天皇杯全日本選手権大会ブロックラウンド 9月21日 山梨・小瀬スポーツ公園体育館
天皇杯全日本選手権大会(天皇杯)ファイナルラウンドへの出場をかけた一戦の相手は東海大。秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)とは異なり3セットマッチの試合となったが、第1セットは余裕をもって先取し、第2セットも交代で起用された選手の活躍もあり取りきると、セットカウント2―0(25―18、25―18)で勝利しファイナルラウンド出場を決めた。
第1セット、相手のミスで抜け出したところに、リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)を中心にディグで相手の攻撃を拾い、切り返して得点し4連続得点と良い立ち上がりでスタート。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)の1枚ブロックでのシャットや、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のサーブで崩し、高くなったトスにブロックを寄せMBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)がシャットするなど勢いを加速させ相手にタイムアウトを取らせる。しかし尚も勢いは止まらず、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)がブロックタッチや、相手ブロックを利用したリバウンドなど器用なプレーを発揮したかと思えば、鋭いスパイクで得点し総合力の高さを見せる。最後は小野のサービスエースで25―18でセットを先取した。
サーブレシーブをする布台
第2セット、小野のブロックポイントからスタートし、OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がつないで布台のレシーブからスパイクを打ち切りブレイク。その後は一進一退の展開となるも、MB板垣慧(政経4=京都・洛南)のブロックや佐藤のスパイクで前に出るとサイドアウトの応酬となり相手を寄せ付けない。布台のサーブレシーブから小野がバックアタックを決め、それに続いて前田が相手のスパイクをレシーブし、なんとそのボールが相手コートへ落ちレシーブポイントでブレイクする珍しいプレーが飛び出た。思わずタイムアウトを取った東海大だが、リリーフサーバーとして登場した中上烈(スポ1=京都・洛南)がタイムアウト明けのサーブでサービスエースを取りチームを盛り上げる。小野のバックアタックが一度シャットされるも、その後すぐにもう一度バックアタックを放ち得点し、さらに前衛でも2段トスを打ち切るなど躍動する。最後は相手のサーブがアウトとなり、25―18で第2セットを取りきり、セットカウント2―0で勝利した。
クイックを打つ板垣
天皇杯ブロックラウンドを制しファイナルラウンドへの出場を決めた早大。これでSVリーグチームへの挑戦権を手にした。また、今回対戦した東海大は秋季リーグ戦では未対戦の相手だったが、今回の勝利を経て自信をもって秋季リーグ戦に臨むことができるのではないだろうか。1週間の空きを経て行われる秋季リーグ戦、そして今年度の体制の締めくくりとなる天皇杯ファイナルラウンドの双方の舞台で躍動することを期待したい。
(記事 井口そら、写真 井口瞳、山口愛結)
セットカウント | ||||
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早大 | 2 |
25-18 |
0 | 東海大 |
スタメン
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アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
菅原啓(教3=山形南) |
コメント
松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)
――2試合を振り返っていかがですか
先週に緊張感を持って練習ができていて、4年生を中心に自分たちの形というか、やるべきことは整理できて、それだけを望んでいたので、僕の中でも安心してゲームができるのではないかなと思っていました。やってはいけないミスや消極的なミスは今回1本もなくて、そういう部分では非常に自分たちのかたちが、インカレ(全日本インカレ)や秋の後半に向けては体現できたのだと思います。今日はすごく実りのある1日でした。
――現状のチームの状況と今回のメンバー選出理由を教えてください
まずは夏の合宿でやってきたことを重要にしながら、U21のメンバーや怪我人が戻ってくるという状況の中で、今誰が1番いいのかなというところを考えた時に、今のメンバーだと考えていました。ただ、あと麻野(堅斗、スポ3=京都・東山)と菅原(啓、教3=山形南)がまだ体調が万全ではないので、ここがまた入ってきた時に誰が本当にチームの中にフィットするのかというのを見ていく必要があるのでまだまだメンバーは変わっていくと思います。
――秋季リーグ戦も含め、秋に入ってから見つかった課題と収穫を教えてくだい
強さはあると思うのですが、課題は少しでも弱気になるとガタガタガタってどこまで落ちていっちゃうのかなっていうぐらいの時があるので、その分今日はそういう部分がないってことも自分たちで分かったと思います。打ち方が少しひどい時は秋ではあったと。だけど今日はそうでもなかったということなので、自分たちの中ではどういうマインドセットをしていけば落ちていかないのかというのが今日理解できたのだと思いますので、楽しみにしています。
――うまくいった要因として選手のどのようなプレーが挙げられますか
1つは前田(凌吾、スポ4=大阪・清風)が冷静にチームの中でも、今どこにあげればいいのかというのをよく理解して冷静でいたことと、1本目の布台(聖、スポ3=東京・駿台学園)が相手の思い切って打ってきたボールをに負けずにあけていたところが、攻撃のチャンスを増やしたので、1本目、2本目の選手が落ち着いていたことが、3本目の攻撃に繋がっていたので、うちのいい流れだと思うので、そういったかたちが良かったと思います。
前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)
――試合を振り返って
秋リーグは自分たちの中であまり上手いプレーが出ていなかったのですが、練習を今週しっかりやって、今日はそれがしっかり出たと思います。
――秋季リーグ戦でまだ対戦のない東海大と対戦でしたが、秋季リーグ戦の対戦に向けて
自分たちのやることを明確にするというのが1番なので。今日の試合で何ができたかとか、よかったところが何なのかというところをまず見つけるところが大事だなと思ったので、そこは帰って映像を見るのと、比較的全員出て良い選手も下級生も出ていたと思うので、そこは良かったかなと思います。
――多くの選手が出場した中で、どのような意識でトスをあげていましたか
練習の中でも選手が色々コンビの時に変わったりとか、全員がいつでも出られる準備はできてたと思うので、そこは良かったかなと思います。練習でいかにどれだけできるかというのもこれからも意識していきたいなと思います。
――秋季リーグ戦に向けて
少し期間が空く中で試合勘もなくなりはしないと思うのですが、絶対に自分たちの練習のクオリティは大学で1番良いクオリティ出すという目的で4年生がやってるので、そのクオリティを落とさないことと、A、B(チーム)共に良い選手が多いので、そこで切磋琢磨してできればもっと良いチームになると思うので、頑張っていきたいなと思います。