秋季リーグ最終戦 フルセットの末、悔しさ残る幕切れ

女子バレーボール

秋季関東大学リーグ戦 10月13日 神奈川大学 横浜キャンパス

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ)最終戦は都留文科大との対戦だった。この試合に勝てば、入れ替え戦に確実となる大事な試合。第1セットは序盤から攻撃が決まり順調に点を重ね危なげなくセットを取った。一方、続く第2セットは相手の攻撃に苦しみ、流れを取られセットを献上。その後は互いに1セットずつとり、試合はフルセットへ。両者譲らず、デュース戦となった5セット目。途中、ブレイクを見せる場面もあったものの最後は相手の勢いに競り負け、惜しくも敗戦を喫した。

 第1セットは序盤、南里和(商4=東京・女子学院)のトスワークでスパイカー人全員が活躍し、テンポよく点を重ねていく。相手の攻撃を西崎梨乃(スポ2=大阪国際滝井)がブロックで止めたところで15−9と6点差。その後も、秋重若菜主将(スポ4=大阪・金蘭会)、モサクまり(国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)が相手コートのセンターに落とす技ありプレーを見せ、順調な流れを保つ。終盤も、川村彩乃(社1=岡山・就実)がストレートコースのスパイクを決めるなど優勢のまま試合を進め、最後は秋重が強打を決め25−19で危なげなくセットを先取した。

喜ぶ選手たち

 続くセットはモサクのサービスエースが先制点と、盛り上がりを見せて始まった。しかし中盤、相手の攻撃を止められず、取っては取られの展開に。途中長いラリーを制し盛り上がりを見せる場面もあったが、自チームのミスもありこのセットを22−25で落とした。

  第3セットは、秋重のスパイク得点から始まり、続いて西崎のクイック攻撃、モサクのストレートコースのスパイクと攻撃陣の活躍があり早大が先行。中盤も山崎葵(社3=岡山・就実)がつなげた二段トスをモサクが決め切り、盛り上がりを見せる。大松未羽(スポ2=沖縄・首里)の相手を崩すサーブがさらにチャンスを生み出し20−13まで点数を広げる。終盤、追い上げを見せる相手だったが、すかさず秋重が相手コートの真ん中に落とすフェイント攻撃を見せ、流れを渡さない。最後は大松がブロックポイントを決め、25−19でセットを取り返した。

 第4セット目は、自チームのサービスミスもあり思うように流れを掴むことができない。中盤も長いラリーを制することができず押される展開に。相手の勢いに飲まれ、スパイクアウトなどプレーに焦りが見える早大。終盤は長いラリーを制す場面もあり、西崎のライト攻撃、秋重のワンタッチを狙った攻撃で立て直しを見せるも中盤についた点差は縮まらず、4セット目を落とした。

ボールをつなぐ山崎

 運命の第5セット。序盤から両者譲らぬ攻撃戦となったが、先に一歩出たのは都留文科大。後半追い上げたい早大はエース秋重にボールを集めていくも、なかなか決勝点を決められない。デュース戦までもつれたものの、最後は相手スパイカー陣の勢いに競り負け、18−16で惜敗となった。

フェイント攻撃を見せる秋重

 秋季リーグ最終戦は、惜しくもフルセットの末、敗戦となった。目標の入れ替え戦出場まであと一歩のところでの敗戦だけに悔しさが残った。しかし、この秋リーグ、早大は春から大きく成長した姿を見せてくれた。リーグ戦上位校に連勝し、順位も春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)の5位から秋リーグは3位とその成長が結果として実を結んだ。4年生にとっては最後のリーグ戦ということもあり涙が見えたものの、まだ全日本大学選手権(全カレ)が残っている。この秋季リーグでの成長、そして今日の悔しさを糧にさらなる成長した姿を見せて欲しい。

(記事 芦刈れい、写真 勝呂愛流、帖佐梨帆)

 

セットカウント
早大 25-18
22-25
25-19
20-25
16-18
都留文化大
スタメン
アウトサイドヒッター 秋重若菜(スポ4=大阪・金蘭会)
アウトサイドヒッター モサクまり(国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)
ミドルブロッカー 川村彩乃(社1=岡山・就実)
ミドルブロッカー 西崎梨乃(スポ2=大阪・大阪国際滝井)
オポジット 大松未羽(スポ2=沖縄・首里)
セッター 南里和(商4=東京・女子学院)
リベロ 山崎葵(社3=岡山・就実)
途中出場
井上美和(スポ1=神奈川・厚木)
徳山奈々美(スポ4=兵庫・加古川西)
朴秀彬(文構3=韓国・釜山国際)
コメント

秋重若菜(スポ4=大阪・金蘭会)

――今日を振り返っていかがですか

 今は、本当に悔しい気持ちでいっぱいです。

――チームとしての反省点は

 チームとしては、やっぱりラスト1戦をしっかり作れなかったのが課題だったと思います。

――立教大の時もでしたが、都留文化とのやりづらさや相性はどうですか

 悪いですね。やっぱり相手は強いチームに向かって戦ってくるのに対して、自分たちもチャレンジャーの気持ちで行かなければならなかったんですけど、そこがまだ足りてなかったですね。

――今日は一応リーグ戦は最終日でしたが、リーグ戦振り返っていかがですか

 まあ、すごく長かったですね。すごく長くて、疲れました。でも、本当に楽しい期間でした。

――次の全カレへの意気込みをお願いします

 全カレは、学生最後の戦いなので。やっぱり、リーグ戦が最後悔しい思いで終わったことは、インカレで次につながるものだと思うので、悔しさをバネに頑張りたいです!

徳山奈々美(スポ4=兵庫・加古川西)

――今日を振り返っていかがですか

  (早稲田が)いい流れの時もあったし、自分たちがやりたいバレーができていなかったわけではなかったのですが、(今日は)競った展開で負けてしまって、実力かなと思いました。 v

――今季はピンチサーバーとしての起用が多い中で、どういったことを意識してプレーしていますか

 プレーの質もですが、自分が入ることでチームのコートの中の選手を少しでも安心づけたり、盛り上げてブレイクしようという意識を持っていました。

――今日の試合の個人的な反省点はありますか

 個人的にはこのリーグ戦は力を出しきれて終えられたというふうに感じているので、そこは反省点かなと思っています。

――チーム全体としての反省点は

 どうしても早稲田は相手に合わせてバレーをしてしまう課題があって。そこをリーグを通して改善できた部分もあったと思うのですが、最終的に今日の試合も勝ちきれなかった部分で、課題はまだ克服できていなかったと感じました。

――今日はリーグ戦最終戦で、昨年や春と比べて強いチームになったと思いますが、どういったことが要因だと思います

 今年の秋は特に、自分たちが最後のリーグで、1部に行けるラストチャンスだという意識が全員に共通であって。声をかけあったわけではないけど、1部に行くという意識が全員の頭に常にあった状態で練習を重ねてきて、全員で同じ方向を向いてやってこられたということが一番大きいと思います。

――全カレに向けての意気込みをお願いします

 まず勝ちにこだわって1回戦ずつやっていけるように。そして、自分たちがやり残したことがないように、1戦1戦頑張っていきます!

南里和(商4=東京・女子学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 終わってしまったので仕方がないのですが、相手もインカレに出れるかがかかった大事な試合で、気持ちもこもっていて、私たちにとっても大事な試合だったのですが変に気負い過ぎてしまったなと思います。

――3セット目、4セット目を落としてしまった要因はどこだと思いますか

 今日はずっとライトからのクロスのレシーブが上がらず、そこを相手も弱いとわかってライト攻撃を多く使ってきていました。私たちも攻められていたとは思うので粘りの部分で相手が上だったと思います。

――トスについて意識していたことはありますか

 今日はまり(モサクまり、国教1=東京・クリスチャンアカデミーインジャパン)が調子良くて、そして大事な部分は若菜(秋重若菜、スポ4=大阪・金蘭会)が絶対決めてくれると思っていたので、大事な場面ではその2人にあずけようと思いました。他のアタッカーも一生懸命トスを呼んでくれて打ってくれ、全員強気で攻めてくれたのでトスを上げる側としては心強かったです

――今日の試合で見えた修正点はありますか

 チームとしてはいろいろあるのですが、私個人のトスの点で言うとコンビが合わないというのが大きい課題なのでコンビの精度をもっともっと上げていこうと思います。