初戦突破!緊急事態をチーム全員で乗り越える

女子バレーボール

 教育実習中の4年生二人、さらにケガで離脱した森佳央理(スポ2=群馬・高崎女)を欠くワセダ。普段はリベロを務めている中川知香(スポ3=神奈川・橘)をライト、ライトを務めている平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)をセンターで起用するなど、直前でのテコ入れを余儀なくされた。急造チームで臨んだ東日本大学選手権初戦であったが、抜群の対応力を見せる。山梨学院大相手にセットカウント3-0(25-11、25-21、25-12)で勝利し、無難に2回戦進出を決めた。

 「誰が入ろうとワセダのバレーをしよう」(平山)と意気込んだ初戦。しかし、立ち上がりはぎごちなさが目立つ。二段トスになる場面が続くなど本来の攻撃を展開できず、格下相手に接戦を強いられた。そんな中、いつもとは違う色のユニホームを着た中川が、サービスエースを3つ決めるなど好サーブを連発。それに呼応するかのように、早慶定期戦からレフトで起用されている浅野泉里(文3=岐阜)のスパイクが冴え始める。大学2年次以来のセンターに入った平山もクイックやブロックで役目を果たし、驚異の12連続得点。中川のサーブから流れを引き寄せ、まずはセット先取に成功した。

絶妙なサーブで相手を翻弄する中川

 ライトの中川がレシーブ中心になるため、攻撃力の低下が不安視されていたアタッカー陣。それでも、平山がライトや後衛からもスパイクを放つことで攻撃の幅を広げ、それを感じさせない。レフトも機能し、特に浅野は第3セット中盤でも得点を重ね期待に応えた。またリベロで公式戦初出場を果たしたルーキー飯田友美(商1=長野・諏訪清陵)も、「自分の力を出せた」と安定したレシーブを披露。正確なサーブレシーブとブロックでチャンスを作り、攻撃につなげる。メンバーが代わってもチームの軸である『粘りと決定力』は衰えず、勢いそのままにストレート勝ちを収めた。

早慶定期戦からスタメン出場している浅野

 緊急事態だからこそ、全員で戦うことが求められる今大会。戦力の低下は避けられないが、控え選手やルーキーの活躍がチームに相乗効果をもたらしていることも確かだ。さらなる強敵が待ち受けるあす以降、ワセダの大番狂わせは見られるのか。勝利の喜びをかみしめ、虎視眈々(たんたん)と女王の座を狙う。

(記事 川浪康太郎、写真 鎌田理沙、喜田村廉人)

セットカウント
早大 25-11
21-25
25-12

山梨学院大
スタメン
レフト 浅野泉里(文3=岐阜)
レフト 富澤結花(スポ1=東京・文京学院大女)
センター 佐藤夢菜(文4=埼玉・狭山ヶ丘)
センター 平山璃菜(スポ4=東京・文京学院大女)
ライト 中川知香(スポ3=神奈川・橘)
セッター 芹澤友希(スポ3=茨城・土浦日大)
リベロ 飯田友美(商1=長野諏訪清陵)
コメント

平山璃菜主将(スポ4=東京・文京学院大女)

――配置転換の経緯と狙いを教えてください

先週の練習中にミドルの森(佳央里、スポ2=群馬・高崎女)がケガしてしまって、4年生二人が教育実習で抜けていてアタッカーがいなくなってしまったので、中川(知香、スポ3=神奈川・橘)がライトに入って自分がミドルで臨むしかないということで今回のかたちになりました。

――ではあす以降もこの布陣ということですか

そうですね。森の様子次第なのですが、最悪このメンバーでいくしかないです。

――初戦の戦いぶりを振り返って

ただでさえ代えがいない中でケガ人が出てしまって、中川なんていつもはスパイクすら打たないリベロのポジションなのにライトという慣れないポジションでやってくれて、浅野(泉里、文3=岐阜)も早慶戦からレギュラーとして出てはいるのですがまだまだ慣れていないですし、リベロで入った1年生もユニホームを着ることすら初めてでした。そういった中で、でもいるメンバーでやるしかないし、誰が入ろうとワセダのバレーをしようということで臨みました。

――春リーグ(春季関東大学リーグ戦)とメンバーが違ったことで連係の面ではいかがでしたか

早慶戦からメンバーが違っていて、ケガ人が出てもっと変則的になったので、今まで春リーグを通して作ってきた連係の部分はまだまだなのかなと思います。日数も限られた中でチームを作り切ることができなかったですし、そういった部分はきょうの試合にも現れたのでまだまだ穴は多いなと思いました。

――平山選手自身はバックアタックを何本も決めるなど活躍が目立ちました

バックアタックに関してはあれで1部に通用するとは思わないですし、まだまだ磨くべき部分でもあります。チームがこういう状況になって新しくコートに入ってくるメンバーがやりやすいように、キャプテンである自分がもっといい環境を作れたらいいと思います。

――ブロックがよく決まっていましたが、振り返って

高校時代にミドルをやっていたので全く経験がないわけではないのですが、久しぶりでした。何本かブロックできてよかったです。

――あしたの試合に向けた意気込みをお願いします

今いるメンバーで今できる最大級のことをやるだけだと思うので、あしたもチーム一丸となって頑張りたいです。

中川知香(スポ3=神奈川・橘)

――いつものリベロポジションではなく、アタッカーとして出場されました

いま教育実習などでメンバーが欠けているので、その代わりに入りました

――ではそのリベロのポジションに今回ついた、後輩の飯田友美選手(商1=長野・諏訪清陵)については

入部当初からうまくて、自分自身も負けてられないなとすごく思っていました。
お互いで切磋琢磨(せっさたくま)して、高め合っていければと思います。

――では、中川選手のアタッカー起用というのは、今後はありますでしょうか

そうですね、いまのところはこの大会だけかなと思います。答え

――いまの4年生が卒業されてからアタッカーになるというのは

まだ分からないですね。

――いつものリベロにはない、サーブなどはいかがでしたか

いつもと違うポジションで戸惑いもあったのですが、サーブなども含め、やることをやるしかないなと思ったので、攻めれて良かったと思います

――では最後にあしたの意気込みを

やはりどんなメンバーで戦っても、自分たちの軸である、サーブとそのレセプション、ブロックをしっかりやれば負ける相手ではないと思うので、毎回自分たちの軸を持ってやりたいと思います。

浅野泉里(スポ3=岐阜)

――きょうは早慶戦と同じくスタメン出場でした

そうですね。でもかなり緊張してしまっていたみたいで、終わってから出し切ってないなという気持ちにはなりました。

――では体の動きに影響もありましたか

そうですね、緊張が技術的な面で出てしまいました。

――ですが、サーブなどはたくさん決められていました

はい、でも何も考えていない時の方が成功していたので、次は改善してみようかなと思います。

――スパイクの調子はいかがですか。第2セットのように決めきれない調子の時も感じられましたが

まだ波があるというか、これも何も考えていない時の方が成功しているので、頑張りたいと思います。

――ではあしたの意気込みを

あしたも試合に出て、今度はちゃんと攻撃を決めきるというのを意識して行きたいと思います

飯田友美(商1=長野・諏訪清陵)

――まず、出場が決まった時の心境を教えてください

4月に入ったばかりで、先輩方ほど上手ではないし、不安でした。

――試合前に緊張はありましまか

少し緊張していました。

――実際にコートに立ってみていかがでしたか

先輩方がサポートしてくださってすごくやりやすくて、自分の力を出せたと思います。

――普段リベロを務めている中川知香選手(スポ3=神奈川・橘)からアドバイスはありましたか

知香さんもフォローしてくれるとおっしゃっていたので、安心して自分のプレーに取り組むことができました。

――同期の富澤結花選手(スポ1=東京・文京学院大女)が春リーグから活躍していましたが、その姿を見てどのように感じていましたか

結花はスポーツ推薦ということもあってすごくレベルが高いので、自分も結花くらいレベルの高いところでプレーできるように頑張らなければと思いました。

――あす以降も試合が続きますが、意気込みをお願いします

あした以降も、きょう以上に声を出して、自分が一番下っ端なので声から盛り上げて全力でプレーしていきたいと思います。