早慶戦直前女子部主将対談 早大・高橋早紀主将×慶大・鈴木詩織主将

女子バレーボール

 1部リーグで戦うワセダの主将・高橋早紀(スポ4=東京・下北沢成徳)と、4部リーグで戦う慶大の主将・鈴木詩織(商4=東京・田園調布学園)。プレーの場は違うものの、主将として目指すは同じく、『チームの勝利』だ。普段は戦うことのない二チームが真剣勝負を繰り広げる早慶戦を目前に控え、主将としての思いや、伝統の一戦への意気込みを伺った。

※この取材は5月5日に慶応スポーツ新聞会と合同で行ったものです。

ワセダのバレー、慶応のバレー

――お互いに対してどのような印象を持っていますか

鈴木 女子に関していうとワセダは1部で慶応は4部なのでもともと戦ってるフィールドのレベルが違うといいますか、年に一回全然レベルの違った相手と試合をさせてもらえる機会をいただいているので私たちが思い切りぶつかっていけるところと考えています。リーグ戦は勝たなければいけないというプレッシャーもありますがそういうものにとらわれずに思いっきりできる場所で、ワセダのチームの方には私たちのレベルに物足りない部分もあると思いますが、胸を借りてやらせてもらえる良い機会だなと思っています。

高橋 私たちは1部でやっていて、バレーのテンポとかも違うと思うんですけど、いま1部で勝つことが難しくてみんな苦しい中一日一日を体育館で過ごしているんですけど、ライバルと戦うバレーボールを楽しむとか、負けたくないという気持ちでチーム一人一人がしっかりとしたモチベーションで臨めるのが早慶戦だと思います。毎年いろいろなメンバーが出ていてみんなで勝つということを再確認できるのが早慶戦で、ワセダとしてもすごく楽しみではあります。

主将トークに花が咲いた

――年に一度早慶戦があるわけですが、それ以外にも交流はありますか

鈴木、高橋 なかったですね。

鈴木 後輩が2人ワセダの女子チームにいるので個人的な交流はあるんですけど、チームとしてはあまりないです。

――ワセダ、慶応を進学先に選んだ理由はどういうところですか

鈴木 そんな深い理由はないんですけど早慶に行きたくて、行けたらバレーはやりたいなと思っていたときにたまたま縁があって慶応に入ることになりました。もともとサークルに入るという選択肢が自分にはなかったのでバレー部を見てここで頑張ろうと思いました。

高橋 高校時代の監督がワセダ出身っていうのもあって、スポーツ推薦のお話もあったので。高校のときは自主性とか自主的に何かに取り組むということを重視していてそのやり方がすごく素晴らしいと思ったし、勝つことだけが全てではないんだなということを感じていました。仲間に厳しいことを言ったり、仲間を思ってそういう言葉をかけるとか本気だからそういうことを言えるとか、監督と一緒にコートに立っているわけではないので、仲間とのそういうのがすごいいいなというのを三年間で学びました。いろんな大学を見てもワセダは自主性を一番に取り入れているのを知って、もう一回自主性を意識してバレーボールに取り組めれば自分のパフォーマンスも上がるだろうなと思ったのと、体育会にすごい選手がたくさんいる環境の中で自分が成長できたらいいなということも考えてワセダに決めました。

――ことしは大学最後の年となりますが、ここまでで一番印象に残っていることは何ですか

鈴木 おととしの秋の入れ替え戦で4部の2位になって3部に上がるチャンスを得て、入れ替え戦に望んだんですけど、2年に上がる前の春に膝の靭帯を切ってケガでずっと離脱していた中、復帰戦で入れ替え戦に出させていただいたのが個人的にはすごく思い入れがあります。そのときの4年生が3部昇格に対する強い思いを持っていたのは知っていて、なんとしても自分が力を貸せればと思っていました。まあフルではなくところどころで途中出場だったのですが、最後フルセットで負けてしまって4年生を3部に上げられなかったのが悔しい意味でも印象に残っている試合です。2年の秋の入れ替え戦ですごく悔しい思いをして、きょねんも一年間通して3部に上がれなかったので、ことしは自分たちの代になって春はリーグの編成上、昇格も降格もない試合になってしまったんですけど、新リーグでは秋にブロックで優勝して3部に上げて後輩にチームを託したいなというふうに思っています。

高橋 自分たちも2年の秋にリーグ編成があって、自動降格になりました。それも1点とかの差じゃなくてセット率で0・いくつとかの差だったのであの1点を取っておけばという悔しい結果でした。高校はそういうのがないので大学に入って1年の時に2部の春リーグを経験して秋は1部に上がってすぐまた2部に落としてという感じで、自分がコートにいるのにチームを2部に落としてしまったというのがほんとに悔しかったです。そのあとの入れ替え戦もいろいろな状況の中で戦ってすごい思い出に残っています。そのときはセンターの子が捻挫をしてしまって普段レシーバーの子がセンターで出たりとか、チーム一丸になってやっと1部昇格を勝ち取ることができて、もうあのときはほんと死に物狂いで戦っていたなという印象です。また、1部でも秋に入れ替え戦をして、フルセットになって苦しい試合でした。今年は自分の代になって来週からは(リーグ戦の)後半戦ですが、勝ちきれていないのが現実でこれからどうなふうに結果がついてくるかはわからないんですけど、何かが思い出というよりも三年間を通して1部でバレーをすることがこんなにも大変なのかということを感じるようになりました。高校のときは強豪校にいて勝つことが当たり前だった中で、勝ち星が取れない焦りとか不安とかがあって勝つことがすごく大変な事なんだなということを実感していて、いまは毎日それだけを考えて生活しています。だから何かが思い出というよりは全て苦しい三年間だったし、今も実際に苦しい立場に置かれているのが現状なので、このあとしっかり勝って後輩に1部でやらせてあげたいなというのがいまの気持ちです。

主将として思うこと

――ことしは主将としてチームをまとめる立場になりました。主将になって改めて感じたことはありますか

鈴木 きょねんは上級生としてチームをまとめているつもりだったんですけど3年と4年って全然違うなと思いました。うちのチームは4年のプレーヤーは私一人で(同期の)マネージャーはいるんですが、チームメイトみんなが下級生なので下級生の意見をうまく取り入れてチームを作っていかないとわたしの独裁というかまとまりのないチームになってしまうと感じていて、だからといってそこで後輩を甘えさせるのは違うと思うし、逆に私の意見を押し付けたら反発してまとまらなくなってしまうというところですごく苦労しています。きょねんから自分が上級生になったときに来年自分が一人でまとめなくちゃいけないから先輩を助けようと思って、一個上は3人いたんですけどコートに入っている先輩は1人しかいなかったので、自分もコートをまとめているつもりではいました。でも上級生ではあったけど4年になって初めて感じる重みというか、チームをまとめなきゃいけないし、結果も残さなきゃいけないし、自分の言動一つ一つがチームに影響していくっていう責任の重みをすごく感じています。そういう変なプレッシャーを後輩に感じさせたくはないので下とうまくやっていきたいなと思います。ことしは慶応の女子バレーチームで初めてAO入試で入学してきた子がいるので、その子からしたらまだ慶応の女子チームのバレーはまだ物足りないところがあると思うんですけど、その子の入学を機にやはりことしは結果を出したいではなく出さなければいけないと思っています。しっかり秋に3部に昇格するのはもちろん、それを見て慶応でバレーをやりたいと思ってくれる後々の後輩が出てくればもっともっと上の舞台で戦えるんじゃないかと思います。

慶大・鈴木主将

高橋 全く一緒(笑)。ワセダも4年のプレーヤーが3人なんですけど1人ケガをしてしまって実際にコートに入っているのは2人で、自分がリベロなのでコートを抜けるときがあって、もう一人がセンターなのでコートの中には4年生一人という状況が生まれてしまうときがあります。下級生が4人入っているかたちでチームを組んでいて、いま勝たなくても下級生には自分たちの代もあるし、ことしにそんなに懸けなくてもいいと思っても普通だと思うので、その中でも自分がいま勝ちたいんだという気持ちを、協力してもらうというか力を借りなければいけないので、下級生の意見を聞いたりとか、よりみんながやりやすい環境をつくるのがキャプテンでありリベロの役割だと感じています。暇があれば練習メニューを考えたりだとか、みんなのプレーとかよりもみんなのコンディションがどうなのかとかモチベーションはどうなのかとか、何を不安要素として今取り組んでいるのかを考えて、自分は結構後輩と仲が良くて普通にそういうことを聞けるので、より後輩が力を発揮できるようにしていかなければいけないなということはすごく考えています。それがキャプテンの役割としても一番の負担というか、どこまでやっていいか分からないし、さっき(鈴木さんが)言っていたみたいに自分の意見だけ言ってしまえば押し付けているのと変わらないし、自分が言ったからには自分が一番やらなきゃいけないし、やっぱり背中で示さなければいけないなというのを感じます。あんまり負担とか苦労とかは思ったことはないですけどそれだけ責任のある役割なので、いまはみんなを勝たせてあげられないというのが申し訳ないし、まだまだ自分も足りないなと思います。やっぱり勝てないのが正直苦しいというか、キャプテンとして役割を一番果たせていないのはそこなんじゃないかと。この先年間通してどういう結果が付いてくるかわからないですけど、しっかり前を向いてみんなの先頭を引っ張っていかなければいけないというのは日々思っているので、それを思うだけじゃなくてしっかり結果として出せるようにしたいです。

早大・高橋主将

――お互いの話を聞いて、同じ主将として何か聞いてみたいことはありますか

鈴木 後輩に慕われるコツというか、どういうふうにコミュニケーションをとっていますか?

高橋 自分ができている自信はあまりないけど、後輩があんまり先輩と思って接してこないというか(笑)。普通に仲良しって感じだから。でもキャプテンがチームを作っていかなきゃいけないし、厳しいことも言うし要求をするけど、言ったあとはしっかり練習に付き合うとかは絶対にしようとしてるし、試合前はこの子がキーになるなと思ったら連絡入れて「頼むよ!」とか「がんばろうね!」とかは言っています。うまい言葉じゃ心は開けないなというのを感じてるから真っ向勝負じゃないけど思ったことはガツンと言うし、本音でぶつかるということはやってるかな。

――反対に高橋選手から何か聞きたいことはありますか

高橋 やっぱキャプテンってしんどいよね(笑)?しんどさをためるじゃないけど、思っていても誰にも言えない、言ったらそれで弱く見られるんじゃないかと思って。たまにパンクしそうになるんだけど、その対処とかはしてる?

鈴木 なんだろう。ストレス発散は練習終わったら一人カラオケとか…

高橋 えー(笑)!

鈴木 いやもうほんとに自分が納得するまで練習をやるだけやって、「終わったー!」って思ってイライラしてたら一人カラオケ行ったりとか、カフェで好きなケーキを食べたりとか。

高橋 えー、私もやろ!

鈴木 それもあえてマネージャーを誘わないで一人で行く(笑)。

――高橋選手はどうやってストレス発散していますか

高橋 いまずっとバレーの練習するって言ってましたよね?

鈴木 練習終わっても自分が納得するまでというか時間ギリギリまでやって、終わったら行くっていう感じ。

高橋 えらい!自分だったら無理と思ったらスパッとやめちゃうタイプだから。きょうはきょう、あしたはいいかもみたいに(笑)。超割り切るタイプかな。

――では、気持ちを切り替えるために何かをするというわけではないのですか

高橋 全部なかったことにする(笑)。でも、やっぱりいろいろあるから落ち込むけど落ち込んでるのももったいないなと思って、一時期はユーチューブでおもしろ映像とかをみて爆笑する、みたいなのはやってました。

鈴木 わかります(笑)。ユーチューブは暇つぶしにもなるし気分展開にもなるよね。

――主将としての苦労がすごく伝わってきました(笑)。それでは、リーグ戦を戦ってみて、いまのチームに感じていることを教えてください。

鈴木 4部リーグはきのう終わって、5勝2敗で3位だったんですけど、正直メンバー一人一人が3部でも十分戦える素質を持った子たちだなということは感じています。きょねんは私と一個上の先輩が前衛一枚、後衛一枚というかたちで、二人で攻撃を回していてけっこう苦しかったんですけど、ことしはいい後輩が入ってきてくれて下級生が中心のチームで、素質はいいと思うんですけど1年生2人の主力が合流したのが3月後半ということもあってチームを固めきれなかったのが唯一の後悔で、もう少し詰められる部分があったんじゃないかと思います。でもとりあえず今回は昇格、降格がありませんでしたが、1位だった平成国際大と違うブロックでことしの秋リーグを戦えることになったのでいい位置に入れたかなというふうに思っています。2位の神奈川大学が一番のライバルになると思うんですけど、そこをどう倒して全勝で3部に上げるかというのがことしの課題です。私自身は3部を一度も経験したことがなくてそれは心残りなんですけど、3部で戦える舞台を後輩に残してあげたいというのがあるので、今までは許していた部分もさらに厳しくしていかなければいけないと思います。いままでは早慶戦や東日本インカレでは4部よりも上のレベルのチームと戦うことが多くて、気持ちを入れにくい部分もあったんですけど、自分たちより上の相手に対して自分たちの何が通用して何が通用しないのかということを確認するという意味でも勝つことに対しての全員の士気を持っていくのが大事だと思っています。1年生にも「早慶戦とか東日本インカレはすごい雰囲気でやるレベルの高い試合だよ」とかは言ったりしてますけどなかなか伝わりにくいと思うので、言い続けていくしかないです。

高橋 自分がワセダに来てから4年目で、1部も何回も経験して、自分らはリーグが始まる前に関西遠征に行ったりとか、1部のチームとゲームをやってからリーグに入るんですけど、いつも1部でやるときは不安というか、「このまま入って大丈夫なのかな」とか「レベルが違うんじゃないかな」とか思ったりして、リーグを楽しみと思えないというか自信を持っていけたという印象がありませんでした。でもことしは1年生も多く入ってきてくれてこんなに選手がいっぱいいるのも自分が入学してから初めてだったので、選手層が厚くなって、リーグ前もゲームで勝ち越したりとか自分たちの勝ちパターンを分かった上でリーグに入れたのは自分が思うには今回が初めてかなと思います。前半戦を終えてみて1勝しかできていなくて、いつもだったらこんなもんかなと思ったり、目標を掲げていても実際にそういった気持ちでは試合ができていなかったなというのを感じていて、でも今年は1勝4敗という結果がほんとに悔しいです。ゲームで勝てた相手に負けたりとかほんとに少しの流れの差で負けたりとかで勝てていなかったので。ことしは優勝とか結果だけが全てというふうにチームがスタートしていたので、思うような結果が付いてきていないのはすごく苦しいんですけど、このあとしっかり4つ勝って5勝4敗で終えたいです。それが最低であり最高成績にこれからはなると思うし、いまはみんなでその数字しか考えていないのでそれを求めて試合に臨みたいです。

早慶戦とは

――リーグ戦後に早慶戦があるわけですが、勝敗がリーグ昇格、降格に関係のない早慶戦を毎年やる意義はなんだと思いますか

鈴木 バレーボールじゃなくても早慶戦ってすごい伝統があるというか、思い入れがあるのではないでしょうか。両校のライバル心であったり、同じスポーツをやっている仲間との勝負であったり。正直1年生のときはただの定期戦というぐらいにしか感じていなかったんですけど、いろんな0B・OGの方とか保護者の方とか高校時代の関係者の人とかが応援に来てくださっているのを見るとこれからも続けていってほしいことだなと思います。早慶戦ならではというか、ワセダと慶応にいる生徒だからこそ感じることのできる試合であり、雰囲気であり、絆なのではと思います。

高橋 自分も定期戦というくらいにしか3回やってみて思ってなかったんですけど、今回でラストということで、先ほど言っていたみたいに勝敗どうこうというよりもワセダと慶応という大学にいる以上、伝統のある大会だし、当日はOB・OGさんがたくさん会場に集まってくださると思います。普段は女子チームのメンバーが一丸になってというふうにどちらかというと小規模ですけど早慶戦はワセダ、慶応というように応援する場所も両サイドにあって、部員以外の先輩たちと一緒になって戦うことができます。リーグ戦ではそういったことはないので多くの仲間と一緒に多くのライバルと戦えるという大きい大会が早慶戦だと思います。実際にコートに立つのは私たちなので、OB・OGの分も勝ちたいという気持ちを背負って戦わなければならないなというのは感じています。その中でも点数はもちろんですが、ゲーム内容もしっかり期待に応えられるものを出していかなければいけない大会だと思います。

――応援団や観客が普段の試合よりも多くなることが予想されますが、その観客の人たちに注目して見てもらいたいところはどこですか。

鈴木 うちのチームは身長が高い選手とかが多いわけではないし、経験値もばらばらで大学から始めた子もいるので、迫力のあるプレーっていうのは見せられないかもしれないですけど、粘り負けしないといいますか、コートにボールを落とさなければ負けないわけですし、拾って拾って、つないでというところを見せられたらいいかなと思います。

高橋 ことしの早稲田は「執念」、「プライド」というスローガンのもとに始動したんですけど、最後まで諦めないとかは私生活でもそうだと思うし、苦しいことがあっても最後まで諦めないとかはコートの中だけでなく外でも、生きていく上で大事なことだと思うし、私たちも執念を持って戦っているっていうのを先輩方に見ていただきたいです。ことしのワセダはそこを強みにしているということを理解してもらったり、感じてもらえればいいかなと思います。

――最後に一言、意気込みをお願いします

鈴木 選手として最後の年なので、周りから見たら1部と4部が戦う試合とか思われてしまうかもしれないんですけど、対戦するからには相手の胸を借りて思いっきり戦って勝つという目標は持っていたいです。自分が今まで3年間やってきたこととか、ここまでチームを作ってきた中で、上のレベルの相手と戦える機会っていうのを一試合一試合大事にしたいっていうのがあって、今回の早慶戦はいままでとは違うくらい個人的には思い入れが強いです。ことし自信をもって言えるのは、きょねんよりも絶対に自分たちのチームは強くなっていると思うし、「ワセダに簡単に勝たせないぞ」という気持ちで私たちも全力でやっていきたいと思います。

高橋 ちょっとこわい(笑)。先ほどから胸を借りるとか言ってくれているんですけど、きょねんとかもそんな大差で勝ってるわけじゃなくて、「うわっ、やばい」と思う瞬間もセットの中で何回かあって、それでことしはきょねんよりも強いということなので、チームの気を引き締め直させたいと感じています。1部と4部という点で見れば力の差はあるように感じると思うんですけど、私たちも全力で勝ちに行きたいし、相手が4部だからとかそういう気持ちで挑むつもりはありません。私たちも本気なので、慶応と本気でぶつかって本気の戦いができたらいいなと思います。

鈴木 あと、毎年女子の試合が1時からで男子が3時からなんですけど、きょねんは思いのほか、女子の試合が予定より伸びたみたいで、「女子の試合が長引いちゃった」みたいな言い方をされたのでそれがすごい悔しくて「ことしはもっと長引かせてやる!」と思いました(笑)。そんなことが去年はありました。

高橋 きょねんは大差ではなくて普通のゲームだったからね。やばい、ことし(汗)。

――例年、女子の早慶戦は大差になるのですか

鈴木 1、2年の時は大差のイメージだよね。

高橋 そうだよね。私が2年のとき一番最初のファーストサーブだったんですけど、18本か20本ぐらい打ってるので。そのぐらいの感じだったんでですけど、きょねんは・・・

鈴木 でも個人的には1、2年のときのチームの方が完成度があったと思います。きょねんはけっこう一枚頼みというか私と先輩とでやっていて苦しくて。1、2年が結構ぼろぼろだったので。

――ということは今回はきょねんよりさらにおもしろい試合が期待できるのではないでしょうか

高橋 しかも去年は日吉が会場で京王の応援がすごくて、もう圧倒されて「うわっ・・・」みたいな感じになっちゃって。でもことしはワセダなんでいいですね(笑)。

鈴木 いやー、もうちょっと人呼びます(笑)。がんばります!

――早慶戦当日が楽しみです!ありがとうございました

決戦に向けて気合いは十分

◆高橋早紀(たかはし・さき)

早稲田大学スポーツ科学部4年。下北沢成徳高出身。168センチ。リベロ。入学当初はアタッカーとして活躍しながらも、2年時からはリベロに転向。今季は主将に就任し、闘志あふれるキャプテンシーと高い技術でチームを引っ張る。取材中、持ち前の明るさで場を和ませてくださった高橋主将。早慶戦では華麗なダイビングレシーブはもちろん、チームを盛り上げる大きな声にも注目です

◆鈴木詩織(すずき・しおり)

慶応大学商学部4年。田園調布学園出身。166センチ。センター。主将兼4年生唯一のプレーヤーとして、悲願の3部昇格という重責を担う。早慶戦では長年勝利できていない慶大だが、ことしのチームは「きょねんよりも絶対に強くなっている」と力強いコメントを残した鈴木主将。下克上には要注意です