攻守が噛み合い、難敵桜美林大にストレート勝ち!

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)を4勝1敗の2位という好位置で折り返した早大は、桜美林大との一戦に臨んだ。第1セットは桜美林大を追う展開が続いたが、土壇場で同点に追いつき何とかセットを奪った。その後も、昨季まで1部で戦っていた実力のある相手に苦戦し競り合う展開が続いたが、要所でブレイクを奪いセットカウント3-0(28-26、25-19、25-21)でストレート勝ちを収めた。

 富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)のクロススパイクで始まった第1セットであったが、序盤に桜美林大に4連続得点を奪われ3-5と追う展開になった。その後も相手のサイドから放たれる力強いスパイクに押され、最大5点差を付けられてしまう。それでもセット中盤から、本節より導入された飯田友美副将(商4=長野・諏訪清陵)と梨本未央(社3=東京・駒場)の二枚のリベロを駆使したシステムが機能し守備からリズムをつくると、点差を徐々に縮めていく。しかし追い付くまでは至らず、21-24で先にセットポイントを奪われてしまう。窮地に陥った早大であったが、ここから本領を発揮。中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)の緩急を織り交ぜたスパイクと井上裕利惠のストレートスパイクで4連続得点を奪い逆転すると、最後は富澤のスパイクとブロックによる2連続得点でジュースにまでもつれたこのセットを先取した。

復調を印象付けた中澤

 いい流れで迎えた第2セット。開始早々、中澤と山下日和(社1=千葉・市船橋)のスパイクポイントを含む3連続得点で4-2とリードを奪う。しかしその後は中澤、山下の1年生コンビが躍動するが、なかなかブレイクが奪えず、サイドアウトを取り合う展開になった。それでもセット中盤に、ここまで好調の中澤、山下の活躍で4連続得点。18-13とリードを広げる。さらに、20-15からまたも4連続得点でリードは8点差に。直後に3連続得点を奪われ流れが相手に傾きかけたが、タイムアウトを要求し悪い流れを断ち切ると、富澤のブロックアウトで25点目。大差で第2セットも連取した。続く第3セットは、中澤のサービスエースを含む4連続得点で4-2とすぐにリードを奪った。しかし桜美林大も黙っておらずブレイクを重ねられ、すぐさま逆転を許してしまう。その後も互いにブレイクを重ね合うシーソーゲームの中で早大は徐々に点差を縮めていくと、セット終盤で20-19と逆転に成功。直後に一時リードを奪われたが、最後は富澤の気迫のこもった4連続スパイクポイントで試合終了。見事、ストレート勝ちを収めた。

試合中応援を絶やさないリザーブの選手たち

 昨季まで1部リーグでしのぎを削っていた桜美林大との4勝1敗同士の対決となったこの試合は、『2部リーグ優勝』を果たすためのヤマ場であった。その中で、二枚のリベロを駆使する新システムが機能したことは勝因の1つとなった。さらに春季リーグ戦以上にマークが厳しくなりここまで苦しんでいた中澤が調子を取り戻したことも、チームにとって追い風となった。これらの収穫はきょうの勝因にとどまらず、今後のリーグ戦を戦う上で優位に働く引き出しを格段に増やしたとも言えるだろう。しかし、まだ数あるヤマ場の1つを超えたにすぎない。きょう備えた引き出しを駆使し、『2部リーグ優勝』そして『1部昇格』という大きな山の頂へ彼女たちはこれからも歩みを進めていく。

(記事 友野開登、写真 細井万里男)

セットカウント
早大 28-26
25-19
25-21

桜美林大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 植松知里(文構3=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社3=東京・駒場)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

3セットで勝てたことが本当に良かったし、1セット目3セット目の競り勝てたところが本当に良かったと思います。

――1セット目のジュースの場面はいかがでしたか

私の最後のブロックで終わったんですよね。どうだったのか覚えていないんですよね。みんなが1点1点を取りに行こうという姿勢が見られたし、平日の練習でブレイクの練習をしていたんですけど、練習の成果が出て良かったと思います。

――これまでの試合で中澤選手が苦戦している印象がありましたが、きょうの試合では活躍されていました。主将として中澤選手の活躍をどう見ていましたか

要所要所で、良いところで決めてくれるし、1年生なのに頼りになるし頑張ってくれているので、勢いをそのまま持ってもらって、全カレまで頑張ってもらいたいと思います。

――富澤さん自身のプレーの調子はいかがでしたか

普通です(笑)。

――きょうから後半戦が始まりましたが、今後のリーグ戦への意気込みをお願いします

とりあえず明日勝って、1位で上位リーグの試合に臨んで、その中でも上位リーグになると厳しい戦いになると思うんですけど、一戦一戦みんなで集中して頑張りたいと思います。

飯田友美副将(商4=長野・諏訪清陵)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうはしっかりストレートで勝てて良かったと思います。

――今季から選手としての出場も増えましたが、その点についてはいかがですか

去年手術をしてからずっとバレーを思うようにできなかったので、秋からしっかりとプレーでチームに貢献できているのはすごくいいなと思います。

――ここまで副将として意識されていることはありますか

結花(富澤)が大変なときに結花が全部抱え込まないようにできたらいいなと思っていますが、難しいです(笑)。

――きょうはリベロでの出場で梨本選手と交互に出られていましたが、どのような役割分担でしたか

私はレセプションから攻撃する場面で入り、未央(梨本)はディグのブレイクをする場面で入っていました。チームがサーブキャッチをするときは押されている展開のときが多いので、サイドアウトを1回で取れるようにという役割でプレーしていました。

――今後の意気込みをお願いします

しっかりと2部で優勝していい形で繋げられればいいなと思います。