1年生が躍動し、慶大に圧勝

女子バレーボール

 春季関東大学リーグ戦(リーグ戦)の入れ替え戦で屈辱の敗戦を喫してから半月。早慶定期戦ではその影響を感じさせず、格下相手に地力の差を見せつけた。リーグ戦では出場の機会に恵まれなかった新たな戦力も活躍を見せ、セットカウント3-0(25-13、25-11、25-8)のストレート勝ち。間近に迫る東日本大学選手権大会(東日本インカレ)に向けて弾みをつけた。

初めてのスタメン出場ながら活躍した加納

 第1セットの立ち上がりは3連続ポイントを許し、リードされる展開となった早大。その後もミスが目立ち、なかなか点差を離すことができない。しかし、レフトから唐木沙彩(スポ2=千葉・柏井)のアタックが決まり始めると、一気に試合は早大ペースに。この日初めてスタメン起用された加納茉未(社1=北海道・札幌大谷)も「いままでにないくらい緊張した」と語ったが、試合が進むにつれて本来の力を発揮していく。結局25-13と大きくリードしてこのセットを奪った。

 第2セットは途中からコートに立った佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)が躍動。センターから次々とスパイクを決めていく。リザーブメンバーを使いながらも付け入る隙を与えず、セットを連取した。最終セットはまさに圧巻の内容。7-5で迎えた中盤に15連続得点を挙げる。サーブで相手を崩してチャンスボールを得ると、集中力を切らさずにポイントを取り続けた。最後は試合を通じて得点源となった唐木がスパイクを決めてゲームセット。序盤こそ競り合う場面が目立ったが、慶大を突き放してからは危なげない試合運びだった。

圧倒的な力を見せた唐木

 リーグ戦で出番の少なかった1年生たちがそろって活躍し、経験を積めたことは大きな収穫と言える。特にチーム1、2の高身長を誇る加納、佐藤の二人が戦力として加われば、選手層は一段と厚くなる。しかし、高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)が「完璧なゲームはできていない」と振り返ったように、新しい布陣の中で課題も見つかった。短期間ではあるがこの試合の収穫と課題を生かし、レベルアップした姿で強豪ひしめく東日本インカレに臨みたい。

(記事 塩澤毅志、写真 中澤佑輔)

結果

早大3-0慶大(25-13、25-11、25-8)

コメント

高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)

――自身最後の早慶戦を終えて、どのような気持ちですか

本当に特別なものだしリーグ戦の時とは比べ物にならないくらいファンの方とか応援の方が来てくれたので3セット目に入る前に、きょうはミスが多かったんですけど、これだけ集まってくれたのでそういった人に少しでも楽しい思いをして帰っていただけるようにプレーで出すしかないよねっていう話をして、そういうのが少しでも伝わってくれたらいいなと思ってプレーしていました。ワセダとしてこれだけの人が応援してくれているというのを再確認できて、私はあと半年しかないですけど、しっかりやっていかなければなと最後に感じることができました。

――慶大の印象はいかがですか

選手対談の時にことしはちょっとと言っていたのでどうかなと思ったのですがとりあえず伝統というか連覇を守れてよかったです。これからも後輩にはそういう気持ちを持ち続けてもらいたいなと思います。

――いろいろな選手が起用されていましたが収穫はありましたか

平山(璃菜、スポ1=東京・文京学院大女)が(膝のケガで)手術をしまして、その代わりに加納が入ったんですけど、初めてやったメンバーでできて、収穫というよりも課題がたくさん見つかりました。(リーグ戦では)2部に落ちましたけどインカレでは関係ないと思っているし、二回戦では日体大と当たるのでそこに勝ちにいきたいし、勝ちにこだわりたいです。きょうはもちろん完璧なゲームをできていませんし、課題もたくさんあるのでこのままじゃ厳しいよねというのはチームで出ているので、残り2日間しかないですけど詰められるところはしっかり詰めてインカレを迎えて、半期を終えられるようにしたいです。

――入れ替え戦の後に監督から高さのある1年生をもっと使っていきたいという話がありましたが

これから夏とか冬にかけては高さがある方が必ず有利だと私も思うので、それぞれいいプレーもするしプレースタイルも違うんですけど、加納と佐藤には出てもらいたいと思うし、一緒にコートに立ちたいと思っています。その二人をチームの一員として、プレーしやすい環境をつくってあげられるようにやっていきたいと感じているのでそこは監督さんと意見は一緒です。

――どういうことを目標に残り半年間を過ごしたいですか

やっぱりなんで2部に落ちたんだろうというのを練習していても疑問というか納得のいかないのもあって、悔やんでも結果は戻らないですけど、あの日だけ調子が悪かったんじゃないかと思ったり。でもこれからはしっかり前を向いて、後輩が私たちのために頑張ってくれているのには変わりないので秋で絶対に1部に戻して、後輩が1部の舞台でできるようにしていきたいです。全日本大学選手権(全日本インカレ)優勝というのが最終目標であって、チームの目標なのでリーグは関係ないと言ったら少し意味は違いますけど、インカレでしっかりとした結果を出せるようにまずは私がしっかりレシーブをあげてチームを支えて、下級生が戦える環境をもっと徹底してつくっていきたいなと思っています。

加納茉未(社1=北海道・札幌大谷)

――今試合スタメン起用でしたがいかがでしたか

いままでにないくらい緊張したので、自分の思うようなプレーができなかったですけど、来週ある東日本大学選手権大会(東日本インカレ)に向けてダメな部分がよく分かり、逆にいいモチベーションになったので、いい大会になったなと思います。

――試合内容を振り返ってみていかがでしたか

始めは固くなってしまいましたけど、先輩方も声をかけて下さって、後半はだいぶリラックスできたので、さらに最初から自分のプレーができるようにメンタルを強化していきたいです。

――早慶戦ということで違いはありましたか

こういう大勢に方が応援して下さるというのは初めてだったので、すごく圧倒されました。

――これから直していきたい課題というのはありますか

出だしの1本目のスパイクとサーブを強化していきたいです。

――東日本インカレに向けての意気込みをお願いします

自分たちで全日本インカレの切符を取るために、全員で一丸となって頑張っていきたいです。