東海大との敗北から得た課題

女子バレーボール

 早大に突き付けられたあまたの課題。そこには試行錯誤を繰り返している早大の現状がうつし出されていた。相手は昨年の秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)王者の東海大学。試合は序盤から主導権を握ることができず、東海大に強烈なスパイクを縦横無尽に打ち込まれる。気づけば、早大の持ち味である『粘り』のバレーも影を潜めたままセットカウント0ー3(17ー25、16ー25、17ー25)でストレート負けを喫した。

 「持っている力の100パーセント、120パーセント出さないと勝てない相手」と主将の森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)が述べるように、一人一人が自分の力以上のものを出そうと意気込み、この試合に臨んだ。それは、試合前のアップ、試合中のサブメンバーの表情を見てもひしひしと伝わる。しかし、生き血の荒い秋季リーグ戦の覇者は、情け容赦無く目の前の早大に襲いかかる。1セット目、序盤から立て続けに、東海大のスパイクがブロックの脇を抜け、矢のようにコートへ突き刺さる。早大も黙ってはいられない。この日も森佳央理、富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)を中心に攻撃を組み立て、反撃の端緒を探る。それにしてもマークが堅い。なかなか敵陣を打ち崩すことができない。森のブロード攻撃などで突破口が開けたかと思う瞬間もあったが、流れをつかめないまま17ー25で1セット目を落とす。

きょうも攻撃の中心となった森

 2セット目も圧倒される。森のスパイクで先取点を得るも、6連続得点を奪われるなど、出鼻をくじかれる。早大も負けじとセンターから斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)が躍動感溢れるスパイクで得点を決めると、井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)が技ありのサーブで流れを引き寄せる。反撃の糸口をつかめたかと思った。しかし、再び東海大の強さに加え、連携の精度の高さが目立つアタックに苦しめられ、またも連続で得点を失い、万事休す。3セット目もこの悪い流れを食い止めることはできない。スパイクに加え、ブロックによるポイントも取られ、やりたいことができないまま試合の終わりを告げる笛の音が会場に響いた。

ストレート負けに肩を落とす選手たち

 「課題ばかりの試合」と馬場泰光監督(平8人卒)は言葉数少なく今日の試合をまとめた。まだまだ歩みの少ない新チーム。2試合目にして自分たちの現状を再確認し、多くの課題が見つかったことは間違いなくプラスになるだろう。昨年の秋季リーグ戦最下位から臨むこの春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)。各大学に果敢に挑む挑戦者として常に前を向き、課題を乗り越えて行った先には歓喜の二文字が待っているであろう。早大の歩みを止めるものはいない。

(記事 遠藤伶、写真 森田和磨)

セットカウント
早大 15-25
16-25
17-25

東海大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
レフト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
センター 村山果菜(教2=東京・国際)
センター 斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)
ライト 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
セッター 植松知里(文構2=香川・高松第一)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

馬場泰光監督(平8人卒=京都・洛南)

――今日の試合の振り返っていただけますか

今日は何もできなかった課題ばかりの試合でした。

――その課題とはどのようなところですか

しっかりやろうと言っていたつなぎができなくて、その結果2本目をつなぐこともできなかったので、流れをつかむことができませんでした。その原因となったのは、2試合目ということもあり、相手にデータを研究されて、ウィークポイントをつかれ、そこで受け身に回ったことが大きな要因だと思います。

――東海大のスパイクに対して、とられた対策などありますか。

攻撃パターンは対応して、ブロックは難しいので、レシーブでということを考えていましたが、こちらからそういう形にもっていくことができず、劣勢になり、サーブを受けるパターンがずっと続く展開になってしまいました。

――劣勢の中、意識して行われていることはありますか

一人一人が声を出してカバーしていくということがメインなのですが、それに加えてサーブ権をとっても、サーブが単調になってしまっていたので、相手に対して流れを変える仕掛けをできなかったことが戦術としての反省です。

――明日の日女体大へ向けての意気込みをお願いします

コートの中でまず上級生に引っ張っていってもらって、森を中心にコートの中の雰囲気を高め、厳しさ、最後までボールを追いかける、ボールを運ぶ時に相手のコールをするといった基本的なことをもう一度徹底していきたいと思います。何よりも気持ちが受け身に回ったことが原因でもあると思うので、元々最下位からスタートしたチーム、チャレンジャーですので、今一度そこを見つめなおし、仕切り直していきたいと思います。

森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

なにもできないまま終わってしまったという感じです。自分たちの強みは粘って粘ってラリー勝ちするっていうパターンだったんですけど、そのパターンに持っていけずに相手に単発で決められてしまう場面が多かったのでそこが敗因かなと思います。

――きょうの相手は昨秋リーグ戦優勝校の東海大でしたが、何か意識されたことはありましたか

自分たちが失うものはなにもないから、とりあえず持っている力の100パーセント、120パーセント出さないと勝てない相手だというのはみんなわかっていると思うから、出し切ろうということだったんですけど出せないまま相手に決められてしまった感じです。

――きょうの御自身のプレーを振り返っていかがでしたか

リーグを通して足でもデータが増えてきて、自分の得意なコースだったりとか自分のチームはただでさえ打ち手が少ないので、それを徹底的にマークしてくることはわかりきっているんですけど、その中で私と富澤(結花、スポ3=東京・文京学院大女)がしっかり打ちきらないといけないんですけど、きょうは少しそこが甘くてラリーが取りきれなかったかなと思います。

――前回の試合でローテーションに対する課題をおっしゃっていたと思いますが、今回の試合ではいかがでしたか

きょうは苦手としていたローテも回っていたんですけど、きょうはとにかく自分たちのブロックとディグの関係がぐちゃぐちゃになってしまっていたので、きょうはローテとかそういう問題ではなかったです。

――森選手が感じる今のチームの1番の課題はなんだと思いますか

1番はプレーというよりかは試合を全部集中して120パーセントの力を出しきるっていう集中力がやっぱり自分たちには足りないかなと思います。技術面というよりかはメンタル面と、色々な方に言われるサーブが弱い部分はもっと強化していかなければいけないなと思います。

――明日の日女体大戦への意気込みをお願いします

明日は絶対に勝ちにいきたいので、しっかりきょうあがった反省をチームで共有して、プラスに変えれるようにやっていきたいと思います。