無念の最終戦 惜しくも届かなかった勝利

女子バレーボール

 4月15日に開幕した春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)も早いもので最終戦を迎える今節。対するは今までの試合の中で唯一勝利している神奈川大学だ。早大は今までとは違い、自信をもって気合十分に試合に臨んだ。1セット目から熾烈なラリーが続き40点台に差し掛かるかと思わせるほどの熱戦を繰り広げたが、惜しくも第1セットを落とす。そのままの勢いで第2セットも奪われるが、第3セットラリーを続けるうちに自分たちのペースをつかみ奪取する。しかし、第4セットは自分たちのバレーを展開することができず、苦しい戦いを強いられ、セットカウント1―3(36―38、20-25、25-21、14-25)で惜しくも有終の美を飾ることはできなかった。

※5月6日以降の試合に関しては、報道の受付がないため写真の掲載はございません。ご了承ください。

 第3日目でフルセットまで持ち込んだ相手との第1セット、やはり競り合いの展開が続く。序盤から西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)のダイレクトアタックや息の合った速攻を決めるが、レフトから鋭いスパイクを打ち込まれ、点差を引き離すことはできない。だが中盤、秋重若菜主将(スポ3=大阪・金蘭会)がレフトからインナー、ストレート、クロスと自由自在なコース分けで3連続得点を決める。そのまま早大が先に20点台に乗り22-18とこのままセットを奪取するかに思われた。しかし、自陣のサーブミスで19点目を与えると、レフト、センター、ライトと多方向からの大胆なトス回しで一気に5点を取られ、すかさずタイムアウトを取る。窮地に追いやられた早大だったが、相手のサーブミスで何とか持ちこたえる。その後両チームタイムアウトを消費し切り、本腰を入れた勝負が始まった。何としてもブレイクが欲しい場面、ボールはエースに集められた。秋重は常にブロックにマークされ跳ね返される場面もあったが、それでも的確にコートの穴を突き絶対にブレイクを許さない。サーブでもその雄姿は光る。27-27と一点のミスが惜しまれる要所で、強烈なジャンピングサーブを決め、28点目をもぎ取る。それでも相手も粘りを見せ試合は中々決着せず30点台に乗る。ジュースになってから2周目のサーブが秋重に回り、またも強気のサーブで点を決める。この勢いのままセットを取りたい早大であったが、ここにきて練習してきたディグが上がらず、最後はレフトからクロスに打ち込まれ、36-38という大接戦の末、セットを落とした。

  第2セット、早大はスタートダッシュを見せ2-6といきなりリードを広げる。しかし、神大も簡単には引き下がらない。タイムアウトを挟んですぐに追いつくと、その勢いのまま攻撃を決められ7-13と劣勢に立つ。だが、西崎の息の合ったAクイックや大松未羽(スポ1=沖縄・首里)のサービスエースなど今節も一年生コンビが躍動を見せ16-19と3点差まで追いつく。しかし、練習してきたディグが中々上がらない。レフトからのスパイクに苦戦し、そのまま20-25でこのセットも落とす。

 あとがなくなった第3セット。早大は執念を見せる。大松のサービスエースで先制した早大は勢いに乗り、中盤まで着実に点を重ね15-11とする。しかし、自陣のブロックの吸い込みや押し負けで失点し、焦り始めた早大は徐々にスパイクミスが増え17-17と同点に追いつかれる。気持ちを切り替えたタイムアウト明け、先陣を切って点を取ったのは大松だった。レセプションでのミスを取り返すようにスパイクを決め、流れを取り戻した早大は25-21でセットを奪取する。この波に乗って取りたい第4セットであったが、序盤から守備が精彩を欠き、4-12と大きく引き離される。終盤3連続得点で盛り返すも、序盤の連続失点が響き14―25と粘り切れず、勝利を逃した。

 「チーム力の部分が欠けていた」と秋重が振り返るように、実力が拮抗した相手だけに要所でのミスが大きく響く試合であった。しかし、1セット目は30点を超える大接戦を繰り広げ、追い込まれた第3セットは早稲田のバレーで奪取するなど、持ち味である「粘り」という部分では大きな飛躍した姿を見ることができた。1勝9敗。戦績を数字のみで見ると決して誇れる成績ではないかもしれないが、どんなに劣勢でも得点したとき早大のコートには必ず笑顔が溢れていた。チームプレーにおいて一番重要なものが早大にはある。春季リーグ戦を通して得た課題は確実にチームを成長させているが、まだまだ伸びしろもある。更なる飛躍に向けて早大は歩み続ける。

(記事 帖佐梨帆)

セットカウント
早大 36-38
20-25
25-21
14ー25
神奈川大
スタメン
レフト 秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)
レフト 中河果子(法2=東京・大妻)
センター 徳山奈々美(スポ3=兵庫・加古川西)
センター 西崎梨乃(スポ1=大阪国際滝井)
ライト 大松未羽(スポ1=沖縄・首里)
セッター 南里和(商3=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文構4=長野・松本県ヶ丘)
コメント

秋重若菜(スポ3=大阪・金蘭会)

――最終戦前でしたが、チームの雰囲気はどうでしたか

 雰囲気はとても良かったと思います。全員、最後の試合だから割り切って「やってやるぞ」という顔をしていたし、終始明るくプレーできていたと思います。

――今日の試合を振り返って

 良いプレーもたくさんあったし、1セット取り切れたことも確実に成長できている証だと思います。でも大事なところで代わりに入った選手が思い切ったプレーができなかったり、大事なところで連続失点してしまったり、っていうチーム力の部分が大きく欠けているなっていうのを実感した試合でした。

――今週は特にディグに力を入れて練習してきたとお聞きしましたが、成果は見られましたか

 正直成果は出せなかったです。 悔しいですが、どれだけ練習しても試合本番で発揮できなかったらそれは練習していないのと一緒なのでコートの中で成果を出せるように頑張ります。

――1セット目は競る展開の中で、秋重さんが何度も攻めたサーブを決められていたのが印象的でした。心境はどうでしたか

 とにかく攻めることしか考えていなかったです。
「攻める」という気持ちに体が追いついてくれました(笑)

――結果的に江戸川大との対戦と同じような負け方になってしまいましたが、4セット目に粘れなかった大きな要因はなんですか

 やっぱり中盤の連続失点だと思います。今年のチームの1番の課題なのですが、一本のミスから簡単に4点5点連続で奪われて、そこから点差が広がって焦ってミスが多くなるっていういつものムーブが出てしまったので、そこが粘りきれなかった要因なのかなと思います。

――リーグ戦全体を振り返ってチームとして成長を感じた部分はどこですか

 最後までボールを追うという当たり前のことだけど難しいことが徐々にできてきたと思うのでそこが一番成長できたところだと感じています。

――次戦に備えてどのようなところを強化していきますか

 ディグは特に頑張って強化したいです。粘って勝つバレーがしたい。個人的にはバックアタックの決定率をあげたいです。

――次の公式戦は東日本大学選手権だと思いますが、意気込みをお願いします

 この春リーグの経験を糧に、東日本インカレでは強い相手にドンとかましてやりたいです。