秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)が終わり、ついに幕を開けた全日本大学選手権(全カレ)。ことしは男女別場所開催、女子は予選リーグがなく全国から選抜された64チームにのみ出場権が与えられるという大幅な制度変更を伴っての開催となった。秋季リーグ戦を2部5位でという悔いの残る結果で締めくくった早大は、全カレでのリベンジを誓い、最後の大舞台に臨んだ。迎える初戦の相手は、徳島文理大。第1セット、第2セットと連続ポイントを重ねて勝ち取ると、続く第3セットでは抜け出せない展開が続くも、終盤から徐々にリードを広げて勝利。セットカウント3―0(25―9、25―15、25-18)と力の差を見せつけ初戦を突破した。
試合開始直後、唐木沙彩(スポ2=千葉・柏井)のサービスエースでいきなり2連続ポイントを奪うと、流れは早大に。速攻を有効的に組み合わせた多彩な攻撃で、相手を翻弄(ほんろう)。さらに、佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)らセンター陣を中心とした正確なブロックで敵を封じ込み、攻め入る隙を与えない。そのまま圧倒的にリードするかたちで1セットを先取した。続く第2セットも時折ミスは出るものの、唐木や木暮美波(人3=群馬・高崎女)のサイドからの鋭いスパイクやブロックなどでラリーを制し、立て続けの連続ポイントで敵を突き放す。終始ペースを乱すことなく、このセットもものにした。
得点後の盛り上がりでワセダらしさを見せた選手たち
そのままストレートで勝利したい早大。しかし第3セットに入ると、序盤からミスが続き一時はリードをも許す。その後も1点を取り合う展開となったが、この日好調だったブロックや途中交代で入った中川美香(スポ3=神奈川・大和南)のサーブで相手を崩し、徐々に立て直していく。終盤に入ってからは完全に流れを取り戻し、早大らしい攻撃を見せると、最後は佐藤の完璧なブロックで試合を決めた。
最終ポイントをブロックで決め、ガッツポーズする佐藤
この試合圧勝した早大は、徳島文理大との力の差を大いに見せつけた。しかし本当の戦いはこれから。続く相手は、ことし東日本大学選手権の王者となった強敵・東女体大だ。「東女にヤマをはっていた」(高橋早紀主将、スポ4=東京・下北沢成徳)と語るように、次戦は今大会の勝負どころとなる。チーム一丸となり大きな壁を打破できるか。
(記事 栗田麻里奈、写真 中澤佑輔)
セットカウント | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 3 | 25-9 25-15 26-18 | 0 | 徳島文理大 |
スタメン | ||||
レフト 唐木沙彩(スポ2=千葉・柏井) レフト 及川香菜(スポ1=宮城・古川学園) センター 関根早百合(スポ2=神奈川・橘) センター 佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘) ライト 木暮美波(人3=群馬・高崎女) セッター 黒木麻衣(スポ3=大阪国際滝井) リベロ 高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳) |
コメント
高橋早紀主将(スポ4=東京・下北沢成徳)
――大学生活最後の大会にどのような意気込みで臨みましたか
負けたら私は引退ですけどそういうことは考えずに、一試合一試合思いっきりぶつかって、結果はあとからついてくると思うのでいま持っている自分の力やチームが持っている力を引き出して勝っていけたらいいなという感じですが、いつも以上に気持ちは入っています。
――秋季関東大学リーグ戦終盤は連勝で5位に留まりました。手応えはつかめましたか
もちろんいい結果ではないですし、悔しいリーグで終わってしまったので納得もいかないし、やりきった感もないんですけど、最後下位に回った以上は全カレに向けて頑張ろうというふうにリーグというよりも全カレ(全日本大学選手権)と思ってみんなやっていたと思います。その中で負けなかったしセットを落とすことなくいいゲームをできたので結果は結果ですけど良かったかなとは思っています。
――その後、全カレに向けて特に鍛えてきた点は
やっぱりリーグから全カレまでの時間はあまりなかったので、あした当たる東女にヤマをはっていたのでとにかく研究しました。私たちは一丸になったときに本来の実力を発揮できると思うので、ミーティングをたくさんしたりとかプレーというよりも気持ちが一つにまとまるようにお参りに行ったりとか、4年生で考えて工夫をして、そういったところを強化してきました。
――初戦を戦った感触はいかがでしたか
点数的にも放すことができたので良かったと思うんですけどまだまだ50点ぐらいの力かなと思います。きょうはセンターを使って決めて、東女のスカウティングがいたので、そういったところで勝負しようと考えていました。なのであしたはエースの沙彩(唐木、スポ2=千葉・柏井)がやってくれるだろうし、3年生のまる(木暮美波、人3=群馬・高崎女)がきょう以上に決めてくれると思います。そして一番は及川(香菜、スポ1=宮城・古川学園)に私は頑張ってもらいたいと思っています。
――今大会の目標を教えてください
一戦一戦しっかり頑張って勝ち上がっていくだけです。
木暮美波(人3=群馬・高崎女)
――インカレ初戦でしたがどのような意気込みで臨みましたか
最後の大会ということが1番大きなところだと思うので、出だしからしっかりチームの流れを作って、次戦の東女体大に向けてというのが今戦の1番の目標でした。
――ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか
攻撃の面では、いつもばたばたしてしまうところがあるのですが、そこは落ち着いてできたかなと思います。でも守りの方ではチャンスボールを落としてしまったところがあって、 そういうところから流れが変わってしまったので、次戦ではしっかりレシーブからやりたいと思います。
――攻撃陣の今試合の動きはどうでしたか
センターの1年生の夢(佐藤夢菜、文1=埼玉・狭山ヶ丘)とかレフトの紗彩(唐木、スポ2=千葉・柏井)とかもしっかり決め切っていたと思うので、次戦は決まっていたものも決まらなくなると思うので、もっと際どいボールを打っていかなければならないし、もっと絡みのコンビなど自分を中心として攻撃をしていけたらいいなと思います。
――チームの調子はいかがですか
段々上がってきていると思うので、後は次戦にしっかりとぶつけられるように、きょうの夜からみんなでしっかりとモチベーションを上げてやっていきたいと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
1試合でも多く4年生と試合をやりたいし、4年生にも勝ってほしいと思うので、1試合でも多く自分はスパイクでチームに貢献できるように、1点でも多く点数を取りたいと思います。
黒木麻衣(スポ3=大阪国際滝井)
――インカレにはどのような意気込みで臨まれましたか
4年生が今大会で引退ということもあるし、私たちとしてもこの学年で臨む最後の大会なので、1戦でも多くいい試合をしていいかたちで4年生に引退してもらえるようにやりたいという気持ちがすごく強いです。
――今試合大差で勝利しましたがいかがですか
相手のレベルもあったのでうまくいっている部分もあったのですが、まだまだ細かいプレーとかミスもすごく多くて、今試合が良かったかと言われると、まだまだできたのではないかと思います。
――どのような攻撃の組み立てで臨もうと考えていましたか
センターを多く使うという約束でやっていたので、多少捕まるところもありましたけど、そこをチーム全体がやろうという意識で、1本目からボールを触れたのは良かったのかなと思います。
――思った通りのプレーはできましたか
まあまあですかね。でも、次戦につながるように今戦でいろいろなことを試して、よりいいかたちで次戦に持っていけられたらなと思っていたので、これでいいかなと思います。
――これからインカレで勝ち進んでいく上であたって課題はありますか
今戦のようなミスをしていたら、相手に流れを持っていかれてしまうし、私たちが勝てるチャンスというのは、どんどん減ってきてしまうと思うので、細かいプレーでもしっかりとできるように、一人一人がもっと意識を上げて、チームで戦えたらいいなと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
力は相手の方が上だということは分かっているので、私たちが思いきりぶつかるだけだと思います。無駄なことは考えずに思いきり戦いたいです。
佐藤夢菜(文1=埼玉・狭山ヶ丘)
――初戦を戦った感想は
いつもお世話になっている4年生に恩返しをしたいというのと、自分がいままでやってきたことを出し切りたいと思ってやっていたんですけど、中盤から自分のミスが多くてチームに迷惑をかけてしまいました。あしたはたぶん4年生が出ることになると思うんですけど、もし自分が出してもらえる機会があったらチームのため、4年生にお世話になった気持ちを試合で出せるような気合いの入ったプレーをしたいです。
――リーグ戦から全カレまでの間に意識して強化してきた点は
自分は経験がないので自分が得意なプレーとかを向上しようと思っていたんですけど、相手が東女に決まってからは東女だけを意識して絶対勝って4年生に恩返しをしようという気持ちをもって毎日取り組んでいました。
――きょうの試合ではブロックがよく決まっていました
4年生の濱野さん(安希子、スポ4=東京・共栄学園)にずっとブロックを教わっていて、そのおかけで良くなったし上手くなれたと思うんですけどまだ途中から自分の甘いプレーのせいでチームに迷惑をかけてしまったのでそういったところはまだまだだと思います。これから自分で改善していきたいです。
――全カレの目標を教えてください
もういまのところは東女を倒すもいうことしか考えていない状態です。まずそこを倒さないと次にはいけないのでいまは完璧に東女だけを見てやっていきます。