苦しい展開が続くも要所で力を発揮し、宇都宮大に勝利!

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)は2週目に入り、早大は宇都宮大と対戦した。前節とスターティングメンバーを入れ替えて臨んだ一戦は、第2セットこそ落としたものの要所で連続得点を奪い、相手に主導権を渡さなかった。新たな布陣に戸惑いも見られた早大であったが底力を見せつけ、セットカウント3-1(25-19、22-25、25-21、25-23)で苦しみながらも勝利を手にした。

 今年度初めて吉内文(スポ3=山口)がスターティングメンバ―に名を連ね、幕を開けた第1セット。序盤は一進一退の攻防が続き、両チームとも流れを手繰り寄せることができない。しかし、その状況を打破したのは早大であった。セット中盤に山下日和(社1=千葉・市船橋)のクイックやダイレクトアタック、富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)の2本のクロススパイクで4連続得点を奪い、14-10とリードを4点差に。その後も富澤や中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)を中心に得点を重ね、大差で第1セットを先取した。続く第2セットも、序盤は早大ペースで試合が進んだ。富澤のサービスエースや吉内のストレートスパイクなどで点差を広げ、16-7と最大9点差にまでリードを広げた。しかしその直後、流れが一変する。宇都宮大がスパイク、ブロック、サーブの全てでポイントを奪う6連続得点。16-13とリードを3点差に縮められる。息を吹き返したい早大であったが、吉内が「自分たちのミスであったり雰囲気の悪さというのが出てしまいました」と語るように、初戦で見られた笑顔が絶えない雰囲気は息を潜め、気持ちを切り替えることができない。それがプレーにも反映され、特に攻撃でミスを連発。宇都宮大の勢いに圧倒された早大は、セット終盤に9連続得点を奪われ逆転を許し、そのまま第2セットを奪われた。

今年度初スタメンながら堂々としたプレーを見せた吉内

 流れを取り戻したい第3セットであったが、終盤まで両チームとも点差を広げられない展開が続く。そのような展開の中でも、井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)の安定したレセプションや、梨本未央(社3=東京・駒場)の相手セッターのツーアタックを拾う好レシーブなど守備で見せ場をつくり、相手の猛攻を何とか耐えしのいだ。すると、終盤に富澤のスパイクポイントやサービスエース、山下のフェイントなどで4連続得点を奪い、22-18とリードを4点差に。最後は、中澤が残りの3点をきっちりと決め切り第3セットを奪い返した。第4セットは中澤のフェイントで先制したが、またも点差が広げられない。それでも、橋本美久(社2=福島・郡山女大附)が富澤や山下、中澤に偏りなくトスを供給し相手ブロックを翻弄。3-2と序盤にリードを奪ってからは、一度も逆転を許さなかった。セット終盤には連続得点を奪われ23-23と同点に追いつかれる場面もあったが、早大陣営がタイムアウトを要求し相手の流れを断ち切る。タイムアウト明けには、中澤がブロックアウトで24点目を奪い最後は相手のミスで試合終了。苦しい展開の中で、何とか勝利をもぎ取った。

リベロとしてチームに貢献する梨本

 富澤が「自分たちに負けた感じがして、最後は相手のミスで終わっちゃうし、そういう試合をしてしまったので悪かった点しかなかったです」と振り返ったように、自陣でのミスから自滅していく場面もいくつかあり、さらにそこから気持ちを切り替えられずに試合を終えてしまったようにも見受けられた。それは、前節に比べ苦しい状況を乗り越えるための『笑顔』が少なかったことが一因として挙げられる。しかし、スターティングメンバーも変わりメンタル的にも万全でない上に苦しい展開が続いたこの試合を勝ち切れたということは、早大にとって大きな収穫であったに違いない。厳しい試合でも勝ち切ることができるチームとしての底力はこの試合で見せつけた。あとは『笑顔』が絶えない早大らしいバレーを取り戻すことが、1部昇格に近づく大きな一歩になるだろう。

(記事 友野開登、写真 平林幹太)

セットカウント
早大 25-19
22-25
25-21
25-23

宇都宮大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ4=東京・文京学院大女)
レフト 井上裕利惠(スポ3=岡山・就実)
センター 中澤恵(スポ1=大阪・金蘭会)
センター 山下日和(社1=千葉・市船橋)
ライト 吉内文(スポ3=山口)
セッター 橋本美久(社2=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社3=東京・駒場)
コメント

富澤結花主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

ちい(植松知里、文構3=香川・高松第一)が怪我をするというアクシデントがあって文(吉内、スポ3=山口)が入って、自分たちに不安がすごくありました。相手がどうこうというよりも、自分たちの不安とかミスでこういう展開を作ってしまったので、明日もう1回やり直さないとという感じです。

――チームとして良かった点と悪かった点を挙げていただけますか

良かった点は特に無いですね(笑)。悪かった点は、うまくいかなくてももう少し自信を持って全員が自分のプレーをやっていけば何か変わったはずだったことです。自分たちに負けた感じがして、最後は相手のミスで終わっちゃうし、そういう試合をしてしまったので悪かった点しかなかったです。それでも、勝てたので良かったと思います。

――特に第2セットでは連続得点を奪われるシーンがありましたが、そういった場面ではどのようなことを意識してプレーしていましたか

自分はバックにいたのであまり攻撃に参加して自分で決めるという展開が無かったですが、後輩たちが一生懸命打っている中で、ミスしないようにとかでは無くて、とにかく思い切って打ってという言葉をもう少し掛けられたらなと思いました。

――富澤さんのスパイクは決まっている印象がありましたが、ご自身のプレーはいかがでしたか

先週と比べたらトスが合っていなくて自分的には不甲斐ないなという感じでしたが、相手の空いているコースを見たりブロックをうまく使ったりすることができたので、そこは良かったと思います。

――明日への意気込みをお願いします

また同じメンバーでやっていきますが、きょう悪かったところはたくさんあるので、何かチームでできないことがあったときにどうするのかをもう一回話し合って頑張りたいと思います。

吉内文(スポ3=山口)

――きょうの試合全体を振り返っていただけますか

自分たちのミスであったり雰囲気の悪さというのが出てしまいました。いつも通りやることができればちゃんと勝てていたチームだったと思うのですが、結果的に自分たちの課題の大きさが出たと思います。

――きょうはスターティングメンバーとしての出場となりましたが、ご自身のプレーはどのように評価しますか

今週の水曜日ぐらいにちい(植松知里、文構3=香川・高松第一)が膝を怪我して急遽入ることになったのですが、いろんな人に声をかけてもらったりしたので、あまり気負うことなく思いっきりやろうと考えるようにしていました。途中ミスもしてしまったのですが、そこは改善してあしたはもっと貢献できたらいいなと思います。

――このリーグが始まるまでの夏のあいだ、どのような部分を強化してきたか教えていただけますか

もともと夏の練習試合などでは、美久(橋下美久、社2=福島・郡山女子大附属)の前衛の3ローテに入ることが多かったので、守備面よりもとにかく前衛にいるときのスパイクとブロックでチームの力になれるようにしようと意識してきました。

――試合によって出場する選手が変わる現在の状況下で、ご自身がアピールしていきたい部分などありますか

自分はエースという立場では全くないので、とにかくミスをしないことと、練習してきたブロックアウトを出すことができたらいいかなと思います。

――最後に、明日からも続いていく秋季リーグの意気込みをお願いします

今とても人数が少なく誰も抜けられない状態なので、今いるメンバー全員で戦って入替戦に進めるようにしたいです。また、誰が出ても早稲田らしいバレーができるようにしていきたいです。