押し切る力足りず、チャンスを逃す。秋季リーグ戦は全敗で入れ替え戦へ

女子バレーボール

 1ヶ月以上にもわたって行われた秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)も最終戦を迎えた。相手はことしの春から1部リーグに昇格してきた宇都宮大。立ち上がりは目立ったミスもなく好調かと思われたが、これまで点数を稼いできた森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)、富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)が相手ブロックに捕まり、思うように点を重ねられない。他のスパイカーの奮闘もあったが要所で点数を奪えず、セットカウント0-3(20-25、21-25、17-25)で敗北した。

 第1セットの滑り出しは好調だった。加納茉未副将(社4=北海道・札幌大谷)のライト攻撃で先制点を挙げると、富澤のスパイクで一気に点数を稼ぐ。早大は先週の日体大戦のような勢いを感じさせる攻撃で、相手とシーソーゲームを演じる。しかしスコアカウント11-8、相手の絶妙なサーブで体勢を崩され一気に5連続得点を許し、勝ち越されてしまう。なんとか立て直したいところだったが、日体大戦で得点を量産した富澤、そして特に森の前には相手ブロッカーが立ちはだかり、2人は攻撃を決め切れない。終盤は6連続失点、しかも2回もスパイクをシャットアウトされてしまう。ブロックを前に歯が立たず、第1セットを明け渡した。

強烈なスパイクを打ち込む加納

 続く第2セット、変わらず相手のブロックは厳しかったがスパイカー陣は果敢にスパイクを打ち込んでいく。セッターの芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)のツーアタックで士気が上がると思われたが、自分たちの細かなミスでなかなか流れに乗ることができない。すると加納の元にトスが集まるようになる。「リーグを通してセッターの芹沢との信頼関係ができてきた」(加納)。4年生としての思いを込めたスパイクを加納が打つ一方、芹沢もセッターながら積極的に相手のフェイント球を拾う、粘りのプレーを見せる。終盤、同じく4年生の佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)が長ラリーを制すが、追いつかず。第2セットも落としてしまう。なんとか次につなげたい第3セット、森の攻撃が決まり始め勝ち越すが、やはりお見合いなどのミスで勢いがつかめない。相手のブロックを攻略できないまま試合は終了した。

今試合は芹沢のナイスプレーが目立った

 秋季リーグ戦の第7戦目の時点で2部リーグとの入れ替え戦に回ることが決定していた早大。秋季リーグ戦の残りの試合は、入れ替え戦への修正点を得るため、そしてなにより4年生が大学最後のリーグ戦を笑顔で終えるために、チーム一丸となって挑み続けた。平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)は「本人たち(富澤、森)がどう頑張るかもそうだし、周りがその2枚を決めさせるためにどんな働きができるのかというのもチームとしての課題」と、強力なスパイカーとして成長する二人の生かし方は、入れ替え戦に向けて再度考えるべきポイントに挙げた。秋季リーグ戦は終わったが、早大を待っているのは1部残留をかけた入れ替え戦。この9試合、全敗こそしたが、ただ負けたわけじゃない。1部リーグで戦ってきたプライドをもって、早大は必ず勝利を手に入れる。

(記事 鎌田理沙、写真 喜田村廉人、佐藤詩織)

セットカウント
早大 20-25
21-25
17-25

宇都宮大
スタメン
レフト 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 飯田友美(商1=長野・諏訪清陵)

最終結果

10位 9戦9敗

※1部リーグの下位2チームが、入れ替え戦に回る

※早大は1部リーグ10位のため、入れ替え戦では2部リーグ1位の嘉悦大と対戦する

最後のリーグ戦を終えた4年生

コメント

平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)

――きょうで秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)が終わりました

秋季リーグ戦が始まる前に、「4年間やってきて、うち8回のうち最後のリーグだ」という気持ちで臨みました。1ヶ月ちょっとあったのですが、終わってみたら本当にあっという間で、アクシデントがあった1試合目から、きょうでもう9試合やったのかという気持ちです。

――きょうは4年生がかなり活躍していました

サーブが機能してたかといえばそうでなかったのですが、序盤のくだらないミスがそんなになくて、試合の入りとしては悪くなかったと思います。ですがはまらないローテというか、なんとなくかみ合わないところがあり、第1、2セットを取られてしまいました。第3セットが始まる前に「このセットで秋リーグ終わりにするのか、それともあと3セット続けるのか、それは自分たち次第だ」と話して第3セットに臨みました。加納(茉未、社4=北海道・札幌大谷)、佐藤(夢菜、文4=埼玉・狭山ヶ丘)に関しては、自分たち、4年生の思いを出してくれたなと思います。

――かなり惜しいことろまで相手を追い詰めましたが、それでも勝ち切れなかった敗因は

流れがきかけているところで、持ってくるまでの勢い、雰囲気が足りなかったと思います。

――得点源の森佳央理選手(スポ3=群馬・高崎女)、富澤結花選手(スポ1=東京・文京学院大女)がきょうは苦戦している印象でした

相手も分析してきているなかで、富澤、森で点数を取っていこうということで、相手のブロックも厳しかったと思います。それをうまく突破できなかったのは入れ替え戦への課題になりました。そこで本人たちがどう頑張るかもそうですし、周りがその2枚を決めさせるためにどんな働きができるのかというのもチームとしての課題だと思います。

――では、その入れ替え戦へはどう準備をされていくおつもりですか

2部の嘉悦大は、先週試合が終わって2週間きちっと準備して、きょうも見に来ていました。でも相手がどうこうというより、自分たちがやるべきこと、やってきたことを出せれば結果は自然と付いてくると思います。最高のパフォーマンスを出すために心も体もしっかり準備して、最高のかたちで迎えられたらと思います。

加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)

――きょうはリーグ戦最終日でしたが、試合を振り返っていかがでしたか

リーグ最終戦ということでチームとしても秋リーグの締めくくりということで気持ちが高まっていました。試合の流れとしては良かったと思うのですが、要所でリズムに乗るタイミングを逃してしまいました。

――試合の後半の大事な場面でたくさんトスが上がっていましたが、そのことについてはどう思われますか

リーグを通してセッターの芹沢との信頼関係ができてきて、最後は決め切らないといけない4年生という立場なので、トスを上げてくれたと思います。

――きょうはレシーブがつながっていたと思いますが、ご自身のレシーブはいかがでしたか

上がらなくても最後までいくなど、チームを盛り上げられるようなレシーブができればいいなと思っていました

――次は入れ替え戦ですが、具体的に改善したい点、準備しておきたい点はありますか

まずは、しっかり相手を分析することとそれに対して、ブロックとレシーブの関係やきょうもありましたが、ツーアタックなどの真ん中の攻撃への対策をして行きたいと思います。

芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最終戦ということで、4年生にとっても最後のリーグで、なかなか勝てなかったけど、きょうは思い切ってやろうと思って、全員で臨みました。

――加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)選手への配球が多くありました

加納さんも調子がいいと自分の中で感じていましたし、最後は4年生に決めてもらおうという思いが強くあったので、加納さんにトスを集めました。

――セッターの芹澤さんが1本目のレシーブに回ることが多くありました

あまりレシーブが得意じゃないんですけど、フェイントボールだけは落とさないようにと思ったのと、最後は何がなんでも拾おうと思って、1本目にもしっかり準備しようと思いました。

――相手のサウスポーのセッターに苦しめられました

ツーアタックを、自分に比べて多く打ってくるし、上手いので、自分達も対応しようと思ってもしきれなかったので、見習う部分が多くあり、そういう部分を吸収してこれからも頑張っていきたいと思います。

――入れ替え戦への意気込みをひとことお願いします

入れ替え戦というかたちになってしまったんですけど、1部に残るには勝つしかないので、しっかり4年生と力を合わせて、入れ替え戦勝って来年ここに戻ってこられるように、必死で頑張りたいと思います。