秋季関東大学リーグ戦 9月14日 千葉・キッコーマンアリーナ
秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)第4戦は国士舘大との戦い。前日の日体大戦では、フルセットの中敗北してしまった早大。気持ちを入れ替え序盤から雰囲気よく試合に臨むも、相手の強気なプレーに苦戦を強いられる。しかし、布台聖(スポ3=東京・駿台学園)やブロック陣を中心に粘り強く相手の攻撃にも対応し、セットカウント3-0(25-12、29ー27、31ー29)で国士舘大にストレート勝利した。
MBローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)のAクイックが先制点となった第1セット。点を決めたときに見せる表情には昨日とは違い、彼らの覚悟が見える。OP川野琢磨の高い打点から放たれるライトスパイク、OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)のブロック、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のパイプ攻撃と3連続得点で7ー3に。その後も、相手が真下に打ち込んできたスパイクに応戦し、MB板垣慧(政経4=京都・洛南)がAクイックを相手コートに突き刺し、会場を沸かせる。中盤もリードを譲る事なく盤石な試合運びで終盤戦へ。相手のサーブミスに助けられながら最後はセッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)、板垣の2枚ブロックでの得点でセットを先取した。
スパイクを打つ川野
第2セット。相手も調子を上げはじめ、なかなかリードしきれない。ローゼンの長い手足を生かしたAクイックや、川野の大きく助走をとったダイナミックなスパイクで相手にプレッシャーを与えるも、フェイントやプッシュ攻撃を交えた緩急のある攻撃に翻弄される。いかにミスしないか、速攻を一本でも拾えるかが鍵となった。取っては取られの展開が終盤まで続き、終盤21ー23の場面で、ボールを託された川野が着実に決めきり、小野のスパイクでブレイク。国士舘大はすかさずタイムアウトを要求。一点を追いかける早大だったが、マッチポイントを先に取られ、もう後がない状況でまたも川野がライトスパイクで得点。川野が相手スパイクをしっかりと見て、相手コート内には入るようにブロックし、再びのブレイクで25ー24とリードするもブロックアウトを取られ振り出しに戻る。両者粘るも最後は相手のスパイクがアウトになり、29ー27でセットを連取した。
スパイクを打つ小野
取り逃げしたい第3セットは小野が相手ブロックを利用し先制。ローゼンにトスを上げた前田は「いけるぞ」とプレー中に声をかける。小野のパイプや佐藤のサービスエースで10ー7と序盤からリードするが、国士舘大のボールをしっかりと叩き切るスパイクで早大の背中を捉え始める。自陣のミスで3ブレイクを与えると16ー18と追いかける立場に。苦しい中でもスパイカーに「頑張れ」と声をかける布台の声が観客席まで聞こえてくる。途中出場の畑虎太郎(スポ4=福井工大福井)が強烈なレフトスパイクで4年生としての背中を見せるが、攻めたい場面で攻め切ることができず、マッチポイントを国士舘大に奪われた。サーブカットが相手コートに返り、ダイレクトを決められそうになったところを前田がブロックでカバーし、なんとか相手のブレイクを阻止する。その後もお互い譲ることなく30点の大台に突入。川野のライトスパイクが決勝点となりこの長い戦いを制した。
サーブを打つ畑
国士舘大は昨日の試合で順天堂大に勝利し、勢いのあるチーム。厳しい展開が予想されたが、1セット目では点数を取るたびに喜び、声を出しコミュニケーションを取るという基本姿勢を忘れずにスタートを切った。マッチポイントを相手に取られても、デュースに持ち込み、耐えて耐えて勝利を掴んだ彼らはまた一歩成長できたはずだ。昨日の反省の生きた試合となり、秋季リーグ戦優勝に向けてまた一歩前進した。来週は天皇杯ブロックラウンド。また違った空気感の試合だが、その場の空気や相手に飲まれる事なく「全員で」戦ってほしい。
(記事 井口瞳、写真 上野沙織、指出華歩、山口愛結)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 |
25-12 |
0 | 国士舘大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) ミドルブロッカー 板垣慧(政経4=京都・洛南) ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大) オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
畑虎太郎(スポ4=福井工大福井) |
コメント
板垣慧(政経4=京都・洛南)
――試合を振り返って
個人としては、序盤はしっかりと要所要所で結果を決めるっていう部分はできたかなというところはありつつ、チャンスボールのところで1つミスを出したので、そこから凌吾(前田、スポ4=大阪・清風)のトスが無くなってしまったので、そこは大切な1点を取りに行くというところで、反省しなければいけないかなという風に思います。チームとしては、やっぱり昨日の負けがあって、そこから1日で自分たち4年生としても色々話しながら、もう1回4年生がしっかりと固まるっていう部分を大切にして臨んだ一戦だったので、3―0で序盤からいい出だしが取れたというところは良かったかなという風に思います。
――ラストイヤーの秋季リーグ戦ですが、ここまでを振り返って
序盤から怪我とかもあって今出させてもらってるので、ラストイヤーを楽しみつつ、チーム全員が総力戦で勝っていけるようなチームを作っていければいいかなという風に思ってるので、自分が出る出ないにかかわらず、しっかりチーム一丸となって勝っていきたいなという風に思います。
――待機している間も声を出されてましたが、昨日の試合を踏まえて意識していたことはありますか
昨日は準備というか、4年生がちょっとまとまれてなかったというか、色々あってまとまれてなかったというのがあったので、4年生が軸となって、しっかりリードしていくというところを意識しました。
――次戦への意気込み
2週間空いてリーグというところになって、次は東日本(インカレ)で負けた学芸大だということもあるので、この2週間でさらにパワーアップして、しっかりと跳ね飛ばせるように頑張っていきます。
佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
――試合を振り返って
チームとしては、昨日の対戦から少しチームの雰囲気も落ちていた部分はあったと思うのですが、試合中は皆ガツガツ向かっていって、劣勢の場面でもしっかりセット取りきれたのは、切り替えという部分と、相手関係なく自分たちの力を出して向かっていけたと思います。ただ、コーチからの指摘があったのですが、準備の段階でもっと体だけじゃなくて心の準備をしていかないと、相手のレベルが高くなっていくと、精神面で押し負けてしまう可能性もあるので、そこはもっと改善するべきかなと思いました。個人的には、昨日なかなか上手くいかず、結果的に負けてしまったのは自分でも悔しいところで、もう過ぎてしまったことはしょうがないという割り切りの部分と、何ができなかったのかっていうところで、昨日は1試合目だったので時間もあってしっかり振り返って、今日を迎えることができたというところは1個成長した部分かなと思います。個人的には良いサーブが何本も入ったので、それを今日だけではなく、今後ももっと継続していかなければいけないのかなというのと、ブロックやスパイクの部分で空中戦での判断は今の課題かなと感じました。
――佐藤選手の今日のプレーを見て、覚悟のようなものを感じました。ここまでの秋季リーグ戦を振り返って、成長したなという点があれば教えてください。
ここまでを振り返ってみると、相手に先マッチポイントをとられるというシーンが何セットかあったと思うのですが、相手にマッチポイント取られているからではなくて、自分たちの中でしっかりやることを明確にしてできたというのもそうですし、個人的にも、そこで精神的に後ろ向きにならずに前向きにどんどん向かっていくというところはできたのではないかと感じました。
――厳しい試合が続くことが多い中で、チームの中でどのような声かけを意識していましたか
チームの大まかな方向性とか、ゲーム内での士気というところは、4年生だったり、凌吾さん(前田、スポ4=大阪・清風)中心にしっかり声を出してくれてると思うので、そこを中心にやってくれている分、自分としては、対角に駿太(小野、スポ2=静岡・聖隷クリストファー)が入ってたり、琢磨(川野、スポ1=東京・駿台学園)が1年生でライトで頑張ってくれてるので、頑張ってる分、上手くいかなかった時に、後ろ向きになっているなというのは大体表情見ればわかるので、しっかり1人にさせずに声をかけるというところが自分の役割かなと感じます。
――天皇杯ブロックラウンドへの意気込みをお願いします
1日で2試合あるのですが、去年は人がいなくて2試合ずっと出ずっぱりでした。今年はメンバーもしっかりいるので、相手がどうこうとかではなくて、自分たちのやるべきこと、誰が出ても強い早稲田、誰が出ても変わらないバレーをして、早稲田のバレーをを体現していけたらいいのかなと思います。自分たちがシードで、相手がもう1試合やってという形式で全カレ(全日本インカレ)のリハーサルにはなると思います。そういうところも、気持ちを持ってやっていけたらいいかなと思います。