7月4日、5日に渡って行われた東日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会。生頼永人(スポ2=兵庫・明石北)の優勝を始めとし、それぞれの階級で計4名が表彰台に登った。
1日目初めに行われた男子56㎏級、早稲田からは期待のルーキー知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)が出場した。スナッチ競技において知念は、3回目に自己記録になる97キロに挑戦。しっかりと持ち上げ、ベストを更新した。スナッチ終了時点で3位となり、続くクリーン&ジャークでは1本目の121㎏のみの成功とはなったが、トータル2位で表彰台に上がった。「スナッチでは97キロ以上は上げることができると思う」という発言からも、今後が楽しみだ。続く男子62㎏級では森川芳樹(スポ2=兵庫・明石南)、千葉健介(社2=岩手・水沢)が出場した。森川はスナッチ・クリーン&ジャークともに3本安定した試技を見せ、全体2位で銀メダルを獲得。中でもスナッチでは自己新記録を更新するなど、今後に期待を持てそうだ。対して千葉はクリーン&ジャークで足がつるアクシデントが発生。3本とも失敗してしまい、トータル6位に終わった。
1日目の中で最も大きな歓声に応えたのは、生頼永。6月に行われた全日本選手権において、クリーン&ジャークでジュニア記録を更新しているだけに、今回の試合でも新記録に期待がかかっていた。スナッチでは3本確実に成功させ、続くクリーン&ジャークでは3本目に自身の持つジュニア記録を上回る171キロに挑戦。あまりの重さに棒がしなる中、見事ジュニア新記録を達成。周囲を寄せ付けない圧巻の勝利で表彰台の真ん中に立った。77㎏級に出場した生頼佑馬(スポ4=兵庫・明石南)はスナッチでは1本目のみの成功となり、これが足を引っ張ってトータル5位という不本意な結果に。次に控える全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会(全日本インカレ)ではフィジカルを整えるなど、コンディション調整に見直しが求められる。85㎏級では梶田大和(スポ4=兵庫・明石南)が出場。腰痛の影響もあり、上手く練習ができていなかった中での挑戦だったという。結果としてはトータル7位に終わったが、全日本インカレでは、主将としてチームをけん引していく姿に期待したい。
生頼永はジュニア新記録を打ち立てた
2日目は、男子105キロ級に菅野真央(社4=福島・川俣)、+105級に武田健(スポ3=宮崎・石巻)がプラットフォームに立った。菅野は持ち前の安定力を存分に発揮し、ジャークは3本全て成功させる。この時点での順位は全体1位。優勝をも視野にいれた状態でクリーンアンドジャーク競技に移ったが、多田佳弘(日大)との競り合いに力及ばず、トータルで2位に留まった。しかし、この結果は「予定通り」(菅野)だったという。自身の実力は出し切れた様子だった。対して武田は課題が残る結果となった。前回の全日本学生ウエイトリフティング個人選手権大会での失敗を挽回したいところだったが、スナッチは最初の1本目以外は失敗してしまう。続くクリーンアンドジャークでは出場選手中でも上位に入る重量を申請。「スナッチでチームに貢献出来なかった分、得意のジャークを」(武田)と、気迫あふれる試技を披露するが、結果は奮わず。6位に留まった。
2位で表彰台に登った菅野
全ての競技を終え、ワセダの順位は3位。多くの選手の入賞が見られた一方で、主将の梶田や武田など、上級生の活躍がいま一歩だったことも事実である。鍛錬の夏を越え、秋以降の成長を遂げた姿に期待したい。
(記事 杉野利恵、写真 菖蒲貴司、平野紘揮)
菅野真央(社4=福島・川俣)
――結果を振り返っていかがですが
予定通りかなと。目標は2位だったので、それぞれで2位でトータル2位になって、団体戦としてチームに貢献できたので良かったかなと思います。
――スナッチでは1位でしたが、調子はいかがでしたか
1週間前まで教育実習で、さらにその前には日韓中フレンドシップ国際大会に行っていて、すごく試合の間が短く調整は出来なかったんですが、自己ベストまでもっていけたのでかなり良かったと思います。
――ジャークでは最後の1本を失敗し、結果2位でしたが
結果論ですけど、仮にそこで取れていても(1位には)負けたので。相手の選手もベストが200キロとトップレベルのリフターなので、落としてしまったのは残念だったのですが、全体として満足いく結果になったと思います。
梶田大和(スポ4=兵庫・明石南)
――この大会を振り返っていかがですか
全然ダメでしたね。
――5月の全日本学生個人選手権の時から懸念されていた腰痛はいかがですか
まだ全くけがが良くなっていなくて、練習もできませんでした。そういうこともあり、このような結果になってしまいました。
――スナッチ最後の試技はあと少しのところで失敗してしまいましたが、それも腰痛が影響しているのでしょうか
(自己)ベストから10キロくらい低かったので、何が悪かったというより全てが悪かったと思います。
――ジャークでは150キロを失敗した後に、151キロに重量変更しましたが、その真意を教えてください
それは151キロの方が高得点が取れたというのと、時間を多く取りたかったからです。
――腰痛を抱えながらも練習を積まなくてはならない最後の夏ですが、そこに向けて抱負をお願いします
最後のインカレ(全日本インカレ)では良い成績を残せるように頑張ります。
武田健(スポ3=宮崎・石巻)
――調子はいかがでしたか
悪くはなかったんですが結果としてかなり悪い結果になってしまって。調子うんぬんよりも結果なので、悔しいです。
――スナッチでは上手くいかないところがあったと思いますが
前回大会で3本とも失敗してしまいフォームを変えたところがあったんですけど、前回よりは安定してきたところではあったんですが、勝負所で取れなかったのでそれは練習不足や調整不足かなと思います。
――ジャークは気迫が伝わってくる試技で下
スナッチでチームに貢献できなかった分、得意のジャークをと思っていたのですが、最後自己新に挑戦して届かなくて。そこで取れていればあと1点取れていたので、そういうところで弱さが出たかなと思います。
森川芳樹(スポ2=兵庫・明石南)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きょうの試合は6本とれて全カレに繋がるいい試合ができたなと思っています。
――きょうの2位という結果についてはどう思っていますか
今回の東インカレは強い選手が失格になったりして、たまたま2番になれました。まだまだ力不足ですが、これからもっと伸ばして、全カレに向けてがんばってやっていきたいと思います。
――スナッチとクリーンアンドジャークでは、どちらの方が調子が良かったですか
スナッチは1キロ自己新記録なんですが、クリーンアンドジャークでも自分の自己ベストより1キロ下なので、どちらも体重が少ない中では絶好調なコンディションでできたと思います。
――スナッチでは前回に比べて大幅に記録を更新されていますが、何か要因はありますか
柔軟性を高めたことです。ストレッチなどよくするようになりました。
――今後の目標をお願いします
1点でも多く、自分がチームのために貢献できるチームになろうと思います。
千葉健介(社2=岩手・水沢)
――きょうの大会を振り返っての感想を聞かせてください
スナッチは良かったのですが、ジャークは申し訳ない結果で、チームに迷惑を掛けてしまったので、次に反省点を活かせるようにという感じです。
――ジャークの方が自分的には、調子が悪かったということですか
そうですね。調子が悪かったというわけではないのですが、脚がつるというアクシデントがあったので。
――アクシデントですか
はい、でもそれは、初めてのことではなかったので、それを克服できていなかったのが一番の反省点ですね。
――本来はどちらが得意なのですか
どちらかと言えばスナッチですけど、最近はジャークも調子が良かったです。
――前回の大会より重い重量での申請だったと思うのですが、何か考えがあったのですか
調子が良かったのと、試合前にその重量を何回もとれたので、いけるかなと思ったという感じです。
――今後の目標を聞かせてください
インカレで得点をとれる選手に成長するということと、こういうこと(試合中に足がつるというアクシデント)にも対応できる選手になるということです。
――昨年度、一部リーグに昇格して、ことしはいざ優勝へとチームで気持ちが強いと思うのですが、チームで勝つということに対しては、どういう役割でいきたいと思っていますか
インカレに出場できるかまだわからないですが、そこでチーム内の争いに勝つというのもそうですけど、それ以前に競技面だけでなく、チームの為にできることというのをまずもっと探していかないといけないなと思います。
知念勇斗(スポ1=沖縄・豊見城)
――きょうの試合をふりかえっていかがでしたか
最初のスナッチ競技ではしっかり3本確実に決められたうえに、スナッチでは試合のベスト記録更新だったので、すばらしかったと思います。ジャークでは初めの1本目だけ成功で後の2本は失敗だったので自分の弱さが出たと思います。悔しいです。
――スナッチでは4月の全日本、6月の世界ジュニアと比べて重量が増えていますが、その点についてどう思いますか
この東日本インカレに向けて、スナッチのフォームなどかなり集中して練習していったので、その点が今回の記録に繋がったと思います。
――3本成功したスナッチは調子が良かったのですか
スナッチに関しては調子は全然良くて、まだまだ97キロより上は狙えると思っています。
――クリーンアンドジャークでは、2回目3回目に126キロ・128キロとあげられていましたが、なぜですか
順位を少しでも上げるために、128キロを上げれば1位をとれたので、それを狙っていました。