単独首位に浮上!日大との全勝対決を制す

女子バレーボール

 「自分たちの目標はあくまでも入れ替え戦で勝つことなので、(きょうの試合は)その通過点」(唐木沙彩主将、スポ4=千葉・柏井)。6日目を迎えた春季関東大学2部リーグ戦。試合前まで同じく5戦全勝だった日大相手でも、通過点でしかなかった。首位攻防にふさわしい競った展開になるが、勝負どころで唐木がエースとして活躍。セットカウント3-0(25-23、25-21、25-20)で日大に土をつけた。

 ここまで立ち上がりを苦手としている早大。第1セット、中盤まで一進一退の攻防が続いたが、16-15から4連続得点を奪われ、16-19とされる。この悪い流れを関根早由合副将(スポ4=神奈川・橘)の移動攻撃で断ち切ると、芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)がサーブで攻め逆転。セットポイントとなったところで、早大はサーバーを平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)から宇野櫻子(社3=神奈川・桐光学園)に代える。きのうに引き続き宇野はピンチサーバーとしての起用に応え、相手レシーブを崩す。ダイレクトで返ってきたボールを関根が押し込み、1セットをなんとか先取した。

ピンチサーバーで出場した宇野

 第2、3セットはサーブで攻めることを確認し、徹底的にコースや相手を狙う。序盤から大量リードを奪い試合を優位に進める。どちらのセットも終盤に追い上げられたが、逆転は決して許さなかった。そこには、選手たちの確固たる勝利への執着心が見えた。特に存在感を示したのが、及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)と唐木、二人のウイングスパイカーだ。昨年はケガの影響で一年を通して満足のいくプレーができなかった及川。それだけに、ことしに懸ける思いは強い。「(悔しい)思いをコートの中で出し切れた」と、気迫のこもったスパイクやレシーブでチームを勢いづける。プレー面だけでなく、苦しい時には大きな声で仲間を鼓舞するその存在は、実に頼もしい。唐木も同様、セッターが崩れた際の二段トスも打ち切り、エースとしての存在感を見せた。第2セット、最大12点あったリードを23-21と2点差まで迫られた場面。2連続でスパイクを決め、第2セットをものにする。第3セットでもマッチポイントでスパイクを放ち、チームをストレート勝ちに導いた。

エースの存在感を示した唐木

 昨年のチームの課題として、一度相手に流れを渡すとなかなかそれを取り戻せないことがあった。しかし、そう簡単には崩れないのがことしのチームの強みだ。どんな状況であれ自分たちのスタイルを貫く意識――『結束力』が共有されている。これで開幕から6連勝と、勝利を重ねるごとに選手たちにも確かな自信がついているに違いない。来週からは順位決定リーグが始まり、強敵たちとの再戦が控えている。気負うことなく、残り4戦も狙うは全勝。1部昇格への道をトップギアで突き進む。

(記事 谷口武、写真 網代祐希)

セットカウント
早大 25-23
25-21
25-20

日大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ4=千葉・柏井)
レフト 及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)
センター 関根早由合(スポ4=神奈川・橘)
センター 佐藤夢菜(文3=埼玉・狭山ヶ丘)
ライト 平山璃菜(スポ3=東京・文京学院大女)
セッター 芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)
リベロ 中川知香(スポ2=神奈川・橘)
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コメント

唐木沙彩主将(スポ4=千葉・柏井)

――無敗同士の試合でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

力まず意識せずにやりました。自分たちの目標はあくまでも入れ替え戦で勝つことなので、その通過点として(きょうは)みんな試合に臨みました。

――第1セットは2点差で逃げ切り切りましたが、立ち上がりの出来はいかがでしたか

サーブで攻めきれていなかったというのがあったと思います。立ち上がりとしてはいつも通りよろしくなかったと思います。

――第2セット以降は連続得点で攻められました

監督(吉田千絵監督)の方からサーブを攻めていこうと言われました。そこでサーブを修正できたのが良かった点です。ブロックも幅が効いてきたので、その二点が良かったです。

――一方でこちらも連続得点を奪われ、結局は競った展開になってしまいました

勝ちが見えてしまった時の自分たちの弱さというのが出てしまいました。(力を)抜いてはいないですが、少し安心してしまったのかなと思います。

――リベロの中川知香選手(スポ2=神奈川・橘)が二段トスを上げる場面が目立ちましたが、その際にはどのようなことをチームで意識し合っているのでしょうか

中川は高校時代にセッターの経験もありすごく打ちやすいので、特別な約束事はありませんが、中川とアタッカーの間でどんなトスが欲しいかという話はできています。

――連続得点を奪われている間はサーブレシーブが崩れていましたか

そうですね、サーブレシーブが崩れると厳しいですね。

――第2セットの終盤、相手ライトに立て続けに攻められタイムアウトを取りましたが、その際にどのような話し合いをしましたか

ライトからクロスで抜けてくるのが向こうの決め球で、それのブロックとレシーブの対応の兼ね合いをしていました。

――タイムアウトの多い試合でしたが、特別話し合うことはあったのでしょうか

タイムアウトを取る時は流れの悪い時なので、その時は笑顔で目を見合っていこうと話し合っています。

――ストレート勝ちではありましたが、きょうの試合にはどのような評価をしていますか

まだまだだったと思うので、60点か50点ぐらいです。

――昨春のリーグ戦は後半に崩れてしまったということで、これからはどのようなことを意識して臨んでいきたいですか

対戦する相手も2回目になってきて相手も対応してくると思うので、自分たちも相手の対応はしつつ、自分たちのしたいバレーややるべきことをやっていきたいです。

及川香菜(スポ3=宮城・古川学園)

――首位攻防戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

向こうも絶対勝つ気持ちで向かってくると思うので、前からいろいろな心掛けはしていました。自分たちの(勝つ気持ちの方が)強くて勝てたと思います。

――及川選手自身気持ちをプレーに出せていたと思います

そうですね。ずっとケガで出られなくて、その分コートの外からチームを見たりしていて、いろいろな葛藤がありました。そんな思いをコートの中で出し切れたと思います。

――結果としてはストレート勝ちでしたが、出来としてはいかがでしたか

自分の中では50点ぐらいかなと思います。2部で優勝して入れ替え戦に進むまでにまだまだ課題も残っているので、しっかり入れ替え戦までに調整してやっていきたいです。

――その課題とはどのようなところですか

自分を狙って(サーブを)打ってくるとわかったので、そこをどうやって切り替えして自分で決めるかが課題です。そこを徹底してやっていきたいです。

――サーブがチーム全体として良かったですね

サーブで崩してブロックで点を取るかたちが一番なので、その点ではみんな(相手やコースを)しっかり狙って打てたと思います。

――連続得点の奪い合いでしたが、試合をしていて感じることはありましたか

連続得点でリードをしてしまうと気が緩んでしまう部分があるので、そこは最後まで集中することを心掛けてやっていかなくてはいけないです。

――特に第2、3セットは大量リードから追い上げられてしまいました

自分たちの隙を突かれてバタバタ崩れてしまったので、そこは点差が大きくても小さくても勝ち抜くことを考えなくてはなりませんでした。

――今週は2試合とも気の抜けない試合でしたが、疲れが溜まったりはしましたか

疲れはありましたが、やるべきことはきのうと変わらないので、気持ちで何とかなりました。

――昨年はケガもあり満足なプレーができなかったと思いますが、現在の調子としてはいかがでしょうか

手術後は、手術前よりもいいパフォーマンスができるようにとずっとリハビリから取り組んでいました。前に比べたら、自分自身成長できたと思います。

――完治したのはいつごろでしょうか

2月中です。

――オフの期間はどういった取り組みをされていましたか

ひたすらリハビリをして、どうしたらチームが勝てるかをひたすら考えていました。

――開幕戦は久々のプレーで緊張などはされましたか

初戦はいきなりの公式戦で緊張もしましたが、(いまは)慣れてきて、自分がこれまでリハビリも練習も頑張ってきたことを出せていると思います。

――加納茉未選手(社3=北海道・札幌大谷)との併用も続きますが、チーム方針として使い分けているのでしょうか

はい。加納がいることで自分も頑張れるので、いいライバルです。

――チームとしてこれから正念場を迎えますが、心掛けていきたいことはありますか

どんな相手であれ自分たちのバレーをすることだけです。

――今後の試合への意気込みをお願いします

最後まで勝ち切って、1部に昇格したいです。