7月8日、9日に東日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会が行われた。早大からは8名の選手が出場。団体戦ということもあり、気合が入った声援が響いた。しかし思うように結果が振るわず早大は7位。表彰台に2名の選手が上がる一方で、力が出し切れない選手もいるなど明暗が分かれる結果に。全日本大学対抗選手権(インカレ)に向けて成長と課題が見えた大会となった。
1日目、初めに行われた56キロ級には知念勇斗(スポ3=沖縄・豊見城)が出場した。知念勇斗はスナッチを全て成功させ3位で折り返す。しかし、クリーンアンドジャークでは2回目での失敗が響き4位に終わった。続く62キロ級には木村勇喜(スポ1=兵庫・明石南)、千葉健介(社4=岩手・水沢)が出場。まずは期待のルーキー木村。スナッチでは110kgを成功させ見事1位で通過。続くクリーンアンドジャークでも全て成功させたが、ライバルに追い上げられ4位に終わる。惜しくも表彰台は逃したが1年生ながら安定した試技を見せ、3位とはわずか1kg差と大健闘。今後の早大ウエイトリフティング部にとって明るい材料だ。優勝が期待される千葉はスナッチの2、3本目を失敗し、思うように記録を伸ばすことができない。得意のジャークで巻き返しを図りたい千葉。1回目こそ失敗したものの、3回目で138kgを成功させ2位まで追い上げる。それでも「前年のインカレぶりの大会出場で調整不足だった」(千葉)と納得はいっていない様子。集大成の場となるインカレでは優勝を期待したい。この日早大にとって一番の収穫は69キロ級で出場した知念勇樹(スポ1=大阪・関西第一)の活躍であろう。スナッチ競技では2本目こそ失敗するも全体3位で折り返す。クリーンアンドジャークでは全て成功させ3位でフィニッシュ。「スナッチで落としていたので、3本確実に取れて安心した。」(知念勇樹)と3本目の149kgを成功させた後には安堵から雄叫びもあがった。大会新記録を更新する選手も出たハイレベルな争いの中で1年生ながら見事表彰台に。この日最後に行われた85キロ級には田中裕也(スポ2=宮崎・小林秀峰)と永迫竜矢(スポ3=宮崎・小林)がエントリー。田中、永迫ともにスナッチを全て成功させて迎えたクリーンアンドジャーク。田中は1、2回目を失敗し12位、永迫も2、3回目を失敗し9位フィニッシュと悔しい結果に終わった。クリーンアンドジャークの成功率の上昇がこれからに向けての課題であろう。
3位で表彰台に上がった知念勇樹
2日目は94キロ級に神田悠斗(社3=岐阜・海津明誠)、105キロ級に池田祐介(社3=滋賀・安曇川)が出場。神田は終始苦しい表情だった。スナッチで1、2本目を連続で失敗。3本目は成功させたものの、笑顔はなかった。その後も思うような力は出せずクリーンアンドジャークは全て失敗。悔しさが残る試合となってしまった。一方、池田は安定感を見せた。スナッチ、クリーンアンドジャーク共に2本ずつ成功。レベルの高い選手が集まる中、個人で5位という結果を残し、早大に貢献した。
クリーンアンドジャークを成功させる池田
早大は7位と昨年の6位から1つ順位を落とす結果に。改めて全国で戦う選手たちの強さを実感することとなった。しかし選手たちの目は次の試合を見ている。千葉と知念勇樹がともに目標にあげたインカレでの優勝。今大会で見えた課題を克服し、一回り成長した早大を期待したい。
(記事 大久保美佳、林大貴、写真 萩原大勝、大久保美佳)
結果
▽56キロ級
知念勇斗 スナッチ101Kg C&J126Kg トータル227Kg 4位
▽62キロ級
千葉健介 スナッチ105Kg C&J138Kg トータル243Kg 2位
木村勇喜 スナッチ110Kg C&J131Kg トータル241Kg 4位
▽69キロ級
知念勇樹 スナッチ115Kg C&J149Kg トータル264Kg 3位
▽85キロ級
永迫竜也 スナッチ124Kg C&J145Kg トータル269Kg 9位
田中裕也 スナッチ116Kg C&J131Kg トータル247Kg 12位
▽94キロ級
神田悠斗 スナッチ116Kg C&J0Kg トータル記録なし 順位なし
▽105キロ級
池田祐介 スナッチ126Kg C&J156Kg トータル282Kg 5位
コメント
千葉健介(社4=岩手・水沢)
――きょうはどのような意気込みで臨まれましたか
もちろん優勝が目標だったんですけど、できなかったっていう感じですね。
――スナッチでの2度の失敗を振り返っていかがですか
普段練習でとれている重量が試合できなかったというのはよくなかったです。調整ができていないっていうのと、大会出場が去年のインカレ振りで試合の感覚も全然なかったので、これから全日本インカレへ向けてもっと調整して必ず優勝しようと思いました。
――2位という結果については満足されてないですか
そうですね、きょう優勝した日大の選手と優勝を争うことになると思うんですけど、その選手を次は倒せるようにします。
――ジャークでは巻き返しに成功しました
ジャークの方が得意ではあるんですけど、でも普段より低い重量になってしまったので。団体戦だと低い重量から安全に出るんですけど、そこをちょっとしたミスで落としてしまっているのが一番ダメなのでそこはかなり反省しなきゃいけないなと思いました。
――主務をやられながらの選手ということですが
色々仕事をしながら練習をやってるので大変なんですけど、そこは4年生なので、元から覚悟もしてましたし、やるしかないなという感じですね。
知念勇樹(スポ1=大阪・関西第一)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
結果的にはスナッチ、ジャークと全部3位で、試合前のシミュレーション通りの最低限のことはできたかなと思うんですけど、スナッチ2本目で落としたり、ジャークのアップなどで少し失敗が出て、あまり満足はしていません。
――3本目のジャークの成功の後には喜びの声もあがっていましたが、そのときの心境は
スナッチで落としていたので、とりあえず3本確実に取れて、相手次第ですけど2位に絡めるかなという重量まで持って来ることができたので、喜びというよりかは安心したという感じでした。
――3位という結果についてはどうお考えですか
1位の方とは少しレベルが離れているんですけど、2位の方にはもう一息で手が届くと思うので、そこの差を詰めることができれば今後にもつながると思いますし、全日本インカレでは勝てるように練習を積み重ねていきたいと思います。
――今後に向けての目標は
インカレで優勝することが目標なので、そのために練習を積み重ねたいですけど、自分は怪我が多いので、まずは怪我をしないこと、その上で記録をどんどん伸ばしていってジュニアや大学で上位を狙って世界大会にも出られるように頑張っていきたいです。