惜しくも白星を逃した秋季リーグ最終戦

女子バレーボール

 遂に秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)最終戦を迎える今節、早大は意気軒昂とコートに立った。試合は序盤から相手の堅守猛攻にセットを落とすが、3セット目から持ち直し1セットを奪取するも4セット目はつなぎ切ることができず、白星を逃した。

 第1セットから押され気味の展開となった。第2セットも2連続でサービスエースを決められるなど序盤からリードを許し、6-14と引き離されるが、西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)のスパイクや秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)のバックアタックで食らいつく。しかしながら、相手の強烈なスパイクに苦しめられ12-23と差がじわじわと広まる。最後はライトからのライン際にスパイクを決められ、2セット目も奪われた。

難しいボールを処理する秋重

 一転して第3セットは早大が主導権を握る。大松がセッターに入り、開始直後から西崎がAクイックを決める。レフトからのスパイクに手こずりながらも、秋重が3連続得点を決め7-4とし、エースとしての役割を見せた。しかし、中盤以降何度か追いつかれデュースまで持ち込まれるが、早大はスパイクがブロックに阻まれても粘り強くボールを拾い、長いラリーの末26ー24で3セット目は制した。

 後がない第4セット、こちらはセット初めから中盤まで拮抗した展開を見せる。徐々に相手の攻撃に対応し、ブロックとレシーブの兼ね合いができる。秋重のスパイク、大松未羽(スポ1=沖縄・首里)のトスワーク、山崎葵(社2=岡山・就実)の懸命なブロックフォロー。各々が役割を全うするも、一進一退のシーソーゲームが繰り広げられ、19-19で早大がタイムアウトをとる。なんとか引き離してセットを取りたい早大。最終戦で今季初の白星をあげたい江戸川大。両者の意地がぶつかり合うなか、決着の時が訪れた。ライトからクロスに鋭いスパイクを決められ、先に20点台に乗られる。その後早大も粘りを見せるが、22-24と追う展開で、ブロードを決められゲームセット。最後に追い上げを見せるも、試合を勝ち切ることはできなかった。

懸命にボールを拾う山崎

 リーグ戦折り返しから、怒涛の追い上げを見せ勝ち星を掴んできた早大。惜しくも最終戦で勝利することはできなかったが、秋は最下位に終わった春から大きく進化した姿を見せてくれた。次戦へ向けて「攻撃の幅を増やすことと、サーブを強化すること」と秋重は語る。夏を通して強化された守備に加え、攻撃力が上がれば鬼に金棒のチームになるだろう。彼女たちの進化はまだまだ止まらない。

(記事、写真 帖佐梨帆)

セットカウント
早大 15–25
15−25
26−24
22−25
江戸川大
スタメン
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)
レフト 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)
センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里)
セッター 南里和(商3=東京・女子学院)
リベロ 山崎葵(社2=岡山・就実)
コメント

秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 前半自分の調子が上がらなくて、すごい手こずってしまって…。やっぱ最終戦ということでみんな気負いすぎてたのかなというのもあったのですが、最後勝ち切って終わりたかったので悔しいです。

――今日の敗因はどこにあると思いますか

 敗因はやっぱ1、2セット目の自分のミスが目立ってしまったのが1番の敗因だと思います。

――今日はいつもよりサーブの調子が良く見えましたが、どうでしたか

 いや、まじでよかったですね(笑)。体調崩してしまって、病み上がりの状態だったのでいらない力がなくて、力入らなかったので逆にリラックスして良いサーブが打てたのかなと思います。

――秋季リーグ戦を振り返っていかがでしたか

 春季リーグと比べたらすごく成長してるなと思うプレーも増えたし、全体的に3本目につなげる本数も多くなって、粘り強いチームに成長できたのかなというふうに思います。

――チーム全体で春と比べて1番成長した点はどこですか

 ディグかな。もう少しスパイクが落ちていたのですが、割とフェイントボールも上がるようになったので、ディグがすごく良くなったと思います。

――チーム全体として次の試合までに磨きたいポイントはなんですか

 攻撃の幅を増やすということと、サーブをもう少し強化していきたいなというふうに思います。

山崎葵(社2=岡山・就実)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 相手は1勝もしていないチームだから、最後だからという思いで攻められたところに、自分たちが受け身になってしまって自分たちのプレーができていなかったと思います。

――最終戦の試合前はチームの雰囲気として緊張感はありましたか

 今まで勝ってもフルセットとかだったから、最後は頑張って勝ち切ろうという話をしていたのですが、こういう結果になってしまってやり切れなかったなという感じです。

――それを受けて出だしの1セット目の雰囲気はいかがでしたか

 こちらの雰囲気が悪かったというよりか、相手がガンガン攻めてきて、それに呑まれてしまいました。

――今日は全体的にレセプションのミスが見受けられたと思いますが、振り返っていかがですか

 攻め切るところで攻め切れていなかったり、拾えるところを拾えなかったりして自分たちのリズムに乗れず受け身になって、強気で返せば返るボールも受け身になってしまっていたかなと思います。

――秋季リーグ戦を通して山崎選手がリベロとして加わったことで、全体的な守備力が上がったように感じますが、個人的に秋季リーグ戦全体を振り返って、どのように感じていますか

 怪我で去年の秋と今年の春は出られていないので、その悔しい気持ちを出すというのと、プレーは1年ブランクがあったのでできないことも多いかもしれないですが、声出しであれば自分でもできるなと思って、自分ができることを精一杯やろうと思っていました。

――個人的に次戦までに磨いておきたいところはありますか

 レセプションの安定と、(秋重)若菜さんがエースで相手もそれをわかってブロックをがっしりとつかれてしまうので、マークがついた時にしっかりとブロックフォローできるように、ブロックフォローを絶対落とさないようにしたいです。レセプションとブロックフォローを頑張ります。