9月9~11日にかけ、東日本学生個人選手権、新人選手権大会が開催された。早大からは男女合わせて6名が出場。数名が直前での棄権となったが、出場全選手が表彰台に上がるなど各階級で早大勢が躍動した。また、生頼永人(スポ3=兵庫・明石北)がこの大会での最優秀選手賞に輝いた。
1日目は男子77キロ級が行われ、生頼が登場。今回は「国体に向けての調整」という意味合いが強かったようだ。実際クリーンアンドジャーク(ジャーク)では1本目にベスト近くの170kgをもってくるなど大胆な勝負に出た。しかしこれをあっさりと成功させ、5月の全日本個人選手権、7月の東日本大学対抗選手権に続き今回も大会新記録を樹立した。成功後も本人はいたって冷静で「ジャークの1本目を成功させることが目標だった」(生頼)と余裕の表情を浮かべた。今回は大会のレベル的に余裕を持った優勝だが、5月の全日本選手権では4位に終わっただけに、国体ではその雪辱を果たしたい。
仲間の歓声に応える生頼
2日目は女子選手4名が出場した。全体のエントリー数が少なく全階級が一斉に行われた。個人+75キロ級で田中季恵(スポ2=香川中央)が昨年12月の全日本大学対抗選手権ぶりに出場した。夏休み中は実家に帰省し、日頃の疲れを癒した。その一方で練習、調整不足もありベスト重量よりも大きく下げての試技となったが6本中5本を成功させ2位。だが記録が「伸び悩んでいる」(田中)こともあり、今後はもう一段階レベルアップした重量を上げていきたいところだ。個人58キロ級の内門沙綾(スポ3=宮崎・小林秀峰)はジャークの3本目で鬼門の100kg越えを狙ったが失敗。それでも2本ずつを成功させる安定した試技で優勝を果たした。63キロ級では野本なつみ(スポ4=埼玉・草加)がこの階級唯一のエントリー。自動的に1位が確定したが、スナッチ、ジャーク共に2回目でミスし記録を伸ばせなかった。ルーキー新川百音(スポ1=山梨・塩山)は48キロ級新人の部に出場し、大会新記録での優勝を飾ったが、前回同様スナッチ、ジャークの2、3本目を失敗。次回は成功率を上昇させたい。
女子勢全員でWポーズ!(左から田中、新川、野本、内門)
3日目には男子105キロ級で池田祐介(スポ2=滋賀・安曇川)がスナッチ130kg、ジャーク160kgを上げ、大学入学後初の優勝に輝いた。ジャークでは2本目の156kgを落としたもののそこから重量を増加し、これを見事に決めた。今後のさらなる躍進に期待したい。今大会は他大学の出場選手を見ても決してレベルの高い大会だとは言い切れないが、出場選手全員が表彰台に上がったことは大きな収穫となった。しかし内容的には課題の残る大会でもあった。この課題を克服したとき、早大勢に真の強さが生まれるだろう。
(記事 田原遼 写真 川浪康太郎、田原遼)
結果
▼男子
▽77キロ級
生頼永人 スナッチ126kg C&J170kg(大会新記録) トータル296kg 1位
▽105キロ級
池田祐介 スナッチ130kg C&J160kg トータル290kg 1位
▼女子
▽48キロ級
新川百音 スナッチ63kg C&J79kg トータル142kg 1位
▽58キロ級
内門沙綾 スナッチ73kg C&J98kg トータル171kg 1位
▽63キロ級
野本なつみ スナッチ69kg C&J85kg トータル154kg 1位
▽+75キロ級
田中季恵 スナッチ71kg C&J90kg トータル161kg 2位
コメント
生頼永人(スポ3=兵庫・明石北)
――優勝おめでとうございます。今回も目標は優勝でしたか
今回は優勝というより、自分のやりたかったことを試すということを考えていました。特にジャークに関しては次の国体に向けて1本目の170キロをきっちり上げることを目標にしていました。
――(大会新記録を決めた)ジャークの1本目は成功後も落ち着いた様子でしたが
今までやったことのない(1本目の)重量ですけど、あまりプレッシャーを感じずにいつも通りできたと思います。自分の感覚では重かったのですが周りからは普通に見えたらしいのでよかったです。
――スナッチ3回目の重量増加にはどういった狙いがあったのですか
相手が先に3回目の試技を失敗して、優勝が決まったので自分の記録に挑みました。
田中季恵(スポ2=香川中央)
――久々の大会出場でしたが率直な感想は
緊張しました。あとは記録が全然伸びていないのでもっと練習が必要だなと思いました・
――きょう成功率は良かったですけど
スタートの重さを下げていたので。本当は全部成功させたかったですけどね。
――この夏はどういった過ごし方をしていましたか
地元に帰っていてあまり練習ができませんでした。そのため夏明けの合宿でボロボロでした。この大会に出られたことは良かったですけどまだまだ課題が山積みです。