柏木が大会新記録!早大勢が実力発揮

ウエイトリフティング

4年生が抜け、新体制となった早大は3月11~13日にかけて全日本ジュニア選手権に臨んだ。ことし初となるこの大会で、森川芳樹(スポ2=兵庫・明石南)と柏木麻希(スポ1=京都・鳥羽)が優勝を飾った。中でも柏木は大会新記録を樹立。幸先の良いスタートとなった。

 初日は男子56kg級で知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)、62kg級で森川がエントリー。まずは知念。スナッチでは2回目こそ失敗したものの、98kgを挙げ全体1位で折り返す。続くクリーンアンドジャークでは2回目まで成功したが「自分の弱さが出た」と3回目で失敗。トータル226kgの2位に甘んじた。次に登場したのは森川。「アップでは成功していた」というスナッチでは緊張もありまさかの1回目で失敗。3回目で大幅に重量をあげ勝負に出るも落とし、102kgで折り返す。しかしここから修正できるのが森川の強み。クリーンアンドジャ-クでは2回目で自己新記録を更新。3回目でも140kgを成功させトータル242kgで優勝した。しかし森川は「250kgに届かなかったのが悔しい」とその心に慢心はない。

自己新記録を更新し、優勝した森川

2日目では男子77kgに永迫竜矢(スポ1=宮崎・小林)が登場。「調子は悪くなかった」というものの、フォームの部分で細かなミスもあり、スナッチ、クリーンアンドジャーク共に成功したのは1回目のみ。目標としていた数値には及ばなかった。今後のフォームの修正に期待したい。

圧倒的な試技を披露した柏木

最終日には男子105kgに池田祐介(社1=滋賀・阿曇川)、女子69kg級に柏木が出場。池田はスナッチ、クリーンアンドジャーク共に安定した試技を見せた。特にいきなり自己ベスト記録から挑んだクリーンアンドジャークでは1回目、3回目を成功させ、大幅に自己記録を更新するうれしい結果となった。そして柏木。「フォームに迷いがあった」とスナッチ1回目を落とすが、その後は修正し、圧巻の試技を披露。自己ベストに1kg届かなかったものの大会新記録となる90kgをマークし折り返す。つづくクリーンアンドジャークでも他を寄せ付けず、111kgを挙げ大会新記録を樹立。目標としていたトータル190kgを大幅に超す201kgという記録に満足げな表情を浮かべた一方、「次は日本大学記録を塗り替えたい」とさらなる目標も口にし、気を引き締めた。

 新体制として迎えた初の大会で多くの1年生が活躍した。その一方でまだまだ練習が必要な課題も多く見つかった収穫ある大会でもあった。各々が今後のレベルアップを図るとともに、偉大な先輩たちが昨年遂げることのできなかった団体優勝へ。早大ウエイトリフティング部の挑戦は始まったばかりだ。

(記事 田原遼 写真 杉野利恵、菖蒲貴司)

コメント

森川芳樹(スポ2=兵庫・明石南)

――きょうの試合への意気込みと目標は

世界ジュニア標準記録のトータル250キロを目指していましたが、ミスってしまい、スナッチが1本でクリーンアンドジャークが3本上がる結果になりました。自分は2年生なので本来なら出られないのですが、早生まれなので出させていただきました。

――優勝という結果についてどう思われますか

優勝という結果はうれしいのですが、目標としていたトータル250キロという世界ジュニアの標準記録を超せなかったことは残念ですし、目標を超えると言っても超せなかったので、自己新記録をいっぱいだして取れるという重量だったので、クリーンアンドジャークだけでも自己新記録を4キロ更新できたのでそこは良かったです。スナッチが1本で終わってしまったのは、後悔というか、次につなげるしかないなと思います。

――スナッチの1本目でのミスは、どのようなミスですか

練習では103キロまで取れていて、いけると思ったのですが、アップ場ではいい調子にあがりましたが、いざ本番になったら緊張もあり、取れる重量を1本目で取れなかったです。2本目で軽く取れましたが、1本目のミスが3本目にもつながったのかなと思います。

――クリーンアンドジャークでは140キロをあげられましたが、そのときはどのような気持ちでしたか

練習で140キロをクリーンをしたことはありますが、さしたことはありませんでした。2本目の時点では1キロ自己新記録を更新したのですが、140キロになったときは運が良ければさせるなとは思っていましたが、自分でもさせると思っていなかったので、さそうとしたら、運良くはまって取れたみたいな感じで、自分でも取ったときにびっくりしてしまいました。

――クリーンアンドジャークでは昨年の12月に行われた全日本学生選手権(インカレ)から大きな躍進を遂げられていますが、どのように思われますか

インカレのときは全然ダメでした。元々136キロまでは取れていたので、全然取れる重量でしたが、インカレではミスってしまいました。今回は伸ばせて、トータルでも5キロ程伸ばせたので、出れる試合が増えて、短期間ですが練習の成果があったなと思います。

――この試合での収穫点と課題点は

収穫は試合ベストが出せましたし、もともと早く取りたいなとは思っていましたが、クリーンアンドジャークで目標としていた140キロを取れたことです。スナッチが課題で、ミスが目立つので、安定して幅広く扱えるようにしたいと思います。

――ことし1年の目標をお願いします

年始めの試合ということで、自分はこの試合になんちゃってっで出場させてもらいましたが、4回出場していて最後に優勝を飾れて良かったです。この1年の目標は、インカレでは0点という結果に終わってしまった屈辱を、ことしのインカレでは点数を稼いでくれる人だと思われるぐらいになってインカレを終えたいです。

知念勇斗 (スポ1=沖縄・豊見城)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

今回の試合では自分の弱さがでてしまいました。

――具体的にはどの部分ですか

優勝した選手にクリーンアンドジャークで引けをとってしまったところです。そこの部分はもっと強化していかなくてはならないと思っています。

――次回への意気込みをお願いします

次回の試合では、今回出た課題を克服できるよう練習に励み、今回以上の記録を出したいです。

柏木麻希(スポ1=京都・鳥羽)

――いまの率直な気持ちをお聞かせください

スナッチ1本目でのミスが(大会新記録達成の)喜びを帳消しにしてますが、それでも2本目から修正してベストの1キロ下までいけたので上出来です。数週間前までインフルエンザに感染していて練習ができていなかった中でのクリーンアンドジャークの新記録は嬉しかったです。

――1回目のスナッチ失敗の理由は何ですか

構えの時に自分なりのいいセットができず、やり直しをするかどうかで迷ってしまい、結局中途半端になってしまったことです。

――きょうは具体的な目標などありましたか

1つ目は優勝すること。2つ目は世界ジュニアの基準記録であるトータル190キロ挙げること。3つ目は自己新記録や大会新記録を出すことでした。結果ほとんど達成できたので合格点かなと思います。

――次回への意気込みをお願いします

体調を万全にするなど準備をきっちりとして大会に臨みたいと思います。そして、自己新記録や、日本大学新記録を視野に入れてやっていきたいと思います。

永迫竜矢(スポ1=宮崎・小林)

――今日の試合を振り返っていかがですか

調子は悪くなかったのですが、フォームの部分で力をロスさせてしまって、うまく記録がのびなかったです。まだまだ練習が足りないなと痛感しました。

――今日の目標はどれぐらいでしたか

スナッチは120キロで、クリーンアンドジャークは150キロでした。

――次回への意気込みをお願いします

次回はもっと成功率を上げて、表彰台に上がれるような試技をしていきたいです。

池田祐介(社1=滋賀・安曇川)

――きょうの振り返りをお願いします

スナッチでまず3本しっかり取ることができて、流れに乗ることができました。ジャークはベスト記録でスタートすることになったのですが、調整もできていたので取れる自信しかなかったです。

――クリーンアンドジャークでは、2本目に失敗してしまいましたが

今回の目標は全体で270キロを上げるということだったのですが、それを1本目でクリアしてしまったので次は自分のベスト記録を目指していこうと思っていました。2本目に失敗してしまいましたが、特にプレッシャーなどはなく余裕を持って3本目に臨むことができました。

――大会ごとに記録が伸びていると思いますが、普段のトレーニングは充実しているということでしょうか

いまはグループに分かれて練習しているのですが、主将の武田さん(健、スポ3=宮城・石巻)と接する機会が増えました。また最近では実践を意識したトレーニングも多くなり、徐々に失敗も少なくなったことで本番でもしっかりと持ち上げられるようになったことが良いことかなと思います。

――5位という順位については

順位はそんなに良くはないですが、内容を考えたときに良いかたちで大会を終えることができたので、十分に次につながると感じています。

――これからの目標については

インカレで得点を取ってチームに貢献できる選手になることです。これからもトレーニングを充実したものにしていきます。