敗戦も、確かな手ごたえ 最終週へ弾み

女子バレーボール

 あと一歩。あと一歩が及ばない。強豪・東海大に完敗した前日から気持ちを入れ替えて臨んだ東女体大との一戦。どうしてもこのチームで、1部で勝ちたい。その気持ちを体現した早大の持ち味である粘りのバレーで食い下がるも、要所で小さなミスが見られ、セットを取り切ることができない。またもセットカウント0-3(20-25、21―25、17-25)で悔しいストレート負けを喫した。

 「絶対ボール落とさないよ!」。芹澤友希女子主将(スポ4=茨城・土浦日大)の掛け声と共にホイッスル。サーブから攻め込み、多様な攻撃を展開し、先手を取る。同時に相手の鋭角なスパイクにも、一人一人のボールを落とさないという気持ちが込められた粘りのレシーブで食い下がった。しかしじわじわと差を詰められる。相手センターのブロードを始めとする攻撃に翻弄(ほんろう)され、連続ポイントが遠く、20-25で第1セットを相手に献上した。迎えた第2セットは対照的に序盤から相手にリードを奪われた。相手のブロックに阻まれ、第1セットでは効果的に機能していたセンターの攻撃が封じられてしまう。タイムアウトを取って流れを断ち切ろうと試みるも、13-20と大量リードを許す。このままずるずるとセットを落とすかと思われたが、そんな空気を変えたのが井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)の相手ブロックを上手く使ったスパイクだった。チームに粘り強さも戻ってきて、センター線も息を吹き返す。早大のリズムを取り戻すも、序盤についた点差は埋めることができず、21点で振り切られた。

粘りのバレーの要となった河治えみり(社1=北海道・旭川実)

 続く第3セットは浅野泉里(文4=岐阜)がサーブにブロック、速攻とマルチに活躍。芹沢もセンター中心に幅の広いセットアップで攻撃を組み立て、中盤まではシーソーゲームが展開された。しかし要所でサーブミスやドリブルが出てしまい、その隙を突き高い打点から放たれる鋭角な相手スパイク、コートをよく見て落とされるフェイントなどで一気に突き放される。ボールを最後まで落とさないという気持ちの入った執念のプレーも見られたが、そのまま敗戦。選手たちの表情にも悔しさがにじんだ。

マルチに活躍した浅野

 もちろんストレート負けという結果に課題は多く残されているが、内容としては選手たちにも手ごたえがあったはずだ。「(応援に来てくれている多くの人たちに)感動を与えられるような、すごいねと言われるような粘りのバレーを見せられたら」(芹沢)、「1部で今のこのチームで勝ちたい」(中川知香副将、スポ4=神奈川・川崎橘)と最後のリーグ戦になる4年生たちの思いは強い。最終週、持ち味を存分に発揮して笑顔の選手たちが見たい。

(記事、写真 吉澤奈生)

セットカウント
早大 20-25
21-25
17-25

東女体大
スタメン
レフト 中川知香(スポ4=神奈川・川崎橘)
レフト 富澤結花(スポ2=東京・文京学院大女)
センター 浅野泉里(文4=岐阜)
センター 森佳央理(スポ3=群馬・高崎女)
ライト 井上裕利恵(スポ1=岡山・就実)
セッター 芹澤友希(スポ4=茨城・土浦日大)
リベロ 河治えみり(社1=北海道・旭川実)
コメント

芹沢友希女子主将(スポ4=茨城・土浦日大)

――きょうの試合はどのような気持ちで望みましたか

まだ私たちは1勝もできておらず、きのうの東海大との試合では攻撃も淡白になってしまい良いプレーも少なかったので、きょうは切り替えて、自分たちらしく粘ってボールを落とさず一点目から取りに行こうとみんなで話していました。

ーー1セット目はその気持ちが体現されていたように思いました

やっぱり自分たちのチームには粘ることが必要です。落とさないようにしようと事前に言っていたのと、足がみんな最初から動いていたことで、上手くつなげたのかなと思います。流れとしてはとても良かったのですが、最後その勢いでセットを取り切れないというところは、改善しなくてはいけませんね。

ーーきのうの内容と比べきょうはセンターも機能し幅のある攻撃が展開できていた印象がありました

きょうは浅野(泉里、文4=岐阜)がスパイクもよく決めてくれて、二段トスになった時も打ち込んでくれていました。そのおかげでセンターの絡むコンビなどを使いながら、きのうのように淡白な攻撃ではなくいろいろなことができたのかなと振り返って思います。

――1セット目以降の試合内容について振り返っていかがでしたか

大事な場面でここで取りたいというポイントを自分たちのミスで落としてしまったことが多くありました。相手がどうこうではなく、自分たちが先にミスをしてリズムをつくりきれなかったのが今回の敗因だと思います。また一週間空くので、その間にそういった時に流れを持ってこれる1本を取れるように練習していきたいです。

ーーきょうは多くの収穫、同時に課題があったのではないかと思いますが個人としてはいかがですか

きのうはサーブで攻めることが自分はできたと思っているのですが、きょうはあまり良くはありませんでした。チームとしてもサーブの強化を目標として掲げているので、もっとサーブに関して詰めていきたいです。あとはやはり大事な場面でドリブルなどのミスが出てしまったので、落ち着いてスパイカーが打ちやすいトスを上げられるように心がけたいです。

ーー来週がリーグ戦最終週となります、意気込みをお願いします

まだ1勝もできていませんが、残り2試合でどれだけ自分たちのプレーが出せるかだと思います。たくさんの方々が応援に来てくださっているので、そんな皆さんに感動を与えられるような、すごいねと言われるような粘りのバレーを見せられたらいいなと思います。また一週間空くので、雰囲気でもプレーでも自分から盛り上げられるように頑張っていきたいです。

中川知香副将(スポ4=神奈川・川崎橘)

――きょうの試合はどのような気持ちで臨まれましたか

私たちのチームの強みはやはり粘りだと思っているのですが、それがきのうの試合では全く出すことができなかったので、それを出せるようにしようとみんなで言い合いました。

ーーその粘りがきょうは多く見られたのではないかと思います

1セット目の序盤はすごく良く動けていたのですが、やはり勢いに乗りたい大事な場面で自分のスパイクミスをはじめ、小さなミスが出てしまいました。そこをこれから一週間でまた修正してきたいと思います。

ーードリブルなどの小さなミスは具体的にどのような対策が必要でしょうか

まずは気持ちのつくり方があると思います。次の準備ができておらず、慌ててやってしまっているので、常に自分のところに飛んでくるんだぞという意識を持っていなくてはいけません。(ラリーが)始まる前に、しっかり話し合うことも必要だと思います。

――きょうはセンターがよく機能していましたが、サイドとしてはどのように感じられますか

今回センターがすごく頑張って切ってくれていたのにも関わらず、自分たちサイドが決められていませんでした。だからどちらかに頼るのではなく、お互いがお互いを助けられるようにならなくてはいけないと思います。今はレフトが良い時にセンターが良くなくて、センターが良い時にレフトが良くなくて・・・というように極端なので、一緒に波に乗れるようにしなくてはいけませんね。

ーー試合を通してあと1歩という場面が多くありました、先ほどの小さなミスなどの要因も含めて振り返っていかがですか

やっぱり競った時にそういったミスを恐れてしまい、攻めきれないところが課題です。良い時はあれもやろうこれもやってみようと色々な挑戦ができるのですが、そうではない時は安定したいつもの攻撃しかできなくなってしまうので、常にミスを怖がらないでチャレンジ精神を持ってやっていくべきだと感じています。

ーー来週がリーグ戦最終週となります、意気込みをお願いします

2部から上がってきてからはまだ1度も勝てていません。1部で今のこのチームで勝ちたいという思いが強いので、この一週間で切り替えて気持ちを入れ直して頑張っていきたいです。