自分らしい主将像 自然の中で登山・縦走、沢登り、ボート、自転車、山スキーなど幅広く取り組むワンダーフォーゲル。主将を務めた新居将史(創理=東京・早大学院)は「協力して乗り越えていかないとできないスポーツなので、チームワークがはぐくまれるのがワンダーフォーゲルの魅力」だと語った。ワンダーフォーゲルと向き合った新居の4年間を振り返る。 新居の代は、4年生が2人と人数が少ない代だった。人数が少ないことで苦労したことも多かったと語る。それでも乗り越えられたのは、もう1人の4年生、佐藤信太郎(法4=青森)の存在だ。佐藤のことを「しっかり者で頼れる相棒」だと話す。佐藤でないと、最上級生が2人という代の運営は厳しかったと大きな信頼を寄せた。主将は部の鑑(かがみ)になる人間で、部を引っ張っていく存在。完璧にできていないといけない。そんな理想の姿を目指すことは苦労したと振り返る。自分に合っている主将像はなにか考え、下級生の立場に立って、悩みを聞き、一緒にいこうという主将像を目指した。チームの一体感を作ろうと工夫し、活動の中の楽しさを積極的に見つけて部員のモチベーションを上げることを意識した。 守門大岳で活動する新居 ワンダーフォーゲルは大学から始める部員が多く、技術継承が重要である。自然の危険が付きまとうアウトドアスポーツは、入念な下調べや計画作成が必要だ。コロナの影響で活動を制限される中、技術継承という課題をどのように乗り越えるか。従来のようにひとつの活動に専念してレベルの高い活動を極めるのではなく、全員が様々な活動を経験するという新しいかたちをとった。夏合宿では例年と異なり、メンバーを変えながら全員で4つの活動に取り組む新しいスタイルを導入。準備が大変なこの形を採用したからこそ、一体感を持って活動することができたと振り返る。 「つらいことのほうが多かった。」それでも4年間続けてきてよかったと笑顔で振り返る。ワンダーフォーゲルで得たものを尋ねると、「リスクマネジメント力、計画力、行動力、そしてかけがえのない仲間ができたこと」だと話す。この4年間の経験が、今後も新居にとって大きな力になることは間違いない。 (記事 佐藤桃子、写真 ワンダーフォーゲル部提供)