テンポの良い攻撃で、大東大を圧倒

女子バレーボール

 粘りのあるバレーを見せ、ここまで秋季関東大学2部リーグ戦(秋季リーグ戦)で2連勝中のワセダは、大東文化大との試合に臨んだ。この試合はサーブが良く、唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)らのサーブで相手を崩し、第1セットを取る。関根早由合(スポ3=神奈川・橘)の移動攻撃や平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)のバックアタックなど、多彩な攻撃で第2、3セットも連取。セットカウント3-0(25-17、25-20、25-20)で勝利を収めた。

 黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)が「サーブで頑張ったことで攻撃もリズム良くできた」と語ったように、第1セットはサーブで相手を崩し、試合を優位に進めた。そのなかでも、春季リーグ戦でサーブ賞を受賞した唐木のサーブがこのセットの流れを引き寄せる。横に滑りながら落ちる独特の軌道を描く唐木のサーブに、相手レシーバーは対応できなかった。唐木のサーブを足掛かりとしワセダは序盤に6連続ポイントを奪い、25-17でこのセットを取る。

相手に脅威を与えた唐木のサーブ

 第2、3セット、黒木のトスワークがチームの攻撃力を存分に引き出した。黒木は第2セットに平山と関根を積極的に使う。平山はサイドアタッカーだが、センターからの攻撃が多く、また、バックアタックを決めるなど攻撃の良いアクセントとなった。関根は従来のセンターからのスパイクに加え、移動攻撃も決めるなど、この二人を中心とした攻撃で2セット連取。続く第3セットで、黒木はセンターからの攻撃が中心だった第2セットから一転、サイド中心の攻撃に切り替える。第2セットで関根の移動攻撃を有効に使えたため、第3セットでは関根のモーションに相手センターがつられるようになり、サイドアタッカーの負担を減らすことができた。佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)や加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)らサイドアタッカーが要所でスパイクを決め、このセットも取りストレート勝ちを収める。

多彩なトスワークを披露した黒木

 この試合では、サーブで相手を崩し、試合を優位に進めることができた。また、移動攻撃やバックアタックを有効に使った攻撃には迫力があり、夏の彼女たちの努力が実を結んだと言えるだろう。連勝を3に伸ばし、1部昇格へ向け、ここまで順調な滑り出しを見せている。

(記事 渡辺新平、写真 吉原もとこ)

セットカウント
早大 25-17
25-20
25-20

大東文化大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)
  レフト 加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)
  センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘)
  センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)
   ライト 平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)
セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井)
リベロ 中川知香(スポ1=神奈川・橘)
コメント

麻生俊行監督(昭61教卒=東京・広尾)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

1セット目は非常に出だしが良く、サーブが走ったので相手にバレーをさせないというゲームができました。2セット目から相手のコンビに振られる場面が出て、そこはずっと課題にしていたところなので、修正が必要かなと思います。

――佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)選手と平山璃菜(スポ2=東京・文京学院大女)選手のポジションは、ローテーションによっては入れ替わることもあるのですか

はい。ちょっといろいろ理由があって、佐藤と平山のポジションは位置を春と変えました。その理由は言えないんですけれど、佐藤の高くて強く打てるところは活かしていきたいというところもありまして、そういうところも含めて。

――ブロードなどでサイドを広く使えていたと思うのですが、攻撃に関してはいかがでしたか

ちょっとトスが低かったりして、もっと関根なんかはもっと高く打てると思うんですけど、まあそれでもうまくセッターが使っていたと思います。

――相手レフトのブロックが遅れる場面がありましたが、ブロックに関してはいかがでしたか

むこうセッターがうまいので、トスが逆、逆にきて、ちょっとミドルがうまく対応できず、ブロックが振られました。

――あしたの試合の意気込みをお聞かせください

もうこのリーグは1セット、1点が大切なので、とにかく結果よりも目の前のことに集中しようということでやってきています。その積み重ねで結果が出ると思いますので、きょうからあしたの準備に入って、試合は目の前のことをやっていきたいです。そして、何より、彼女たちらしくのびのびと、心を変なプレッシャーでおさえつけないでやってほしいなと思います。

黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは全体的に自分たちのリズムがすごく良かったです。サーブが第1セットよく効いていたので、サーブを頑張ったことで攻撃もリズム良くできたなと思っています。

――サーブミスが見られたのも、攻めた結果ということでしょうか

サーブで点を取りに行く人と、崩しに行く人をチームの中でしっかり分けて、メリハリを持って攻めて行こうと。攻める人はミスをしてもいいからどんどん攻めようというやり方をいましています。ミスは攻められているので問題ないと思っています。

――相手のレフトからの攻撃にブロックなど苦しんだように見えましたが

そうですね。先ほど監督からも指摘があったのですが、(セッターに)振られてしまった時に、ノーブロックでレシーバーがついていけていないブロッカーを助ける意味でもっとディグの精度を上げていこうと。振られたからチームが崩れるのではなくて、振られてもレシーブを頑張ればいいというようなチームのかたちを、リーグ戦の後半に向けてできるようになるのが課題だと思います。

――バックアタックなど、攻撃のバリエーションも最近増えました

そうですね。バックアタックは意識的に取り入れていて、攻撃力はもちろんあるのですが、もっと楽に1点を取りに行くためにはスパイカーの三人だけでなくバックや私も含めて攻撃をするという意識を持ってやることが、実際に打つスパイカーを助けることにもなるので、そういった攻撃は意識的にやるようにしています。

――来週から厳しい戦いが予想されますが、その上であすの立大戦はどのような戦い方をしていきたいですか

自分たちが万全な状態で強いチームに立ち向かえることが大切だと思うので、まずあしたは相手どうこうではなく、自分たちのコートの中のことをしっかりと確認して、できない課題を見つけていけたらいいなと思います。

関根早由合(スポ3=神奈川・橘)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

先週の順大との試合は苦しい場面も多くて、きょうの試合も苦しい展開も想定していたのですが、出だしから好調でストレートで勝つことができてよかったです。

――ブロードを多く使うなど攻撃パターンが増えているようにみえますが

そうですね。自分の速攻やブロードが効いたら、チームも楽なかたちで勝てることは分かっていたので、セッターの麻衣さん(黒木、スポ4=大阪国際滝井)と合わせて夏の合宿も乗り越えてきたので、それなりに自信をもって臨めました。

――相手に対してブロックの調子はいかがでしたか

とりあえずレフトに対してゆっくり跳ぶということをチームでブロックとレシーブの兼ね合いで話していて。それが全部できていたと思ったらそうでもなかったのですが、まだすごくよいというわけではないのですが、悪くもなかったかなとは思います。

――あすの試合に向けては

少し順位の下がるチームが相手ではあるので、もっと一人一人の良いところを引き出せるような試合にして、全員で勝ち取れるように頑張りたいです。

――ではリーグ戦後半への意気込みをお願いします

やはり1部に昇格することがチームの目標なので、このまま上位リーグに行くためにも、あしたと来週を勝ち取って、1位通過をして昇格を狙いたいと思います。