粘りを見せるがすでに遅く…筑波大にストレート負け

女子バレーボール

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)では未だ勝利なし。主力を欠きながら戦う早大は、この日春の王者・筑波大と対戦した。第1セットから序盤で大量得点を重ねられると、筑波大の強烈な攻撃になすすべなく失セットを重ねる。終盤ようやく対応を見せるも、そのまま押し切られ、セットカウント0-3(13-25、14-25、22-25)で敗戦。強豪相手に初勝利とはいかなかった。

 初手からリズムを奪われてしまった。第1セット、出だしから3点を失い、相手のスパイクミスで1点を奪うも、さらにそこから4連続失点。筑波大の力強いスパイクにレシーブを崩され、自由な攻撃が展開できない。苦しい体勢からの攻撃には力が無く、相手に主導権を握られてしまった。。主力メンバーの抜けた穴はあまりにも大きく、第1セットを落とすことになる。続く第2セットも、序盤こそリードする場面こそあったものの、相手の鋭いサーブを拾えず失点。リズムをつかめそうなところでも、素早いクイックに反撃の芽を摘まれ、2セット目も大差で奪われてしまう。

苦しい中でも懸命にボールを追うリベロの飯田友美(商1=長野。諏訪青陵)

 後がなくなった第3セット、またも立ち上がりを攻められ、最初のタイムアウトを取った時点でスコアは3-8。しかし、第1セットの二の舞、三の舞で終わるわけにはいかない。再開後は粘り強くボールを拾い、相手のスパイク攻略にかかった。セッターの芹澤友希(スポ3=茨城。土浦日大)は、「準備が少し甘かった」と振り返ったが、ここに来てようやくリズムをつかみ、相手に追いすがる。レフト攻撃、ライト攻撃、バックアタックと丁寧に対応するにつれ、じりじりと詰まる点差。セット最終盤、苦しめられていたクイックをついに叩き落とすも、反撃はここまで。流れを得るにはあまりにも遅く、ストレート負けを喫することとなった。

最高学年として。スパイクでチームをけん引した佐藤

 強豪大学との対戦が多かったとはいえ、これで秋季リーグ戦4連敗となった。しかし、主力を欠く中で、チームは攻撃の選択肢を増やし、確実に成長と遂げている。この試合、いままで調子に波のあったブロード攻撃を、高い精度で決め続けた佐藤夢菜(スポ4=埼玉・狭山ヶ丘)は、「1セット1セット、1点1点を取ることだけを考えていきたい」と語った。追い込まれた状況の今、貪欲に1点を目指すことが、チームを進化させることにつながるだろう。

(記事 喜田村廉人、写真 鎌田理沙)

セットカウント
早大 13-25
14-25
22-25

筑波大
スタメン
レフト 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)
ライト 加納茉未(社4=北海道・札幌大谷)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 飯田友美(商1=長野・諏訪青陵)
コメント

佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)

――きょうの筑波大戦へはどのような対策をされましたか。また意気込みはいかがでしたか

いままでしっかりとデータを活用して取っていこうと言ってはいたのですが、それが実践できていませんでした。今回は具体的にどういうことをやればいいのかというのを試合の前にもう一度確認して、コートの中だけではなくみんなで(点を)取りに行こうと臨んだ試合でした。

――4年生の主力お二人が試合に出ていない中で、佐藤選手は声出しなど積極的に行っていましたが、最高学年としていかがでしょうか

いままでの私は得点をうまく取れず、チームに貢献できなかったという部分で悔しい思いをしたし、チームのみんなにも迷惑をかけてきました。きょうはとりあえず自分のできることをして、「きょうで自分の人生のリーグは終わりだ」というくらいの意気込みで臨もうと思い、きょうは来ました。

――きょうの佐藤選手のスパイクの調子は良かったように思われますが、いかがでしたか

セッターには私が不甲斐ないせいで、レフトばかりの単調な攻撃をさせてしまっていました。きょういつもより決めることができて、セッターの(芹澤)友希(スポ3=茨城・土浦日大)も私に少しずつ上げてくれるようになっていたので、そうやって信用してトスを上げてくれる選手になりたいです。

――相手に反撃するタイミングが限られてしまっていましたが、敗因は

個々の力で言えば圧倒的に負けてしまっていて、チーム力で勝とうという姿勢で臨んだにもかかわらず、メンバーが変わったことによる確認不足が目立って、そこで負けてしまったのではと思います。

――では次戦に向けて意気込みを

もう1セットも落としてはいけない展開が続くし、こうなったら入れ替え戦も視野に入れなければいけないかもしれませんが、まずはそういうことを考えずに、1セット1セット、1点1点を取ることだけを考えていきたいです。

芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

3敗という結果が追いつかない状態での筑波戦だったんですけど、前を向いてやるしかないと思って、挑戦する気持ちでやりました。

――ブロード攻撃の配球が多く見られましたが

センターのユメさん(佐藤夢菜、文4=埼玉・狭山ヶ丘)がブロードをすごく決めてくれたので、相手が嫌がるまでブロードを使って、少しでも多く点を取ろうという気持ちで使いました。

――森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)のブロード攻撃もありました

筑波の分析をして、そこが少し弱いということだったので、練習のときに森の方もブロードの練習をしていたので、きょう使ってみようと思って、挑戦してみました。

――ブロード攻撃やバックアタックなど、攻撃の選択肢が増えてきましたが

人数が少ないスパイカーには負担になってしまうと思うんですけど、森のブロードだったり、富沢(結花、スポ1=東京・文京学院大女)のバックアタックだったりを利用して、1人の攻撃の幅を増やしていこうと思ってやったので、これからもスパイカーを生かせるようにしたいと思います。

――相手のクイックやバックアタックに手を焼きましたが

相手の攻撃はすごく速いし、高さもあるので、準備っていうところが少しきょうは甘かったと思っているので、準備を早くして、バックアタックだったり速攻だったりに対応できるように、また来週から詰めていきたいと思います。

――次戦への意気込みをひとことお願いします

4敗となかなか結果はついてきていないんですけど、4年生にとっても、秋リーグは最後だと思うので、1本1本思いを込めて、4年生のために貢献できるように、来週も頑張っていきたいと思います。