関西の強豪・帝塚山大にストレート負け 4年生の引退が決まる

女子バレーボール

 全日本大学選手権(全日本インカレ)の2回戦で、早大は関西1部リーグ上位の帝塚山大と対戦した。強力なミドルブロッカーを擁し、多彩な攻撃を展開する相手に対し、粘り強くつないでエースに届ける。長らくチームに合流できていなかった橋本彩里主務(教4=東京・早実)を始め、山﨑葵(社1=岡山・就実)、林穂乃花(スポ1=東京・国分寺)も見守る中、早大の運命の一戦が大詰めを迎えた。セットカウント0-3(14-25、16-25、17-25)で敗戦し、現体制の終幕と4年生の引退が決まった。

 果敢に攻め、流れをつかみたい第1セット。秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)の丁寧なサーブレシーブから山下日和副将(社4=千葉・市船橋)のクイックがさく裂。その後も中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)を中心に得点を重ねるが、フェイントやプッシュといった穴を突く攻撃でリードを許す。中盤はS南里和(商2=東京・女子学院)が飛び込んでディグし、秋重がナイスコースに決めきるなど、初めて連続得点に成功した。柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)や神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)らが好守備を見せたものの、終盤は相手の速いコンビプレーに苦戦。最後は相手の強烈なサーブに押し切られ、5連続失点で先取された。

2年生エースの秋重

 第1セットの流れを払拭したい第2セットは、エース同士の打ち合いとなった。南の上質なトスから中澤のバックアタックが冴え、相手の拾えないエンドライン際へと決まる。しかしブレイクはかなわず、徐々に差が開き始めた。ピンチサーバーとして橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)、中山知花(スポ1=東京・女子学院)がコートに送られ、巻き返しを図る早大。山下のブロックポイントで11-16としたが、一進一退の攻防で背中をつかむことはできず、16-25でセットを落とした。

トスを上げる南

 負ければ終わり、背水の陣で挑んだ第3セットは、早大のギアが一段上がった。出だしこそ3連続得点を許したものの、神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)のブロックポイントや、中澤の2本のサービスエースを含む連続得点で5-3とし、この試合で始めて先行する。このセットは取れる、それだけの勢いがあった序盤だが、相手も巧みにブロックアウトを取りにいくなど猛追し、逆転。神庭の鋭いクイックで13-13としたものの、5連続失点で14-19となり終盤へ。柴田のダイレクトボールの押し込みで勢いづいた早大だが、帝塚山の壁は高く、ストレート負けを喫した。

  試合を終えたその瞬間の選手たちは意外にも冷静であった。しかし、整列が解けた後、わずかに顔をゆがめるもの、涙するもの、何とも言えぬ表情をするもの。各々のやり方で敗戦の悔しさを噛みしめる。
 学生スポーツに必ずある終わりがきた。「個性的で人数が多く、様々なバックグラウンドを持つ」という、存在感ある4年生の引退が決まり、これからはそれぞれの道に進んでいく。そして、新生・早稲田が始まる。中澤は後輩たちに向けたメッセージとして、「初めに壁を破る人にはめちゃくちゃ体力が必要。でも、乗り越えると後のチームに勢いが生まれる。そのきっかけとなる代になってほしい」と語った。「もっと4年生とやりたかった」「勝ちたかった」、そんな悔しい気持ちを糧に、来年こそ1部昇格へ。明るく、勢いある早大女子バレーから、これからも目が離せない。

得点後コートを走り回る選手たち

(記事 五十嵐香音、写真 横山勝興)

セットカウント
早大 14-25
16-25
17-25
帝塚山大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
途中出場
橋本菜央(スポ4=神奈川・鎌倉女学院)
中山知花(スポ1=東京・女子学院)

※4年生の引退コメントは、別記事として後日掲載いたします。