チーム全員の総攻撃で37連覇 つなぎのバレーでストレート勝利!

女子バレーボール

 昨年に引き続き今年も有観客で行われた第87回早慶バレーボール定期戦。3000人近くの観客が会場に足を運び、屋外の曇天にも負けない活気のある歓声が会場の慶大・日吉記念館にとどろいた。1年生を含め、普段なかなか出場機会に恵まれていない選手も躍動し、セットカウント3-0(25-18、25-17、25-21)でストレート勝利を収めた。

 1セット目、相手のミスが続き2点を先制すると、勢いのまま秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)がブロックとスパイクでさらに2点追加し4-0と上々のスタートを切った。そのまま早大はその後サーブミスなどで失点するものの、西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)と徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)のセンターラインの攻撃がはまり流れを渡さない。先に20点台に乗った早大は勢いのまま確実に点数を重ね、最後は徳山のAクイックが鋭く相手コートに突き刺さり25-18で1セット目を奪った。

サーブを打つ秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)

 続く2セット目はサーブでレセプションを乱され序盤こそリードを奪われたものの、このセットからレギュラーで柴田羽乃香(商4=東京・お茶の水女子大付)がレフトからスパイクやダイレクトアタックを決めるなどの活躍を見せ4-4と同点に追いつく。しかし、相手の粘り強い守備になかなか攻撃を決めきれない。11-10と拮抗した展開のままタイムアウトを挟んだ直後、中河果子(法2=東京・大妻)がいきなりサービスエースを決める。チームの雰囲気が一気に盛り上がり、ここで入学以来公式戦初出場の末木絵莉華(国教1=米国・アカデミーフォーパフォーミングアーツ)がピンチサーバーで登場し、見事サーブを入れた。守備ではボールを上げることこそできなかったが、ライトからのスパイクにも反応し、チームに活気をもたらした。勢いに乗った早大は秋重のキレのあるストレートコースのスパイクなどで3点を連取し19-13とする。終盤も2セット目からセッターとして入っている大松未羽(スポ1=沖縄・首里)と西崎の1年生コンビの息の合ったコンビプレーで3連続得点を決め25-17で2セット目も奪取した。

ピンチサーバーで登場した末木絵莉華(国教1=米国・アカデミーフォーパフォーミングアーツ)

 続く第3セット、再び南里和(商3=東京・女子学院)がセッターに入り、今季公式戦初スタメンの桑野裕衣(教4=埼玉・早稲田本庄)が速攻やサービスエースを決めるが、それでも慶大のプレーにほころびは出ず、序盤から一進一退の攻防戦を繰り広げる。中盤も4年生の桑野と柴田がサーブやスパイクで躍動を見せ、最後の早慶戦への意地を見せた。それでも20-19と引き離せない。だが、ここで中河のサービスエースでブレイクする。流れを引き寄せた早大はその後、エース秋重がスパイクを確実に決め、最後はサイドライン際に鋭く決まったスパイクでセットを勝ち取り、見事念願のストレート勝利を果たした。

   

難しいボールを処理する柴田羽乃香(商4=東京・お茶の水女子大付属)

 今回で節目の40回目を迎えた早慶女子戦。初めての早慶戦を経験した1年生や今年公式戦初出場の選手も多く活躍し、文字通り全員の総力戦で見事にストレート勝利を飾った。なかなか試合に出られなかった選手の活躍は、コート内だけでなく会場中に活気をもたらし、全員が終始笑顔で戦い抜いた。最近では勝てない試合が続き落ち込んでいた早大だが、秋季リーグは今回のような明るく楽しいプレーで勝利を目指す。

(記事 帖佐梨帆、写真 田中葵、星野有哉)

セットカウント
早大 25-18
25-17
25-21
慶大
スタメン
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)
レフト 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)
センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里)
セッター 南里和(商3=東京・女子学院)
リベロ 山崎葵(社2=岡山・就実)

秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)

――試合前の雰囲気を教えてください

 この試合がビックイベントなので、フワフワしていて楽しみな一方で緊張している一面もありました。

――今日の試合のご自身またはチームを振り返っていかがでしたか

 今日はサーブの調子が良くて、ミスもあったんですけどそこは自分の課題にしていたところなので、これからも練習を続けていきたいなというのと、チームでは粘りが足りないな、早稲田の女子バレーなのでもう少し粘りを見せる試合を作っていけたらな良いなと思います。

――応援を背にしたプレーというのはいかがでしたか

 本当に気持ちいいですね(笑)。応援もすごく聞こえてくるし頑張らないとと思えました。

――今日1番印象に残ったのはどの場面ですか

 末木絵莉華(国教1=米国・アカデミーフォーパフォーミングアーツ)がレシーブを1本上げたところです。練習でもなかなか上がらないんですが今日の試合でレシーブを上げられたのが本当に嬉しくて1番覚えています。

西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)

――初の早慶戦でしたが振り返っていかがでしたか

 私自身初めての早慶戦でスタートはすごい緊張したのですが、周りの応援が力になって、思い切りできました。

――応援がある中での試合でしたが、普段の試合との違いありましたか

 自分の力がすごいプラスされる感じがして、プレーしていて楽しかったです。

――大松未羽選手(スポ1=沖縄・首里)がセッターに入った際、コンビネーションが息ぴったりだった印象がありましたが、その秘訣は

 未羽は寮も一緒の部屋でずっと一緒に過ごしているんです。生活でもバレーでもコンビみたいな存在です。

――大松選手がセッターに入った時、普段との違いはどのようなものがありますか

 セッターの中では身長が高い方だと思うので、ボールを触る位置が高くて打ちやすいなと思います。

――秋季リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

 秋リーグは少しでも多くの試合を勝ち取って、まずは上位リーグに行けるように頑張ります。

末木絵莉華(国教1=米国・アカデミーフォーパフォーミングアーツ)

――入学して初の早慶戦だったと思いますが、雰囲気などはいかがでしたか

 雰囲気はすごくよかったと思います。(チームとして)緊張してる人たちに対してすごく盛り上げてくれて、緊張を和らげてることができてとてもよかったです。

――公式戦は初出場だったと思いますが、その点はいかがでしたか

 (今日が)試合に出るのが初めてだったのですが、次に出る時はもっと頑張ろうと思えるプレーだったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 1本レシーブを取れなかったものがあったのですが、もうちょっと練習していたら届いたのになと思います。もっと練習して早く動けるようにしたいです。

――ご自身のアピールポイントを教えてください

 とにかく頑張ることです!