団結力が光り、『圧倒的優勝』で悲願の1部昇格!

ウエイトリフティング

 今季最後にして最大の大会、全日本大学対抗選手権大会(インカレ)が大阪で開催された。昨年度、2部降格という苦い思いを経験した男子部。これまでの練習の成果を存分に発揮し、全員が表彰台に登るという圧倒的な強さを見せつけた。2部歴代過去最高得点で団体優勝。悲願の1部昇格を決めた。

★四年生としての意地

スナッチを成功させる神谷主将、表彰台に上る菊池、伊藤

 ワセダからは69キロ級に神谷勇斗(スポ4=沖縄・糸満)が出場。スナッチ、クリーンともに3本目で失敗するも、「すべてを出し切ったので、悔いはない」と晴れやかな表情で試技を振り返った。続く85キロ級に出場したのは伊藤大永(スポ4=岐阜・中津)、菊池幹広(社4=茨城・大子清流)。「自分らしかった」と語る伊藤は、スナッチを2本連続で失敗するも、3本目は重量を上げての試技に臨む。大学最後の試合で強気の姿勢を見せ、見事優勝を飾った。また、「自己ベストとは程遠かった」と語る菊池であったが、最高学年としての意地を見せつけ6本中5本を成功。安定した試技でチームに貢献した。

    ★今後に期待できる下級生たち

    自身の記録更新に挑む生瀬永

     62キロ級には、森川芳樹(スポ1=兵庫・明石南)が出場。先月末の新人戦でスナッチの自己ベストを更新した森川であったが、今大会でも同重量に挑む。勢いそのままに、ジャークでは新人戦から5キロもアップの130キロを成功。自身も驚きを隠せない様子で「成功率が高くて良かった」と試技を振り返った。69キロ級に出場した生頼永人(スポ1=兵庫・明石北)は、6月に行われた日中韓大会に日本代表として出場。ジャークでジュニア日本新記録を樹立し、圧倒的な強さを誇る選手だ。今大会も自身の記録更新に向けて、6本目に168キロに挑戦するも、惜しくも失敗。悔しさの残る結果となった。今後は「スナッチ、ジャーク、トータル共に全てジュニア新記録を狙っていきたい」と意気込んだ。

      チームメイトからの歓声に応える菅野

       翌日の105キロ級には、菅野真央(社3=福島・川俣)が出場。調子が「かなり良かった」と語る菅野は、その言葉通りにスナッチ、ジャークともに自己新記録をたたき出す。2位と差をつけて優勝を飾り、自身でも会心の出来となった。105キロ超級に登場したのは武田健(スポ2=宮城・石巻)。スナッチは自身も文句なしの120キロを成功するも、クリーンは満足のいかない結果に。「優勝という形で四年生に恩返しをしたかった」と語る武田は悔しさをにじませた。まずは怪我を治し、今後の記録更新に期待がかかる。

         合計得点179点と最終的に2位と大幅な差をつけ、歴代最高得点で団体優勝を決めた早大。文句なしの1部昇格を果たした。昨年度、わずか1点差で2部降格となってしまった悔しさを糧に、チーム一丸となって、一年間『圧倒的優勝』を目標に戦ってきた男子部。その思いと努力は、今ここで報われる結果となった。個人競技とはいえ、一人一人の順位が重要になるインカレ。それを誰よりも身に染みて感じていたであろう神谷主将は、大会後「一人一人が優勝することを明確に意識してきた」と語った。この団体優勝はチームがひとつになり、大会に臨んだ団結力の表れではないだろうか。下級生の活躍も光り、今大会で大きな収穫を手にした早大。来季は強豪校が揃う1部での戦いとなる。新たな一歩を踏み出した男子部から目が離せない。

          (記事 上田密華、写真 菅真衣子、上田密華)

コメント

神谷勇斗主将(スポ4=沖縄・糸満)

――大会を振り返っていかがでしたか

チームとしてシミュレーションで一人当たり何点を取るかという計算をしていたのですが、全員それを下回ることなく、複数の人はしっかりと自分の予想以上の仕事をして得点を取ってくれたのできょうの179点という二部歴代最高の得点を取ることが出来たのだと思うので、非常にいい流れで繋ぐことが出来ました。

――個人としてはいかがでしたか

個人としては悔しい気持ちもありますけど、全てを出し切ったので悔いはないですね。

――調子はいかがでしたか

東日本インカレ後、この三ヶ月間しっかりと調子を上げてきて、きのうに臨めました。

――これが引退試合ですが、どのような気持ちで臨まれましたか

まだまだ実感はないですけど、きのうの最後の試技をするときには込み上げてくるものがあって、寂しい気持ちとまだまだチームにとって出来ることあったのではないかなと今となっては思っています。

――思い出に残っている試合はありますか

一番嬉しかったのは、五月の学生個人で大学初のタイトルを取ることが出来たというのは一番いい思い出ですね。

――昨年の降格から一年間、どのようなことを心がけましたか

一人一人が二部インカレで優勝するということを明確に意識して、日頃の練習に励むことですね。

――四年間を振り返っていかがでしたか

あっという間でした。今年が一番苦しかったし、長く感じた学年ですね。

――チームメイトに伝えたいこと

同期には、副将という立場が男子部にはいなくて、結構自分ひとりで悩むこととかもいろいろあって。そこで菊池を筆頭にみんなで支えてくれて、感謝しかないです。後輩たちも実力はみんなあるので、ぜひ来年一部でいい結果を残してほしいなと思います。

伊藤大永(スポ4=岐阜・中津)

――今回の大会を振り返っていかがでしたか

最後の試合の内容が良くなかったのですが、悪い意味でも自分らしかったなという感じがしました。

――調子はいかがでしたか

調子の方は何とも言えない感じで何とかなるかなとは思ったのですが、あまり良くありませんでした。しかし、優勝できたので良かったです。

――大会に向けてどのような練習をされてきましたか

国体が終わってからあまり時間がなかったので、できることだけやるという感じでした。

――4年間を振り返って

良い試合と良くない試合があり、ぼちぼちだったと思います。

――後輩に向けてメッセージはありますか

スナッチの一本目は落とさないようにして下さい(笑)

――同期に向けて一言お願いします

最高です(笑)

菊池幹広(社4=茨城・大子清流)

――今回の大会を振り返っていかがでしたか

自己ベストには程遠いですが、怪我の中で出場した割にはそこそこだったのではないかと思います。

――調子はいかがでしたか

調子の方は最悪でしたが、4年生としての意地でした。

――大会に向けてどのような練習をされてきましたか

怪我をしていたのでしていません。

――4年間を振り返って

長かったです。あと辛かったです(笑) 。

――具体的に辛かったこととは

怪我が多かったのと、主務なので仕事も多かったところです。

――後輩に向けてメッセージはありますか

うまいこと頑張って欲しいです(笑)。

――同期に向けて一言お願いします

3年半ありがとうございました。

森川芳樹(スポ1=兵庫・明石南)

――きょうの大会を振り返っていかがでしたか

成功率が良くてよかったです。

――調子はいかがでしたか

まずまずです。でも結果的には良かったです。全力ではなくところどころ悪いところもありました。

――前回の新人戦よりも大幅に記録を更新されました

そうですね。2本目で挑戦して重いだろうなと思っていたら、クリーンも成功できずに終わってしまって。でも、3本目はやるしかないなと思って上手くクリーンができ、正直自分でもびっくりしました。

――インカレに向けて、どのような練習をされてきましたか

アップ場でやるような感じを練習でもやって試合と同じようなパフォーマンスをするように心がけました。

――来季に向けての目標を聞かせて下さい

自分の目標はジュニアで国際大会に出ることです。それを果たすために来年の3月にある全日本ジュニアでスナッチ105キロ、ジャーク140キロぐらいを出したいです。

生頼永人(スポ1=兵庫・明石北)

――きょうの大会を振り返っていかがでしたか

スナッチはしっかりと3本取れて良かったのですが、ジャークのほうで3本目は抑えてはいたのですが、落としてしまったのでそれがもったいなかったです。

――調子はいかがでしたか

三週間前に国体、一週間前に日中韓フレンドシップの試合があって、調子自体はそこまでよくはなかったです。

――初めてのインカレでしたがいかがでしたか

特に変わりはなかったですね。国体のような団体戦を意識しました。

――インカレに向けてどのような練習をされましたか

高校の時と同じように、試合に向けて試合で調子が良くなるように調整してきました。

――今後の目標などを聞かせてください

スナッチ、ジャーク、トータルともに全てジュニア新記録を狙っていきたいと思います。

生頼佑馬(スポ3=兵庫・明石南)

――きょうの大会を振り返っていかがでしたか

あまりいい試合ではなかったです。結果自体は良かったのですが、記録自体が自分の想定していた目標にしていた記録には全然届かなかったので、そこは反省点というか悔いが残っています。結果は1位だったので、仕事は果たせたかなと思います。

――調子はいかがでしたか

全然だめでしたね。スナッチは調子が良かったのですが、調子が良くても取れなかったので安定感のなさを痛感しました。クリーンに関しては調子は悪かったのですが、最低自分の出来る重量は取れたと思います。

――今後の目標を聞かせてください

12月に世界学生があるので、そこでトータル290キロを挙げて、そこでこの階級を引退できればと思っています。

武田健(スポ2=宮城・石巻)

――2位という結果でしたが

2部ということもあり優勝を狙っていました。ワセダの圧倒的優勝というチームの目標があったので、ここに優勝という形で貢献したかったという気持ちもありますし、4年生にはたくさん迷惑もかけてたくさんお世話にもなったので優勝という形で恩返しをしたかったのですが、それができなかったので悔しいです。

――きょうの調子自体はどうでしたか

ここまでケガもあって直前に腰を痛めてしまい、自分のベスト以上の練習ができていなかったのもあるので、そこに調整できませんでした。

――この大会での収穫は

クリーンがひどかったのですが、スナッチについては文句なしだったのでスナッチについては自信を持っていいのかなと思います。

――次に向けて

まずしっかりケガを治して、次の大会まで大きく空くのでスクワットなどの基本から取り組んでそれが結果につながればいいかなと思います。

菅野真央(社3=福島・川俣)

――優勝という結果については

スナッチ、ジャーク共に1本目は、優勝を決めるということで2位の人の1キロ上を堅く取るということを決めて臨みました。そしてしっかりと優勝を決められたのでよかったです。また2本目以降は自分の新記録を狙うということで、すべて通して4本だったのですが、自己新記録を取れたのでそこは満足しています。

――調子自体はどうでしたか

試合前はあまりよくなかったのですが、きょうの試合自体はかなりよかったです。

――上げていくうちに次第によくなったということですか

そうでうね。次第にバーを握ってみると、これは軽いかないう感じでした。

――多くの収穫があると思いますが、特によかったところはどのような点でしょうか

最も大きいのはやはり自己新記録が取れたということですかね。スナッチで1キロ、クリーン&ジャークで3キロ更新できたのが大きな収穫です。

――次戦に向けて

4月までは大きい大会はないので、そこまでに力づけをして、競技につながるような練習をしていきたいと思います。