカレが最後になりますので、部で掲げた目標に向かい、残りの2ヶ月半追い込んで行きたいと思います。