途中出場組の活躍光り、開幕2連勝

女子バレーボール

 開幕戦に勝利し、幸先の良いスタートを切った女子バレーボール部。連勝で勢いを加速させるべく春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)2戦目の順大戦に挑んだ。安定した守りからリズムを作るワセダが序盤は優勢に立ったが、その後は順大のペースで試合が進む。セット終盤での連続失点が目立ち、2セットを失う窮地に追い込まれていた。しかし、後がなくなった第4セットの土壇場で圧巻の8連続ポイントを奪い形勢逆転。そのままの勢いで第5セットも押し切り、セットカウント3-2(25-22、19-25、19-25、25-15、15-13)で2試合続けてフルセットの接戦をものにした。

 流れを変えたのは途中出場の二人だった。第1セットは取ったものの、その後は完全に順大に流れをつかまれ、押され気味の展開が続いていたワセダ。状況を打開するべく第4セットから加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)をアタッカーに起用する。きのうも途中出場で結果を残していた加納。見せ場が訪れたのは13-11の場面だった。大きなフォームで力強く打ち込むスパイクが相手のブロックを弾き飛ばし1点を奪う。すると次々とトスを託され、勢いが止まることなく得点を上げ続けていく。「レシーブでは貢献できない分、フロントでボールを呼んでスパイクを打つことが自分の仕事」(加納)と言うように役割を果たすと5連続得点を稼ぐ大活躍。チームを流れに乗せ、フルセットまで試合を持ち込むことに成功した。

大車輪の活躍を見せた加納

 続いて輝きを放ったのは平山璃奈(スポ2=東京・文京学院大女)。昨年、即戦力ルーキーとしてリーグ戦に出場しながらもケガでシーズンの大半を棒に振り、再起が期待されるアタッカーだ。第1セットの途中でもアタックやブロックで好プレーを見せていた平山。第5セットの7―8と緊迫した場面で満を持してコートに入ると持ち味を存分に発揮する。加納とは対照的に技術力で勝負するスパイクが次々と決まり、得点を重ねる。「流れを変えてくれた」(黒木麻衣主将、スポ4=大阪国際滝井)と振り返る通り、そこからは勢いに乗ったチームも連続得点で試合を決め、開幕2連勝を呼び込んだ。

要所でスパイクを決め、ガッツポーズする平山(左)

 「層が厚くて誰が出てもチームを変わらずに保てるというのが武器」(黒木)。今季のワセダは状況に応じて選手交代を頻繁に行い戦っている。昨年、下級生ながら試合に出場し経験を積んだ選手たちの成長が、層の厚さにつながっているのだ。それぞれの特徴を生かしたプレーが試合の流れを変える役割を担い、チームを勝利に導く。2試合続けて接戦を勝ち切れた強さの秘密は適材適所の戦術に隠されているのだろう。しかし、黒木主将が「混戦をものにしているのはすごくいいんですけれど、抑えられるところは抑えられるし3―0で勝たないといけないゲームだった」と語るように課題が残ることも事実。この先の戦いでは調子の波を減らし、常に自分たちのプレーができるように全力を注いでいく。

(記事、写真 中澤佑輔)

セットカウント
早大 25-22
19-25
19-25
25-15
15-13

順大
スタメン
レフト 唐木沙彩(スポ3=千葉・柏井)
レフト 及川香菜(スポ2=宮城・古川学園)
センター 関根早由合(スポ3=神奈川・橘)
センター 佐藤夢菜(文2=埼玉・狭山ヶ丘)
ライト 木暮美波(人4=群馬・高崎女)
セッター 黒木麻衣(スポ4=大阪国際滝井)
リベロ 中川美香(スポ4=神奈川・大和南)
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コメント

黒木麻衣主将(スポ4=大阪国際滝井)

――開幕2連勝となりましたがチームの調子はいかがでしたか

絶好調の人とそうでない人がいるんですけどことしは層が厚くて誰が出てもチームを変わらずに保てるというのが武器だなと思っていてきょうは加納(茉未、スポ2=北海道・札幌大谷)が途中で出てきてすごい決めてくれたりとか平山(璃奈、スポ2=東京・文京学院大女)が流れを変えてくれたりとか全員の力で勝てた試合だったなと思います。

――途中出場の選手の活躍がありましたが、交代には意図があるのですか

練習してきた通りだなあという感じで、ひとりひとり調子の良い悪いは絶対にあるので、流れを変えるための練習とかもやってきたのでそれが出たなという感じですね。

――ことしはリベロも頻繁に交代していますね

そうですね。それもタイプが違うので、ディグがうまいのかレセプションが得意なのかでそれぞれのいいところをちょっとずつ使ってチームを作っていこうとしてやっているので、そういう意図があります。

――2セットを奪われてしまった原因は何が考えられますか

自分で言うのも何なんですけど、私自身がばたついてしまったので相手が全然乗っていなかったところを私たちが簡単なミスをすることでむこうが調子を上げてしまいました。1セット取って安心するんじゃなくて、そこでもう一回切り替えてできるような力を付けていかないとなと思いました。

――その中でも接戦を勝ち切れるところにチームの強さが表れているのではないでしょうか

もともと力がないのは自分たちでもすごく分かっていて、去年の結果で言いたくはないですけど2部で5位だったので、全部挑戦者だっていう気持ちでやろう、諦めずにしっかりやろうっていう気持ちでやっています。ときどきばたついて噛み合わない時もあるんですけど、コートに入っている人だけじゃなくて全員が前を向いてプレーしようというのが出てたのですごいいいなと自分たちでも思います。

――来週に向けて意気込みをお願いします

混戦をものにしているのはすごくいいんですけど、抑えられるところは抑えられるし3―0で勝たないといけないゲームだったなと思います。そこが今回の課題であって来週から生かしていきたいなと思うので、もう一回気持ちを作り直して頑張りたいです。

加納茉未(社2=北海道・札幌大谷)

――途中出場ながら見事な活躍でした

途中からの出場だったんですけどチームの流れは絶対変えたいなと思ったので、とにかくいままでやってきたことを思いっきり出そうと思ってやりました。

――4セット目の加納選手のプレーが逆転勝利を呼び込んだように思います

やってきたことを出せたのと、皆さんのフォローがあったからこそ自分の力を出せたと思うのですごいチームメイトに感謝しています。

――自分の役割はどんなところだと思いますか

レシーブでは貢献できない分、フロントでボールを呼んでスパイクを打つことが自分の仕事だと思っています。

――チームも2連勝ですが今後はどんなプレーをしていきたいですか

今週の2戦を終えて、最後まであきらめない姿勢はしっかり出せたと思うし、いままでつながりっていうテーマでずっと練習してきたのでこれからのリーグもそのつながりを意識して全員で戦い抜けるように頑張っていきたいです。