春季関東大学リーグ戦、総当たりの最後の相手は江戸川大。第2セットは序盤のミスが響いて大差でセットを奪われた。しかし、拮抗(きっこう)した展開となった第3セットを僅差でものにすると、これが勝負の分かれ目となった。勢いに乗った早大は、セットカウント3-1(25-19、16-25、25-23、25-13)で勝利を収め、2部全勝優勝で入れ替え戦への切符をつかんだ。
第1セットは中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会)の2連続得点で良い滑り出しとなった。中盤は山下日和副将(社4=千葉・市船橋)の攻撃力が光る。長いラリーの中、相手コートからは次にトスが上がる先を予測する声が飛び、的を絞られながらもクロススパイクを決め10-6。ネットを越えそうな相手のボールをダイレクトで打ち込む際には、一度はフェイント、次は強打と緩急を織り交ぜて技を見せた。このままリードを保ち、第1セットを先取する。しかし続くセットでは一転、相手の強力なサーブに対し、レシーブがやや伸びがちに。トスの際のネットタッチや、スパイクミスが続き一気に流れをつかまれる。セッター南里和(商2=東京・女子学院)がぎりぎりまで先を読ませない美しいバックトスで中澤にボールを運ぶと、クロスに打ち込み4-9。その後追い上げに成功し、16-19まで迫った。しかしここから、相手のサーブからのミスが続いて6連続失点。セットポイントをサービスエースで献上した。
1年生ながらスタメン出場のリベロ山﨑
嫌な流れを断ち切りたい第3セットは、南のサーブで翻弄(ほんろう)し、10-3と先行する。相手のサービスエースの直後、秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)が落ち着いて相手の逆をつくフェイントで12-8とし、流れを渡さない。研究を重ねたと話すスパイクサーブでも貢献し、サービスエースを獲得するなど攻撃力の高さを見せた。山下と柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付)は何度もブロックに跳び、相手にプレッシャーを与え続けた。お互いに攻守バランスの取れたチームで一進一退の攻防となったが、山下のクイックが2連続で決まるなどし、25-23で接戦となったセットを制した。最終セットは早大のペースで進んだ。相手の伸びたレシーブを山下が押し込み10-6、タイムアウトを取らせることに成功する。その後も早大優位な展開は変わらず、山崎葵(社1=岡山・就実)の二段トスから秋重が決め、20-10。最後は徳山奈々美(スポ2=兵庫・加古川西)のサービスエースで勝負を決めた。
ハイタッチする選手たち
たとえサーブで崩され、アンダーハンドでのトスになったとしても、二段トスになったとしても、決めきる場面が多く対応力の高さがうかがえた。早大は目標の1つである『全勝優勝』を達成した。この結果により、1位通過で入れ替え戦へと歩を進めることになる。『1部昇格』の実現はもうすぐそこだ。一発勝負の入れ替え戦の舞台でも力を際限なく発揮し、壁を突破したい。
(記事 五十嵐香音、写真 田部井駿平)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 | 25-19 16-25 25−23 25−13 |
1 | 江戸川大 |
スタメン | ||||
レフト 中澤恵主将(スポ4=大阪・金蘭会) レフト 柴田羽乃香(商3=東京・お茶の水女大付) センター 山下日和副将(社4=千葉・市船橋) センター 神庭有花(先理4=埼玉・市浦和) ライト 秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会) セッター 南里和(商2=東京・女子学院) リベロ 山﨑葵(社1=岡山・就実) |
コメント
秋重若菜(スポ2=大阪・金蘭会)
――今日の試合を振り返ってみていかがですか
やっぱり最終戦なので、チーム全体にちょっとぴりついた雰囲気がありました。前回の試合が良い形で終わったので、それに比べると入りが甘かったのかなという印象です。やり切れてはないですけど、勝てたのは良かったです。
――今日はかなり調子に波があったように感じました。2セット目取られた後、どのように切り替えましたか
今年のチームは本当にムラが激しいんですけど、セットが終わって全体で話す時に、先輩を中心に声掛けを多くするとか、ちょっとした工夫をすることで 絶対に切り替えるという雰囲気ができたので、セットごとに切り替えられたのかなと思います。
――サーブがかなりパワーアップしていますがそれについてはいかがですか
サーブは本当に頑張ったんですよ(笑)。たくさん動画を見返してサーブだけでも自分の武器にしたいと思って。ルーティーンはそのままでトスを変えてみて、タイミングとかも。とにかくトスです。サーブだけはしっかりこだわって練習しました。
――2年生になり、1年生だったころと変わったことはありますか
コートにリベロの葵(山﨑、社1=岡山・就実)が入っているんですけど、すごい気にかけるようにはしていて。人数が先輩と後輩で半々くらいで、1年生の時は本当に何も考えていなくて、よっしゃーよっしゃーみたいな感じだったんですけど(笑)。ちょっと甘えている部分はまだありますが、葵をすごく気にかけることは多くなりましたね。
――入れ替え戦まで間が空きますが、どのように過ごしたいですか
気持ちは絶対に落としたくないですし、ちょっとコンディションが春リーグを通して悪かった感じがあるので。しっかり整えて、準備期間だと思って、毎日頑張りたいです。
――入れ替え戦の意気込みをお願いします
本当に絶対に1部に上がりたいです!頑張ります!!
山﨑葵(社1=岡山・就実)
――今日の試合を振り返っていかがですか
今日の相手はサーブが強いチームだったので、いつもよりサーブレシーブ崩れてしまいました。そうなった時に先輩方が止めてくださって、盛り上げてくれて、たくさん声をかけてもらえたおかげで乗り切れました。
――1年生唯一のスタメンで出場されていますがいかがですか
コートの中で緊張することもありますが、コートの中の先輩はもちろんですし、自分はリベロなので1回コートの外に出る時も、コート外の先輩方や同級生がみんな声をかけてくださるので、そのおかげで(プレー)できています。
――今日はとても長いラリーになっていました。フロアディフェンスの完成度はどうですか
今日は結構調子が悪かったですが、前回まではブロックとレシーブの関係がしっかりできていました。ブロックの方がしっかりしてくれているので、後ろでレシーブしていてすごくやりやすいです。
――入れ替え戦への意気込みを聞かせてください
この入れ替え戦で1部に昇格できないと、4年生と1部での試合が出来ないので、入れ替え戦ではしっかりと勢いに乗り、今日までで出た課題をしっかりと克服して、試合に臨みたいです。