両エースの躍動と『粘りのバレー』で桜美林大に勝利!上位リーグ2連勝

女子バレーボール

 1ヶ月以上にわたり続いてきた秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ大詰めを迎えている。3試合を戦う上位リーグを20日に白星で発進した早大はきょう、2試合目となる桜美林大戦に臨んだ。主力選手の怪我があり万全の状態とは言えない早大だったが、「自分たちのやるべきことが一人一人全うできていた」と富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)。入替戦に向けて落としたくない一戦で選手らは躍動し、セットカウント3−1(26−24、23−25、25−20、25−18)で勝利した。

 第1セットの1点目を奪ったのは早大。激しいスパイクの応酬で相手がネット際に集まったのを富澤が見逃さず、コート左奥にオーバーで返球し得点する冷静さを見せた。その後は点の取り合いとなるも、要所で中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)のフェイントやバックアタックが光り一時17−13と4点の差をつける。20点に至る前後には早大にスパイクでのミスが目立ち23−24とされるも、圧巻だったのは相手のサーブミスで同点とした後だった。富澤が一枚ブロックながら上手くワンタッチを取り自らスパイクを決め25点目を奪うと、最後はまたも中澤の豪快なバックアタック。大事な1セット目を先取した。続く第2セットは桜美林大のスパイクが走った。それでも18―22とされた後に長いラリーを制したところで池田華(社3=韓国・ヨンサンインターナショナル)がピンチサーバーで秋のリーグ戦初出場を果たす。するとそれに呼応するように富澤が連続でスパイクを決めた。その後も追いかける展開が続くなか粘りを見せた早大だったが、相手の勢いを抑えきれずこのセットは23−25で落とした。

今季初出場を果たした池田

 迎えた第3セット。序盤には植松知里(文構3=香川・高松第一)のサービスエースを含む4連続得点を奪うも相手のクイックなどが冴え、21−20と点差を広げることができない。しかしその先の展開が「早稲田らしい試合ができた」(池田)というきょうの試合を象徴していた。献身的なレシーブから中澤と富澤、両エースの強烈なスパイクが生まれセットで2度目の4連続得点。緊迫する場面を最高の形で切り抜けた。そのまま主導権を渡さなかった早大は第4セットも粘りのバレーで両エースにボールを集め25−18、セットカウント3−1で勝利を収めた。最後の1点、中澤のブロックが決まると、秋リーグ戦で一番と言っていいほどの選手たちの笑顔がコートのなかで弾けていた。その笑顔からも、試合後のインタビューの内容からも、この一戦で何かがかみ合ったというような実感が選手たちから感じられた。

ツーアタックを狙う橋本

 リーグ最終戦となるあすの相手は一度敗れている都留文科大。富澤は「リベンジ」という言葉を繰り返した。万全ではないチーム状況のなかで価値ある勝利を収めた早大。この勢いのままあす見事リベンジを果たし、入替戦ではきょう以上の笑顔とともに一部昇格を果たしてほしい。

(記事 平林幹太、写真 友野開登)

セットカウント
早大 26-24
23-25
25-20
25-18

桜美林大
スタメン
レフト 吉内文(スポ3=山口)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
ライト 植松知里(文構3=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社3=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

自分たちのやるべきことが一人一人全うできていたのですごいいい試合になったなと思いました。

――試合を通して攻守にわたりミスが少なかったですが、チームとして心掛けていたことはありますか

「ミスを少なく」という言葉にはしていませんが、とにかく拾って繋いで最後まで打つということをずっと言葉にしていて、それが得点に直接繋がったのでミスが出なかったのかなと思います。

――明日の試合へ向けて直したほうが良い点はありますか

少し自分たちの流れが悪かったりすると焦ってしまい、自分と恵(中澤、スポ1=大阪・金蘭会)しか打てないのにそこにすら持っていけないことがあるので、そういう時こそ1本目を高くするとかそういう細かいところをもう少し意識しようと思います。そうすれば自分もめぐ(中澤)も打ちやすく決まりやすくなってくると思うので。また、美久(橋本、社2=福島・郡山女大附)が取った時に上げるトスも丁寧にやっていきたいと思います。

――局面では多くのトスが富澤選手に上がりましたが、ご自身ではどのようなことを考えながらプレーされていましたか

「決めるぞ」と思いながらやってました。でも、緊張したり焦ったりして全然決まらない時もありますが、みんながフォローもしてくれるし「打って欲しい」という思いを言葉にしてくれているのであとはその思いに応えるというだけです。

――明日への意気込みをお願いします

都留文科大には1回負けていてリベンジになります。私たちはメンバーが変わってしまい、もしかしたら弱くなってるかもしれないですが、自分たちのやるべきことをやってリベンジできるように頑張ります。

池田華(社3=韓国・ヨンサンインターナショナル)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

メンバーが変わり、桜美林大は(春リーグまで)1部にいましたし、どういう試合になるのかと思っていたのですが最初から早稲田は早稲田らしい試合ができました。サーブでどこを狙うかなどの相手の対策もしっかりとできていたので勝てたのかなと思います。序盤からフェイントなどのボールをよく拾えてエースに繋げていたので、相手も決めきれなかったのだろうなと思います。

――ご自身は秋リーグで初めての出場となりましたが、サーブなどの出来はいかがでしたか

いやダメでした今日は。すごく緊張してしまって、全然(サーブが)手に当たっていませんでした。本数を重ねるごとにどんどん緊張は解けていったのですが、最初からその状態で望めればもう少しいい形で相手を崩せたのではないかと思います。

――相手に流れを渡しきることなく試合が進められているように見えたのですが、コートの中と外両方から見てきょうのチームの雰囲気などはいかがでしたか

きょうは雰囲気よかったと思います。最初から誰も雰囲気のよさを崩すことなく、スパイカーは最後まで打ち切れていましたし、セッターもいつも通りでした。またレシーバーも際どいボールを上げるなど、みんな自分のプレーで自分の士気を高められていたので最後まで雰囲気が崩れなかったと思います。

――あすの試合に向けてもっとよくしていけると感じた部分はありますか

あすはスパイカーが前に3枚いる場面が多く、サーブで崩していくことが大事になると思います。きょうは相手レシーバーの正面に打ってしまっていたりしたので、そこをもう少しずらすなどしたいです。また都留文科大には前回の対戦で負けているので、その負けを全員が頭の中に置き、早稲田らしい繋ぎのバレーができればあすは勝てると思います。

――最後にあす以降に向けての意気込みをお願いします

あすの試合は来週の入替戦に向けてとても大事な試合になりますし、秋リーグの優勝もかかっています。あすの試合でしっかりといい形をつくって、来週の練習を通していい雰囲気で一番大事な来週の入替戦に入っていければいいと思います。チームでよくまとまって練習していきたいです。