多くの選手が表彰台へ!しかし課題も浮き彫りに

ウエイトリフティング

 3日間に渡って、第60回全日本学生個人選手権、第26回女子学生選手権大会が大阪で開催された。ワセダからは11名の選手が出場し、各々の目標に向けて力を振り絞った。

 男子69キロ級、前大会を棄権という形で終えた神谷勇斗主将(スポ4=沖縄・糸満)が出場。スナッチ1本、ジャーク2本という満足のいかない結果ではあったが、嬉しい大学初のタイトルを獲得。成功率の悪さに対し「素直には喜べない」と語る神谷。「(これから)安定率を上げていきたい」という目標が明確に。一方、先月行われた第11回全日本学生選抜選手権でタイトルを獲得し、期待がかかる中で出場した生頼佑馬(スポ3=兵庫・明石南)であったが、スナッチ、ジャークともに全て失敗というまさかの結果に終わる。終了後「調子は悪くなかった」と語り、「虚無感に満ち溢れている」と何度も悔しさを滲ませ、「慢心していた」と自らの反省をしきりに語った。申し分ない実力の持ち主だけに、次の大会でのリベンジに期待がかかる。また、男子77キロ級には生頼と同様、全日本学生選抜において優勝、そして大会新記録をたたき出した梶田大和(スポ3=兵庫・明石南)が出場。スナッチ1本、ジャーク1本のみという結果で実力を出し切れずも、準優勝を飾る。しかし「内容はゼロ点に近い」と語る梶田。スナッチとジャーク、トータル300キロを目標に今後、フィジカル面の強化にかかる。

表彰台に登り、チームメイトからの歓声に応える神谷主将

 男子105キロ級、自身にとって今年度初めての大会となる菅野真央(社3=福島・川俣)が出場。「今年度初で不安はあった」と語る菅野だが、全く不安を感じさせず、安定してスナッチ、ジャークともに全てを成功させる。またジャークでは自己新記録をたたき出し、見事準優勝。「いい試合だった」と語る菅野。次に出場するのは実力者揃いの全日本選手権。「記録を狙っていく」と意気込んだ。女子63キロ級には見附絵莉(スポ4=兵庫・三木東)が出場。スナッチ2本、ジャーク2本という満足のいく結果ではなかったが「軽く挙げることが出来た」と、目標としていたタイトルを獲得。先月の全日本個人選抜の優勝に引き続き、今回も優勝を飾り「良い流れが出来ている」と語る見附。今後もこの流れに乗り、更なる好記録を目指す。

ジャークを成功させる菅野

 先月の全日本学生選抜からわずか2週間で迎えた今大会。結果が明確に分かれた大会であった。ワセダとして迎える次なる舞台は7月の東日本学生選手権。今大会の収穫を生かして各々の目標としている記録を達成し、今年度初戦となる団体戦で団結力を見せてほしい。

(記事、写真 上田密華)

結果

男子

▽62キロ級

千葉健介(社1=岩手・水沢)スナッチ89Kg ジャーク113Kg トータル202Kg

▽69キロ級

生頼佑馬(スポ3=兵庫・明石南)スナッチ0Kg ジャーク0Kg トータル0Kg

神谷勇斗(スポ4=沖縄・糸満) スナッチ115Kg ジャーク152Kg トータル267Kg

松本浩志(スポ3=兵庫・明石北)スナッチ115Kg ジャーク135Kg トータル248Kg

▽77キロ級

伊藤大永(スポ4=岐阜・中津)スナッチ120Kg ジャーク156Kg トータル276Kg

梶田大和(スポ3=兵庫・明石南)スナッチ131Kg ジャーク152Kg トータル283Kg

▽85キロ級

菊池幹広(社4=茨城・大子清流)スナッチ125Kg ジャーク135Kg トータル260Kg

▽105キロ級

菅野真央(社3=福島・川俣)スナッチ137Kg ジャーク164Kg トータル301Kg

武田健(スポ2=宮城・石巻)スナッチ120Kg ジャーク159Kg トータル279Kg

女子

▽56キロ級

中山桃花(スポ1=兵庫・須磨友が丘)スナッチ69Kg ジャーク81Kg トータル150Kg

▽63キロ級

見附絵莉(スポ4=兵庫・三木東)スナッチ84Kg ジャーク104Kg トータル188Kg

コメント

神谷勇斗(スポ4=沖縄・糸満)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

優勝出来たのは良かったのですが、内容がボロボロでした。6本試技があるのに対して、3本しか取れなくて、成功率の悪さが目立ったので素直には喜べない感じです。でも、大学初のタイトルなので嬉しい気持ちもあります。

――先月の大会では棄権という形で終わられてしまいましたが、その後今大会までどのように取り組んでこられましたか

この前の選抜では減量で苦しんで、結果棄権という形に終わったので、今大会まで2週間しかなかったのですが、出来るだけ体重を増やさずにパフォーマンスを維持するのに務めていました。

――自身の調子はいかがですか

自己新も出てないので、良くはなかったのですが、試合記録は更新出来たのでまあまあですね。あと一本でればというところですね。

――主将としてチームで意識されていたことなどはありますか

7月に東インカレがあるので、そこに掲げた目標をしっかり達成出来るように、チームではまとめるようにしています。

――具体的な目標などはありますか

東インカレでは3位以内、インカレでは2部で圧倒的に優勝して、来年1部に上げるというのを目標に取り組んでいます。

――今後強化したい面などあれば教えてください

スナッチの成功率がどうしても良くないので、もっと安定した試技が出来るようにフォームとかでも反復性というか同じ動きを出来るように、高めていきたいと思っています。

生頼佑馬(スポ3=兵庫・明石南)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

(結果に対して)虚無感に満ち溢れています。ただただ申し訳なったですね。

――自身の調子はいかがですか

調子はもともと悪かったのですが、今日はそんなに悪い方ではなかったです。ただ甘く見ていた部分はあると思います。

――この大会で何か収穫はありましたか

気が引き締まりましたね。選抜で優勝していて、慢心していた部分があると思うので、慢心がなくなりました。

――これからの大会に向けて具体的な目標などはありますか

試合の意味を考えて、東インカレでは言われた重量を挙げれるように頑張りたいです。スナッチ128キロ、クリーンアンドジャーク158キロですね。

――今後強化したい面などあれば教えてください

腹筋とメンタル面ですね。

梶田大和(スポ3=兵庫・明石南)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

結果として準優勝ですが、内容はゼロ点に近い内容だったかなと思います。一本ずつしか成功していないということと、一本目の重量は予定していた重量よりも低いので、ダメでした。

――自身の調子はいかがですか

調子は悪くはなかったです。でも今日は全然ダメでした。

――これから具体的な目標などはありますか

東インカレではトータルで300キロ挙げたいです。

――今後強化したい面などあれば教えてください

スクワットを強くしたいです。

菅野真央(社3=福島・川俣)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

12月のインカレ以来、今年度初めての試合だったので、半年ぶりぐらいの試合で、不安はあったのですが、6本全部成功で、クリーンアンドジャークの方では3キロ自己新記録が出て、トータル301キロだったのでかなり良い試合だったと思います。

――表彰台に登った時の気持ちを聞かせてください

やったなという気持ちですね。2位が決まった時がすごく嬉しかったです。

――今後の目標などを教えてください

次は全日本選手権が2週間後に控えていて、レベルがとても高いので、記録を狙って行こうと思います。スナッチは140キロ、ジャークは165キロ以上を目標にしていきたいです。

見附絵莉(スポ4=兵庫・三木東)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

まあまあでした。結果にはあまり満足ではないのですが、絶対に優勝しようと思っていたので、表彰台に登れて良かったです。でも、スナッチ2本、ジャーク2本で目標としていた6本取ることは達成出来なかったので、それは残念です。

――自身の調子はいかがですか

痛いところがあったのですが、今日は痛くなくて、軽く挙げることが出来たのでよかったです。

――この大会で何か収穫はありましたか

この前の選抜でも優勝して、今大会の個人も優勝して、次は全日本ということで、良い流れが出来ていると思います。

――次の大会への意気込みを聞かせてください

私の階級はワセダの潰し合いになってしまうのですが、とりあえず記録を狙って、成功率を上げて、それで結果がついてきたらいいなと思います。