【女子バレーボール】 重要な1戦!全員で必死につなぐも神奈川大に及ばず敗戦を喫した

女子バレーボール

秋季関東大学リーグ戦 10月5日早稲田大学上井草体育館

 9月に開幕した秋季関東大学リーグ戦(秋リーグ)も半分の日程を終え、残すところ5試合となった。早大は現在2部リーグ内で勝ち星ゼロ。何とか1勝したいこの日は、神奈川大と対戦した。第1セットから気迫あふれるプレーを見せるが、アクシデントもあり流れが崩れ、ストレート負けとなった。

 この日は、試合前練習からチームの空気感がこれまでと違うように見えた。全日本インカレの出場権は秋リーグと4、5月に行われた春季関東大学リーグ戦の結果により決定するため、この試合の結果がかなり重要になるからだ。気合十分で望んだ第1セットは、出だしこそ相手のセンター攻撃に3連続失点を許したものの、すぐにモサクまり(国教2=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)、川村彩乃(社2=岡山・就実)の2年生コンビが取り返し、その後は互いにサイドアウトを取り合う展開となる。中盤、大松未羽(スポ3=沖縄・首里)のコースを狙ったスパイクを皮切りに3連続得点を決めると、チームはさらに勢いづき、後半までこの均衡は崩れず緊迫した点の取り合いが続いた。自滅点から流れが相手に傾き、20ー24となった終盤、スパイク後の着地で足を痛めたモサクが離脱するアクシデントが起こる。全員で立て直しを試みたがかなわず、21ー25で惜しくもこのセットを落としてしまった。

 

ライトからスパイクを打つ西崎 

 

 第2セットは第1セットとメンバーが変わり、モサクの位置に林穂乃花(スポ4=東京・国分寺)がアウトサイドヒッターとして入る形でのスタートとなった。アクシデントの動揺も残る中、山﨑葵主将(社4=岡山・就実)を中心に声をかけ合いながらこのセットでも気迫のこもったプレーを見せる。西崎梨乃(スポ3=大阪・国際滝井)にトスが集まる中、チームを鼓舞するように力強いスパイクで得点を重ねていった。しかし、それでも押される展開はセット後半まで続き、序盤でついた10点差はなかなか縮まらない。西崎、川村らアタッカー陣が最後まで懸命に腕を振ったが、相手の容赦ない攻撃に対応しきれず、11ー25で第2セットも落とした。

 

 鋭い攻撃をする川村

 

 何とか取りたい第3セットは、リードされつつも大差をつけられることなくつなぎで食らいつき、4ー7とまずまずの前半の試合運びとなった。今大会で急成長中の加藤栞里(文構1=千葉・小金)がセンターからの速攻を決めると、その後西崎、川村も次々と強打を決め、その勢いに観客席からも歓声が上がる。一時13ー14と1点差まで追い詰めるが、相手のコートの隅を狙った攻撃を落とし、流れが少しずつ神奈川大に傾いていった。タイムアウトを2度使い立て直しを図るが、ネットの幅を使った攻撃に翻弄(ほんろう)され、一気にその差は9点に広がってしまう。相手のマッチポイントになってからも、川村がライトから2連続でスパイクを決め、諦めずに勝利を目指すが、17ー25でこのセットも落としてしまい、セットカウント0ー3で敗戦を喫した。

 

ブロックをする加藤と西崎

 神奈川大にストレート負けとなり、全日本インカレ出場が不透明になった早大。4年生の目には涙も見えたが、アクシデントがありながらも、全員で声をかけ合いながら諦めずに戦う姿が印象的だった。まだ秋リーグは4試合が残されている。最後にチームが笑ってリーグを終えられることを願っている。

(記事、写真 佐藤玲)

 

セットカウント
早大

21-25

11-25

17ー18

神奈川大
スタメン

アウトサイドヒッター 西崎梨乃(スポ3=大阪・国際滝井)

アウトサイドヒッター モサクまり(国教2=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)

ミドルブロッカー 川村彩乃(社2=岡山・就実)

ミドルブロッカー 加藤栞里(文構1=千葉・小金)

オポジット 大松未羽(スポ3=沖縄・首里)

セッター 井上美和(スポ2=神奈川・厚木)

リベロ 山﨑葵(社4=岡山・就実)

コメント

林穂乃花(スポ4=東京・国分寺)

ーー今日の試合を振り返って

まり(モサクまり・国教2=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)が怪我をして、まりはチームの中で大事な選手なので、自分も膝の怪我を経験していたからこそ、まりの分も頑張ろうと思いました。まりと同じ力は出せなくても、自分にできることを精一杯やろうと思って最後まで戦いました。

ーー押される展開の中でも良い雰囲気で戦っていましたが、チームでどんな話をしましたか

梨乃(西崎梨乃・スポ3=大阪・国際滝井)が「アクシデントはあったけれど、自分たちのやるべきことは変わらない。まりが穂乃花さんに変わっただけだ」と言ってくれて、すごく楽になって、そういう考え方をチームで共有できたことと、まりに任せきりになっていた部分を、他のメンバーで頑張ってやっていけたことがよかったです。

ーー途中出場となりましたが、今日の調子はいかがでしたか

スパイクミスが多くて、どうしても逃げになってしまうところがありました。普段練習していることを出すというのをもっと詰めてやっていかないといけないと思います。自分のプレーには満足できていないです。

ーー残り4戦への意気込みをお願いします!

ずっと勝てていなくて、後輩たちに勝ちがないまま自分たちが引退するのは申し訳ないので、絶対に後輩たちと勝って笑って最終日を迎えられるように、最後まで頑張ります。

 

井上美和(スポ2=神奈川・厚木)

ーー今日の試合を振り返って

途中でまりが怪我をしてメンバーが変わった後に、みんなでここからだよと言ってチームでまた盛り上がっていけたところは良かったと思います。

ーーメンバー変更もあった中で、セッターとして心がけたことはありますか

いつもまりと梨乃さんを中心にやっているのですが、もとから彩乃(川村彩乃・社2=岡山・就実)の本数をもっと増やさないといけないという課題もあったのでそれと、他のアタッカーももっと使うというところがありました。でも、焦ってしまってあまり戦術的にできなかったので、そこをここからまりが戻ってこれても戻ってこられなくても頑張らないといけないと思っています。

ーーアクシデントがありながらもチームで声をかけ合ってプレーしている姿が印象的でしたが、試合中どんなことを考えていましたか

トスをどのくらいの割合にするかということと、点差が開いた場面で守りに入らずに攻めていこうと考えていました。

ーー残り4戦に向け、ご自身で意識して取り組みたいことやチームとしての頑張りたいことを教えてください

自分はすぐに焦って不安になってしまうところがあるので、キャプテンも声をかけてくれるし、周りもいるので、しっかり周りの声を聞いてプレーすることを意識したいです。チームとしては、個人が自分のことだけを考えてしまっている時はチームとしてうまく回っていないことが多いので、みんなが全員で点を取っていく意識をもって頑張っていきたいと思います。