ウエイトリフティング部の早慶定期戦がことしは早大ウエイトリフティング場で行われた。52連覇を目標に各階級の選手が躍動。例年よりスコアは縮まったものの、重量級を中心に圧倒的な力を見せつけ見事優勝を果たした。
午前には56kg級から69kg級が行われた。62kg級では知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)がスナッチ、クリーンアンドジャークの計6回をすべて成功させ、堂々の成績で同階級を制した。69kg級で出場した千葉健介(社2=岩手・水沢)もそれぞれ3回目は失敗してしまったが、107キロ、132キロと他を寄せ付けない試技を見せた。この時点で3点のリードをつけ折り返す。
6回の試技をすべて成功させた知念
午後は77kg級から+94kg級が行われた。中でもその実力を遺憾なく発揮したのは77kg級の松本浩志(スポ4=兵庫・明石北)と+94kg級の菅野真央(社4=福島・川俣)だろう。松本はスナッチこそ同期の生頼佑馬(スポ4=兵庫・明石南)に競り負けるが、クリーンアンドジャークでは引き離し、トータルでは上回った。「しっかりと自分に与えられた役割を果たして」と松本が振り返るように、失敗はあったものの目標の重量を達成してみせた。一方で、菅野は以前に早慶戦の新記録を打ち立てているが、ことしはそれを更新した。スナッチの2回目で新記録となる132キロを上げ、さらに3回目の試技では140キロに挑戦し、難なく持ち上げてみせた。クリーンアンドジャークでの記録更新はならなかったが、トータルスコアでも新記録を樹立し、ワセダの勝利に大きく貢献した。
菅野は大会新記録を打ち立てた
131-100のスコアには決して満足はできない。それでも、この一戦で勝利を飾ったことには大きな意味があるだろう。「他の大会よりも歴史のある大会」と菅野は語ったくれたが、ずっしりとのしかかるその重荷を振り上げ、先代が作り上げた伝統をことしもしっかりと引き継いだ。ウエイトリフティング部はこれから、目標である全日本選手権での3位入賞を目指していく。
(記事、写真 菖蒲貴司)
コメント
梶田大和主将(スポ4=兵庫・明石南)
――早慶戦の52連覇を達成しました。いまのお気持ちをお聞かせください
メンバー交換をした時点で例年より大差がないなと感じていて、簡単には勝てないなとは思っていましたが、結果としてみんなの成功率が良くて、しっかり押さえるところは押さえて勝つことができてほっとしています。
――ご自身の成績については
ケガをしていて早慶戦自体に出られるかどうかがわからなかったのですが、予定より早く治ったので出場が叶いました。調整はほとんどできなかったので、いつもほどの重量は上げられませんでしたが、良い実戦復帰の場となりました。ただ、同じ階級に慶大の主将(会津圭悟主将)がいて、主将対決ができなかったのは悔しかったですね。
――主将として他の部員の活躍を見ていかがでしたか
やはり良い緊張感があったので、ひとりひとりが主体的に動いてくれて、その結果みんなが実力を出せたのではないかなと思います。2ヶ月後のインカレでも同じようにやっていけたら結果がついてくるのではないかなと思います。
――最後にインカレに向けての抱負をお聞かせください
個人としては、学生最後の試合ですし、卒業後に競技を続けるか続けないかはわかりませんがここで一区切りだと思うので、最後のインカレで優勝できるように頑張ります。団体としては3位という目標があります。今のままでは届かないと思うので、これからどんどん力をつけてそこに入れるようにやっていきたいです。
松本浩志(スポ4=兵庫・明石北)
――いまのお気持ちをお聞かせください
今までの先輩方が51連勝というかたちでぼくらにつないでくださったので、そのバトンを次の世代に渡すことができるかなと思っています。
――4年生としての意地が出ていたと思いましたが
調子はあまり良くなかったのですが、しっかりと自分に与えられた役割を果たして、その結果で今回は優勝することができたと思っているのでよかったです。
――早慶戦を開催するにあたってたくさんの支援があったと思います。どのような場面でそういうものを感じましたか
普段の練習からOB・OGのみなさんがお見えになられて様々なアドバイスをくださいました。競技だけでなく、普段の私生活の面でも支えとなっていました。精神的に支えてもらっているという感じです。
――最終学年で早稲田大学での開催となりました
欲を言えば、戸山キャンパスの記念講堂でやりたかったという思いがありましたが、昨年は慶大・日吉キャンパスの体育館でやらせてもらって良い経験ができました。ホームということでおもてなしの心を持って、歴史ある大会を進めるにあたって準備の段階から精一杯取り組めたと思います。
――インカレに向けて
少しでも早稲田大学のために力を尽くしたいと思っていますし、団体戦は今大会の良いムードのままに突き進んでいけたらいいなと思います。
菅野真央(社4=福島・川俣)
――早慶戦にはどうような気持ちで臨まれましたか
他の大会よりも歴史のある大会で、今までワセダは51連覇をしているので、何があっても続けていかなければというプレッシャーもありました。また、慶大の選手は大学から競技を始められている方が多いのですが、そんな中でも接戦であったり負けたりした階級がありました。私の階級は最後だったので、強さを見せて勝ち切ろうと思っていました。
――大会新記録を樹立されました
52連勝という目標が第一だったので、まずは割と低めのスタートでしたが、最初の一本を決めると次からは記録に挑戦していけました。全日本に向けて良い調整にもなったと思います。
――最後の早慶戦だったと思いますが、後輩に伝えたいことや4年間の振り返りがあればお聞かせください
考えて練習をしてくださいと伝えたいです。私はケガや他の大会との兼ね合いで4年間のうち2回ほどしか出場できませんでしたが、2回とも大会記録を更新することができたので十分に楽しめたと感じています。
――最後に全日本へ向けて意気込みをお願いします
全日本は団体戦で3位以内を目指すということで、私にできる最大限の努力をその日までしたいと思います。応援よろしくお願いします。