【男子バレー】日体大にストレート勝利 昨年の雪辱を果たす

男子バレーボール

12月4日 全日本大学選手権/3回戦 東京・大田区総合体育館

 全日本大学選手権(全日本インカレ)3回戦、早大は日体大と対戦した。昨年の全日本インカレ、そして今年の秋季リーグ戦で敗北を喫した因縁の相手だった。第1セットから一進一退の展開が続く。第2セットはデュースまでもつれた戦いを制し、第3セットは序盤からリードを保って最後は相手を突き放し、セットカウント3ー0(25-23、26-24、25-21)で勝利した。

  第1セット、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の得点からスタートをきった。OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)のブロックやスパイクで得点を重ねていく。相手に二度の3連続得点を許すも、小野のサービスエースやOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)のブロック、MBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)のサービスエースで巻き返しをはかった。中盤には小野のサーブで相手を崩しチャンスボールを佐藤が打ちきり、さらにはサービスエースで追撃。4連続得点で終盤にリードを奪うことに成功した。日体大もブロックやサービスエースなどで応戦するが、最後は相手サーブがミスとなり25ー23で第1セットを取り切った。

クイックを打つ菅原啓(教3=山形南)

  第2セット、両サイドを中心に攻撃を組み立てていく。相手守備の粘りや自分たちのミスなどで細かいブレイクが積み重なり、点差は徐々に開いてしまう。12ー15でタイムアウトを取ると菅原がクイックでブレイク。さらにローゼンのブロックで詰め寄るとサイドアウトの応酬で終盤へ。23ー24と相手がセットポイントの場面で小野がスパイクで得点しデュースに突入。ボールを託された小野の勢いは止まらず25点目を決めると、デュースの場面からコートに立った徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)がディグを上げ、小野が打ち切り小野の3連続スパイク得点でセットを取り切った。

喜ぶリベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)と前田(左から)

 第3セット、小野のサービスエースや川野のディグから佐藤が押し込んで処理するなどブレイクで序盤からリードを奪う。布台聖のサーブレシーブから小野がスパイクを決め試合を優位に進める。相手のブロックとサービスエースにより一時迫られるも交代で入った徳留が攻守にわたって躍動を見せる。徳留のサーブレシーブからローゼンがクイックを決め、徳留のスパイクで3連続得点へつなげる。タイムアウト後も勢いは衰えず川野、徳留の得点で相手を押し、最後は相手のスパイクミスで25ー21でセットを取り、セットカウント3ー0で勝利した。

二段トスをレフト方向に上げる布台

 昨年の全日本インカレ、そして今年の秋季リーグ戦で敗北を喫した相手との対戦だった。しかしストレートで制することができた早大。終盤での攻撃力や競り負けない強さを示した一戦となり、大きな成長の証明となったのではないだろうか。明日は中京大との対戦となる。普段のリーグ戦とは異なる相手だが、早大らしさを武器に戦っていってほしい。

(記事 井口そら、写真 井口瞳、上野沙織、山口愛結)

セットカウント
早大

25-23
26-24
25-21

日体大

スタメン

アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
ミドルブロッカー 板垣慧(政経4=京都・洛南)
ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

途中出場

麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
菅原啓(教3=山形南)
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)

コメント

佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)

――試合を振り返って

 まずチームとして、相手が去年負けた相手というのとここまでの試合の組み合わせとか見ると、1個ギアを上げないと難しい試合になるかなという風にチームの中でも話していました。でもそういう面でいうと、最初から全員がギアをあげて臨めていたみたいで、スコアを見ても2点差をしっかり取り切れていたので、それはすごく良かったかなと思います。個人としてはスタートの入りが結構良くて、スパイクも決まってていい感じに入ってたんですけど、自分がうまくいかない時にうまくいかないままで、徳留(巧大、スポ2=長野・松本国際)がちゃんと仕事をしてくれたのでそれはすごく助かった部分もありますし、チームとしてもすごく助かったと思うのですが、そこでダメになって終わりじゃなくてこれから試合を積み重ねていく上で、もう1回立て直してやっていけたらいいかなと思います。

――日体大戦に対してはどのように臨まれましたか

 すごくディフェンスがいいチームっていうところと、あと本当に勢いがあるチームだったので、そこを自分たちの中でうまく決まらなかったとしても、それは相手のいいところでもあるので、自分たちは「誰が出ても強い」という武器があると思うのでそこは割り切って、次のこと次のことって考えていこうというところと、あとはスタートダッシュをきられてしまうとそのまま勢いでセットだったり試合だったりをいかれてしまうと思ったのでスタートから自分たちで走っていこうという話をしていました。

――高いトスに対しての適応力が上がってきたと思いますが、ご自身ではいかがですか

 (全日本インカレ)前の練習で結構高いトスに対する練習とかをしていて、その中で打つだけじゃなくて、フェイントだったりとか、プッシュやオーバーでリバウンド取ったりできるようになって幅がすごく広がったかなと思います。あとは練習でやってきたことをしっかりできたかなと思います。

――次戦への意気込み

 これからどんどん相手も強くなってくると思うので、そこで相手に押し負けない、自分たちもしっかり向かっていくんだっていう気持ちを持ちつつ、今年のテーマである「異常を極め」というところと例年の早稲田のテーマである「全部出す」というところを組み合わせて、松井先生も「全部出すことを極める」とおっしゃっているので、それをしっかり体現できるようにやっていきたいかなと思います。中京大は初めて対戦する相手なのですが、実力のあるチームだと思うので、どちらにせよしっかり自分たちの力を出せるように頑張りたいと思います。

小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)

――試合を振り返って 

 去年のインカレも負けてて、今年の秋も負けてて。という部分で少し最初硬い部分があったと思うのですが、後半から自分らしさが出たのかなっていうふうに思うのと、まだ修正していかなきゃいけない点があるので、これからの試合ではそれをしっかり修正していきたいと思います。 

――昨年の全日本インカレ、秋リーグで負けた日体大ですしたが試合にはどのように臨みましたか 

 絶対負けないっていう気持ちと、しっかり映像を見て、日体に自分たちが何をするべきかっていうのを明確にしたのは良かったんじゃないかなと思います。 

――第2セット終盤などトスが集まっていましたがどのような心情でしたか 

 自分にトスが上がるのはわかっていたので、自分はエースとして打つしかないという風に思っていたし、決めるしかないので。そういった部分では覚悟はあるので、いつも通り打ちました。 

――サービスエースや高い打点のスパイクなど良いプレーが目立ちましたが、調子はいかがですか 

 サーブレシーブとかブロックの部分で少し自分の本来の形じゃない、ちょっとした乱れがあったので、そういった部分があまり調子がいいとは言えないのですが、スパイクやサーブといった部分では少し自分らしさが出ていたんじゃないかなと思います。 

――次戦への意気込み 

 次の相手がどこになるかわからないですが、やっぱりどんな相手でも自分たちがやることを明確にして、一生懸命自分らしさを出して優勝していきたいと思います。 

徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)

――試合を振り返って

 チームに関しては、今日は去年の全日本インカレで負けた相手ということもあって皆緊張していました。緊張した中でも今まで1年間、やってきたことをちゃんと全部出すということを意識してできてたんじゃないかと思います。個人としては、(自分の調子が)大当たりみたいな試合になってもそれに慢心することなく自分の持ち味であるレシーブだったり、難しい場面で出された時に仕事をしたりすることが自分の強みなので明日からもそれやっていければと思っています。

――因縁の相手でしたが今のお気持ちは

 苦手意識は皆あると思うのですが、相手ではなく自分だと思うので、明日も、これから代が変わっても、自分たちらしいバレーをしっかり貫けば勝てると思うので、そういうことを忘れずにやっていきたいなと思います。

――リザーブでの活躍が目立ちますが、試合中に外から見ることでプレーに生きている部分はありますか

 試合に出てた時は試合のことしか考えられなかったのですが、コート外にいることで誰が調子悪いとか、コート内では見えないところ、全体を見ることはできるようになりました。コートの中で感じる雰囲気と、コート外でコートを見る雰囲気は全く違うのですが、コートの外からしか分からないことも色々あると思うので監督、コーチ、スタッフ陣だけではなく選手も全員でという気持ちでやっています。こうしたらいいだろうなと外から情報を入れたり、自分が体現することによって皆に伝染していくんじゃないかなと思います。雰囲気も自分が入って皆笑顔になったりとか、ほぐれた部分もあったのでそういうところやっていければと思います。

――次戦への意気込み

 次は中京大か慶大かどちらと当たるかわからないのですが、どちらが来ても早稲田のバレーをする、自分自身の強みだったりを生かして明日も頑張りたいと思います。