第2回 秋季関東大学リーグ戦代替大会前インタビュー 女子部前編

女子バレーボール

 春季リーグの中止が決まってから、早大は秋季リーグでの一部昇格を目標に、制限の中でも努力を積み重ねてきた。現状に鑑みいくつかの競技では日程通り秋季リーグが開幕したものの、関東大学バレーボール連盟が下した判断は開催中止。目標に挑戦する機会は、誰を責めるわけにもいかない状況の中で奪われてしまった。しかしその後、救済措置として無観客での代替大会が今月11日から開催されることが決定。現体制で臨む最初で最後のリーグ戦へ、再び気持ちを奮い立たせて向かう4年生たちにお話を伺った。前編は植松知里(文構4=香川・高松第一)、吉内文(スポ4=山口)、村山果菜(教4=東京・国際)の3人。

※この取材は10月5日、6日に文面にて行われたものです。

※記事中の写真は昨年度以前のものです。

『どこに向かえばいいのか分からない状態だった』(村山)

2年次から高さを生かしたプレーが光る村山(写真左)

――春リーグや秋リーグの中止が決まったときの率直な気持ちをお聞かせください

植松 とても複雑な気持ちでした。まさか最後の一年がこんな一年になると思っていなかったので。

吉内 3年生まではリーグの途中から試合に出ることが多く、今年の春初めてレギュラーとしてフル出場ができるととても意気込んでいました。しかし春リーグが中止となり、かなりショックは大きかったです。また秋リーグは開催されるだろうと思っていたので、一部昇格という目標に挑戦できる場がないことにやるせない気持ちになりました。

村山 これまでの3年間、先輩方と一緒に戦ってきたリーグ戦を自分たちの代ではできないのかとショックでした。目標とする試合がなくなったことで、どのように気持ちを保てばいいのか分からなかったですし、チームとしてもどこに向かえばいいのか分からない状態でした。

――秋リーグ中止の決定から気持ちを切り替えるのに難しさはありましたか

植松 秋リーグはいつもどおり開催されると思っていたので、難しさはありました。これからリーグに向けてチームを固めて気持ちも高めていこうという時期だったので、何を目標にしてどこにピークを合わせて練習すればいいのか分からずモヤモヤした気持ちでした。

吉内 春は練習ができる状況にもなかったし、この先コロナウイルスの感染拡大がどうなるのかもよく分からなかったので、戸惑いはありました。秋に関しては今年一度も試合ができておらず、代替大会ではありますが試合ができるので、それに向けて頑張るしかないなと思ってきました。

村山 ありました。春リーグがなくなった後も皆で話し合って気持ちを立て直し、秋リーグや全日本インカレをモチベーションに練習に取り組んでいたので、その秋リーグもないことが決まった時はかなり落ち込みました。しかし、限られた時間しか残されていない中で、やるからには前を向いて頑張ろうと同期と話し、日々の練習に取り組んでいます。

――自粛期間中に4年生で話し合ったこと、実践したことはありますか

植松 同期とは何度か話し合いをして、自粛中の過ごし方や自粛明けの練習について話しました。同期が9人もいて、話し合いを始めるといつもまとまらなくなるのですが、自粛中あまり人と会えない中、同期とくだらない話をすることが個人的にはすごく気分転換になっていました。

吉内 練習がなくチームで顔を合わせる機会がなかったのですが、チームの繋がりを大切にしようという話をしました。そこで学生トレーナーさんがzoomトレーニングを開催してくれました。またランニングの距離をシェアしたり、学年を越えてzoomで何気ない話をしたりしていました。

村山 二人も言ってくれたようにトレーニングやランニングといった体力の維持と、zoomを使った部員間のコミュニケーションに力を入れました。また、実際に体育館で新入生と会っていた従来の形がとれない中でも、新歓活動に力を入れました。自粛期間で新入生と何度もオンライントレーニングをしたので、実際に対面で会えた時は距離が縮まっているような感じがしました。私たちも初めてのことばかりでしたが、4年生の話し合いは会えない中で久々の同期との時間で個人的に嬉しかったです。

『入替戦はないが、全勝を目指したい』(吉内)

力強いスパイクを打ち込むサウスポーの吉内

――練習が再開されてからのチームの雰囲気はいかがですか

植松 思っていたよりみんな動けていて、好感触でした。課題もまだたくさんありますが、9月10月と練習試合を重ねてチームとしてのまとまりがだいぶ出てきたと思います。ただ、良い時と悪い時の波が激しい印象です。リーグ期間中も調子が上がらない時が出てくると思いますが、そんなとき4年生が中心になって盛り上げて、皆が良いイメージを持って試合に臨めるように、緊張感や雰囲気作りをやっていきたいです。

吉内 やっとバレーボールができたということと、いつまた練習ができなくなるか分からないということで日々の練習を大切にできたと思います。また8月には新入部員も5人入ったので、活気が出たのかなとも感じます。

村山 毎日会っていた仲間と二ヶ月も会わなかったこと、バレーボールを二ヶ月やらないことは共に初めてでした。そのためみんなと再会できて、バレーができて嬉しいといった雰囲気がありました。現在は、例年と比べると合宿に行けず実戦練習が足りていない状態ではありますが、少しずつチームとして形になってきています。また1年生が入ってきてくれたことで、チームに新しい風も吹き、活気のある雰囲気で代替大会に向かっています。さらに今年は練習以外にもトレーニングを強化し、皆が体力や筋力といった面でもレベルアップしてきたので、その部分が自信になってバレーボールに繋がるのではないかと感じています。

――代替試合におけるチームの目標は

植松 目の前の1試合1試合に全力を注いで、勝つことです。あとはレシーブで粘って粘って最後(点を)取り切るという、目指してきたバレーをやることです。

吉内 入替戦はありませんが、全勝を目指したいです。そのためにも一試合一試合を大切にやり切りたいです。

村山 早稲田らしい繋ぎを見せて、相手に粘り負けしないこと。また目の前の一戦一戦に全力で臨み勝つことと、代替大会を最後まで全員で戦い抜くことです。

――個人としての目標はありますか

植松 アタッカーとしては、勝負どころで点を取ってチームにいい流れを引き寄せられるようにしたいです。また二段トスなどの繋ぎの部分は、自分の重要な役割なので、こだわりをもって誰にも負けないくらい徹底していきたいです。あとは、チームの雰囲気が悪くなるとコート内で目が合わなくなるので、4年生としてしっかりみんなに声をかけながら、絶対に笑顔を忘れないようにやっていきます。

吉内 先月まで母校に教育実習に行っていたのですが、コロナによる自宅待機期間もあり、一ヶ月もチームを離れてしまいました。今はまだ満足できるコンディションには戻せていないですが、少しでも早く試合に出られるように努力を重ねたいですし、大会中にもスパイクとサーブを磨いていきたいです。

村山 苦しい場面でもブロックでいいワンタッチをとることや、速攻を決めてサイドへのブロックを割ることで、少しでもチームに良い攻撃の流れを作れるようにしたいです。またアナリストとして他チームの分析もするので、コート内でも活かせるように頑張ります!

『みんなが同期で良かったと思うことが本当にたくさんあった』(植松)

攻撃面に加え、繋ぎにおいても需要な役割を担う植松

――代替試合を前にして、同期の皆さんに対して思うことや伝えたい思いはありますか

植松 この4年間、みんなが同期で良かったと思うことが本当にたくさんありました。結束力では絶対に負けないと思うので、最後まで私たちらしく、楽しむ心を忘れずに全力で頑張ろう!!!

吉内 今年はコロナに振り回されてばかりでしたが、最後のリーグ戦を9人で乗り越えていきたいです!私自身4年間同期にたくさん迷惑をかけてきたので、コートで思い切りプレーをして少しでも恩返しをしたいです。

村山 これまで様々な困難なことがありましたが、同期がいてくれたことで乗り越えてきました。ラストイヤーは誰もが想像しないような形になったけれど、この最後の一ヶ月を互いに支え合い、励まし合いながら4年として私たちらしく全力で駆け抜けよう!

――来る代替試合に向けて、意気込みをお願いします

植松 とにかく全力で!笑顔でやりきります!!

吉内 今年初めての試合にワクワクも不安もありますが、プレーや雰囲気作りなど自分のできることを精一杯して最後のリーグ戦を終えたいです!

村山 コロナウイルスの影響で今年度は公式戦ができませんが、それでもこの代替大会開催のために様々な方が尽力して下さいました。そういった方々への感謝の気持ちを忘れずに、早稲田でバレーボールできることを楽しんで、チーム一丸となって悔いのないよう戦い抜きたいと思います!

(取材・編集 平林幹太、写真 友野開登)

◆植松知里(うえまつ・ちさと)

1998(平10)年10月4日生まれ。香川・高松第一出身。文化構想学部4年。セッターほか。

◆吉内文(よしうち・あや)

1997(平9)年8月5日生まれ。山口出身。スポーツ科学部4年。ライト。

◆村山果菜(むらやま・かな)

1998(平10)年11月30日生まれ。東京・国際出身。教育学部4年。センター。アナリストも務める。