圧巻の初戦突破 総合力で平成国際大を打ち砕く

女子バレーボール

 上半期の大きな山場となる東日本大学選手権(東日本インカレ)の幕が上がった。早慶定期戦で待望の初勝利を上げ勢いに乗る早大が、初戦に迎えたのは平成国際大。早大は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で課題となったサーブがさえわたる。中でも吉内文(スポ2=山口)が連続でサービスエースを奪うなど躍動し、相手に流れを渡さない。2、3セット目の序盤に少し乱れる場面はあったものの、セットカウント3−0(25−18、25−15、25−16)でストレート勝ち。早慶定期戦でつかんだ自信が確かなものであったことを証明する快勝だった。

 「自分たちができることをとにかくやっていこうということでやってきました」(吉内)。第1セットは早大のサーブで始まった。序盤は森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)のスパイクを中心とした攻撃で得点を重ねていく。中盤からはフェイントを使った攻撃で相手に的を絞らせない。相手の反撃により徐々に差を縮められるもリードを維持したまま、幸先よく第1セットを先取した。

植松の多彩なトスワークで相手を翻弄(ほんろう)

 「2セット目、3セット目ともに出だしでつまずいてしまって、コンビが合わないところがあった」と森が振り返る通り、第1セットの出だしとは違い、ミスから相手に得点を献上。リードを奪われる。しかし、植松知里(文構2=香川・高松第一)がサービスエースを決め、悪い流れを断ち切ると、そこからは攻守に渡り、平成国際大を圧倒。攻撃面では、森、富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)の2枚看板がスパイクを打ち込み、吉内がサービスエースを立て続けに決める。守備でも植松、河治えみり(社2=北海道・旭川実業)がファインセーブを連発するなど追随を許さない。多少の反撃を浴びるも10点差をつけ、2セット目も連取する。そして、迎えた最終セット。このセットも相手を寄せ付けない。森が平成国際大の厳しいマークにあう。だが、そのマークをものともせず、スパイクをコートへ打ち込み、得点を重ねる。後半に失点が増えたものの、終始早大ペースで試合を進め、見事なストレート勝ちを収めた。

吉内のサーブがさえ渡った

 今の早大を支えるもの。それは春季リーグ戦を1部リーグで戦い抜いてきたからこそ湧き上がる自信だ。相手の高いカベに何度も跳ね返され、苦渋をなめ続けた日々。しかし、そこには確かな成長があり、それを一番実感していたのは、紛れもなく選手たち自身だった。「自分たちはずっと1部でやってきていて、ちょっとのことでは焦らない」という森の言葉が、劣勢の中で得られたチームとしての成長を示している。東日本インカレの目標は一つ。次に対戦する日女体大に勝ち、春季リーグ戦の悔しさを晴らすことだ。攻撃に参加した選手全員が各セットでポイントを取るなど、チームとしての底上げは著しい。それが、どこまで1部の相手に通用し、春季リーグ戦で味わえることのできなかった1部の大学からの勝利の味を噛みしめることができるか。次戦に向け、鼓動は高鳴るばかりだ。

(記事、写真 遠藤伶、小田真史)

セットカウント
早大 25-18
25-15
25-16

平成国際大
スタメン
レフト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
センター 村山果菜(スポ2=東京・国際)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

――ナイスゲームでした。きょうの試合を振り返っていただけますか

今回の東日本インカレの目標は、明日対戦する日女体大に勝つことで、そのためにきょうしっかりいい形で明日につなげようという話しをしていて、この試合は自分たちの形をしっかりしようというところに重きを置いているので、試合の中でボールがポロポロ落ちてしまう場面はあったんですけど、そこは試合の中で修正できたのは良かったと思います。

――チームの雰囲気はいかがですか

すごくいいと思います。春リーグ(春季関東大学リーグ戦)ずっと負け続けて、その後の早慶戦でようやく1勝することができて、こうやってポンポンと勝てたことはチームにとって自信になったんじゃないかなと思うし、コートの中に入っているのは下級生が多いので、しっかり自信をつけて上半期を終えてもらいたいと思います。そういった点を踏まえてもきょうはいいゲームだったと思います。

――早慶戦の初勝利がチームにいい循環をもたらしていますか

それまでに12連敗していたので、それを止められたのが早慶戦だったから、相手どうこうというよりかは自分たちがまず1勝をつかめたことが大きかったかなと思います。

――3セット目の序盤はリードを許しましたが、森さんのスパイクから6連続得点で逆転しました

2セット目、3セット目ともに出だしでつまずいてしまって、コンビが合わないところがあったんですけど、自分たちはずっと1部でやってきていて、ちょっとのことでは焦らないですし、そこは1個1個トスに対して修正することができたし、15点以内で抑えようということでやってきたので、そこをみんな意識してできたんじゃないかなと思います。

――明日の日女体大戦に向けて

きょうの試合時間は遅かったですし、疲れもたまっていると思うので、みんな一回疲れを取って、相手に対してこっちがどういう動きをするとかじゃなくて、自分たちが持っている力を全て出せるように、そのためのコンディション作りをしっかり頑張りたいと思います。

吉内文(スポ2=山口)

――今日の試合を振り返っていただけますか

明日が日女体大戦ということで、それに向けて春リーグ(春季関東大学リーグ戦)が終わってから自分たちができることをとにかくやっていこうということでやってきました

――春季リーグ戦が終わってから1人1人目標を決めて練習してきたと伺っていますが、その目標は達成できましたか

私は春リーグで全然スパイクで貢献できなかったので、今回の東日本(東日本大学選手権)では1回のローテで1本は必ずスパイクを打つことを目標を立てて、セッターにも練習中からトスを積極的に上げてもらっていたので、今回はそれが少し出せたかなと思います。

――春季リーグ戦の日体大戦からスタメンとしてコートに立っていますが、徐々に試合に慣れてきた感覚はありますか

いや、まだ全然ですね。まだまだみんなに助けられてやっているんで、もっと貢献できるように頑張りたいと思います。

――連続サービスエースを奪うなどサーブでの貢献度が高い試合だったと思います

まだ全然ミスが多いんで、ミスなく攻められるサーブを練習していかないといけないなと感じました。

――明日の日女体大戦に向けて一言お願いします

入替戦で負けて、1部のチームとできる機会が少なくなってしまったので、明日は入替戦で負けた悔しさだったり、その後の練習での成果を出し切って、絶対に勝ちたいと思います。

植松知里(文構2=香川・高松第一)

――ナイスゲームでした試合を振り返ってみていかがですか

相手に合わせるのではなく、自分達のプレーをやっていこうということだったのですが、いい場面もありましたが結構ぽろぽろボールが落ちてしまう場面もあったし、まだまだ明日に向けて修正しなければいけないところがあったなと思います。

――個人で目標を立てて臨んだという風に伺っているのですが、今回の目標は何でしたか

フェイントとか強打じゃない緩いボールを絶対に落とさないということでレシーブに目標をおいてました。今日はブロックに当たったボールとかに反応出来ていなかったのでそこを修正したいです。明日はスパイクも強いし、フェイントとかも上手く使い分けてくると思うので、そこを意識して頑張りたいです。

――ご自身のトスワークについて振り返ってみていかがでしたか

リーグの時はどうしても打つ人が偏っていたので、今日は出来るだけ裕利恵(井上、スポ2=岡山・就実)とか文(吉内、スポ2=山口)とかも使っていこうって思っていてました。試合では使えていい場面もあったのですが、速攻が今あんまり合っていないので頑張りたいです。

――ツーアタックが多い印象でした

攻撃が2枚の時に自分もツーで攻撃に参加するという意識でやっているのですが、まだまだツーのボールが甘かったです。今日とかだったらセンターの人に普通にブロックされてたりしたので、もっと攻める感じに。1点を取りにいくというツーを置けたらなと思います。

――明日に向けて一言お願いします

リーグで負けている相手だし、リーグが終わってから日女体大に勝つということを目標にずっとやってきたので、相手よりも自分達がやってきたことをちゃんと出せるように頑張りたいです。