粘り強さを発揮するも、届かない勝利

女子バレーボール

 早大は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)で勝ち星を挙げることができないまま、ついに最終週を迎えた。相手はここまで6勝3敗と好調の順大。この1週間、勝利するため念入りに対策を重ねてきた早大。その甲斐あり相手のスパイクに対し、いくつもの好レシーブを見せた。一方で、高さのあるブロックに圧倒され、なかなか点数を重ねることができない。その結果、この日もセットカウント0-3(16-25、21-25、20-25)と1セットも奪うことができず、ストレート負けを喫した。

 第1セットでは早大が先制点を奪い歓声が起こる。しかし、その喜びもつかの間、チームの主軸である森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)と富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)のスパイクが相手の高いブロックにつかまり、攻撃がまったく機能しない。最後までいい流れを作ることができず、大差を付けられこのセットを落とした。相手のスパイクを冷静に処理し、守りから攻撃の形を作ることに成功した第2セット。森、富澤、斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)を中心に得点を重ねていった。しかし、1セット目と同様、終始追う展開となり、セットポイントを相手に許した。早大はここから持ち味である粘り強さで5連続得点を決め21-24まで点差を縮めたが、相手の速攻に対応できず25点目を献上することとなった。

井上のサーブで相手を崩した

 迎えた第3セットでは、序盤から拮抗(きっこう)した試合展開となり、早大にも勝機がうかがえた。しかし相手は一枚上手。中盤からはこれまでよりも高い打点からスパイクを打ちこまれる。早大は攻守ともにうまく繋がらなくなり、一気に点差を広げられてしまう。斎藤が1枚ブロックでスパイクを止める好プレーを見せるなど、終盤は立て直したものの、やはり中盤での連続失点が響き今大会初勝利はまたもお預けとなった。

この笑顔が早大の明日を支えている

 この日も白星に恵まれなかった早大だが、不安材料ばかりではない。富澤と植松知里(文構2=香川・高松第一)のコンビがこれまでと比べてかみ合うようになってきたように、チーム内のコンビネーションがこの大会を通して向上しているのは確かだ。遂にあすは最終戦を迎える。「一つになって、粘りであったり他のチームにないところを出して勝ちたいと思います。」と富澤が語ったよう、早大らしさの溢れるプレーであすの試合を勝ち抜き、有終の美を飾ってほしい

(記事 佐藤菜々 写真 遠藤伶)

セットカウント
早大 16-25
21-25
20-25

順天堂大
スタメン
レフト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
センター 吉内文(スポ2=山口)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

ずっと連敗が続いて入れ替え戦も決まって、何も失うものがない状態で、きょうの試合を迎えましたが、きょうは今週一週間相手の対策をして練習してきたことができたと思います。個人的にもずっとちぃ(植松知里、文構2=香川・高松第一)とコンビが合わなくて、今週ずっと一本一本トスを指示したりしながら合わせてきたんですけど、ずいぶん合うようになったなと思います。

――第2セットの終盤では富澤さんの活躍もあり、5連続ポイントを奪う粘りをみせました

あんまり覚えてないんですけど(笑)相手のブロックが高くて、自分が打ったところよりも上にブロックがあるので、とにかく全力で打つことを心がけていました。

――順大の対策はどういうところを意識してされたんですか

レフトへのトスが高くて、ブロックの上から打ってくるっていう感じのチームで、明日の日大も同じような傾向があることもあって、その対策をしたんですけど、特に2セット目はディグが上がって、練習した甲斐があったなと思いました。でも、3セット目では、さらにその上から上から打ってくるっていう場面があったので、そこはさすがだなと思いました。

――ここまでの試合を受けて、チームとしての成長を感じるポイントはありますか

きょうの試合はブロックフォローとかもみんなが必死に追いかけていました。それがこのリーグ戦に入ってからやってきたことですし、早稲田の目指しているバレーなのでそれがきょうの試合出たのはよかったと思います。

――最終戦へ向けての意気込みをお願いします

あしたもやっぱり強いチームですし、自分たちより高さ、能力ともに高いと思うので、早稲田は一つになって、粘りであったり他のチームにないところを出して勝ちたいと思います。