全日本インカレ開幕、ストレート勝利で危なげなく1回戦突破!

女子バレーボール

 現体制最後の試合となる全日本大学選手権(全日本インカレ)。早大は九州1部リーグに所属する志学館大との初戦に臨んだ。第1セットは互いに一歩も譲らない試合展開となるが、接戦の末に早大が先取する。勢いそのまま、相手に流れを渡さずセットカウント3―0(25―21、25―16、25―20)でストレート勝ちを収めた。

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 1セット目は序盤から点を取れば取り返すという試合展開が続く。南里和(商2=東京・女子学院)のサービスエース、秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)の強烈なスパイク、中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)の緩急をつけた攻撃で得点を重ねるも、14―18と一時は点差を離される。しかしここで主導権を相手に握らせないのがエース中澤。前衛に上がると自分であげたボールを相手コートに叩き込み、安定したレシーブと決定力を見せつける。そこから早大は一気に流れを引きつけた。21―21と並んだところから連続でブレイクを重ね、第1セットをものにした。

中澤のサービスエースで第1セットを取った

 波に乗りたい第2セット。試合開始早々、山下日和副将(社4=千葉・市船橋)がダイレクト、速攻で2連続得点を決める。その直後、中澤と神庭有花(先理4=千葉・市浦和)の2枚ブロックで相手のスパイクを封じ込めるなど幸先の良いスタートを切った。中盤まで競り合い、4連続失点で11-12と逆転されると馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)がタイムアウトを要求。切り替えた早大は、山下の速攻や、それをおとりに使った秋重のアタックなどのコンビプレーで得点を重ね、25-16で第2セットを連取した。

 相手にとっては後がない第3セット。第1、2セットと同じく中盤までは点差のつかない展開となる。しかし、ブロッカーを抜き豪快に相手コートに突き刺した中澤の鋭いスパイクを皮切りに、徐々に点差を離す。その後も山下のCクイックなど多彩な攻撃を織り混ぜ相手を翻弄(ほんろう)する。「後半だんだん相手の癖やタイミングが分かってきた」と山下が言うように攻守共に完全に早大ペース。しかし南がツーアタックで得点を奪った直後、ネット側のプレーで失点し、3点差まで迫られる。ここでも中澤が力のこもった声でセッターへのトスを要求し、決め切って悪い流れを払拭する。最後も相手の乱れたレシーブを中澤が落ち着いてダイレクト。25-20で第3セットを奪った。

3本目を任されることもあった柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)

 山下は「このチームの良さがまだまだ出せていない」と試合を振り返り、サーブミスやブロックの対応力を課題として上げた。しかしそれ以上に、競り合った試合をストレートで勝ち切ったことは、次戦以降の大きな糧となるだろう。中日を狭まないハードなスケジュールになるが、自分達らしいプレーを100パーセント出し切り、2回戦突破に突き進む。

(記事 渡辺詩乃、写真 五十嵐香音)

セットカウント
早大 25-21
25-16
25−20
志学館大
スタメン
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)
レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)
センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋)
センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和)
ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
セッター 南里和(商2=東京・女子学院)
リベロ 神戸彩有(文講3=長野・松本県ケ丘)
コメント

山下日和副将(社4=千葉・市船橋)

――早関戦から今日までで一度しか練習がなかったと思いますが、どのような練習をしたのですか

 特に変わったことはしていなくて。1年間、上手くいかなかったら、もう一本やるとかこだわりを持って練習することをずっとやってきたので、昨日も何本も打ち切れるまで良い形になるまでやりきるということをしました。そこが今日につながっていたら良いなと思います。

――試合内容を振り返って

 結果的にはストレートで勝てたのですが、自分自身かなり反省点が多く、もし今日で負けてしまっていたら悔いしか残らない内容でした。このチームの良さがまだまだ出せていないし、このまま終わるわけにはいかないので。切り替えて、明日気合い入れてみんなで頑張りたいなと思う試合でした。

――反省点というのは具体的にどのような点ですか

 自分もそうなのですが、サーブミスが多かったのと、足が動いていなくて落ちてしまったボールがありました。意識次第でどうにかなるプレーがあると勿体ないので、熱量や勝つ気持ちをもう少しみんなでそろえて向かっていきたいと思います。

――サーブは、早関戦のときにもっと攻めていかないといけないというお話を伺いました。ミスは、攻めた上でのミスではなかったですか

 攻めてはいたと思います。でももう少し頑張れるというか、ネットが多かったですね。「せめてアウトなら良い、ネットだけは無し」とチームでも決めているので、もう少しスピードを乗せていくような攻め方をしたいと思います。

――後半になるにつれ、ディフェンスが整ったように思いました。特にブロックを振り返っていかがですか

 ブロックは後半だんだん相手の癖やタイミングが分かってきたからこそ、少しずつ上がってきたと思うのですが、1セット目のうちに修正して、3セット目くらいの慣れ感を1セット目から作っていきたいです。対応力の早さをもう少しつけていきたいです。

――ライト打ちで、少し打ちにくそうな場面も見られました。攻撃面はいかがですか

 少しトスが乱れてしまっていた部分もあったのですが、今日初めての会場でしたし、1本目のレシーブでもう少し丁寧にできる部分がありました。それができれば、南も落ち着いて上げられると思うので、2本目の精度も大事ですが、1本目と、3本目のスパイカーがカバーするという方向でもっと頑張れるかなと思います。

――明日に向けて意気込みをお願いします

 負けたら終わりなので、全部出し切って悔しいと言えるように。もっとできたんじゃないかという後悔ではなく、ちゃんと勝って後悔が残らない試合にしたいです。しっかり出し切ります!