秋季関東大学リーグ戦 9月6日 東京・早稲田アリーナ
夏の鍛錬期を終え、各大学がしのぎを削る秋季リーグ戦が開幕した。第1戦の相手は駒大。序盤は緊張からかプレーが噛み合わずリードを許すが、1セット目終盤ではOH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)が覚醒し、危機を切り抜ける。2セット目以降は堅実に点数を重ね、セットカウント3ー0(27ー25、25ー13、25ー15)で勝利し、幸先の良いスタートを切った。
序盤から相手にブレイクを許し、8―12と苦しい試合展開となった1セット目。中盤は、徳留のサーブを起点に得点を奪い徐々に流れを引き寄せていく。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)が体制を崩しながらもライト側からレフト側へとロングトスを上げ、徳留が決め切るなど、前田のスーパープレーに救われる。MBローゼン・マーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)とOH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)が連続で相手スパイクをシャットし、同点に追いつく。しかし、駒大の強力なサーブからダイレクトアタックを決められるなど失点が増え、21―24ともう後がなくなる。追い込まれた早大は、徳留の機転の効いた攻撃でマッチポイントを取り返す。最後は佐藤が鋭いスパイクを決め、27―25でセットを先取した。
速攻を打つローゼン
続く2セット目は、序盤から徳留がサービスエースを含む強力なサーブで相手を乱し、10―5とダブルスコアに。その後も板垣慧(政経4=京都・洛南)の速攻、ローゼンのブロックなどで順調に点をとっていく。中盤には佐藤がサービスエースやフェイクセットを見せ、7連続ブレイクで相手を突き放した。終盤には途中出場の中上烈(スポ1=京都・洛南)のサーブで相手を崩しマッチポイントを奪うと、最後は川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)がダイレクトで冷静に決め、25―12で今セットを制した。
トスをあげる前田
勢いそのままに迎えた3セット目は、拮抗した試合展開に。ローゼンの速攻を中心に攻撃をはかるもリードを奪えず8ー8。ここでも徳留が2連続サービスエースを奪うなど活躍を見せ、14―8に点差を広げた。その後、OP畑虎太郎(スポ4=福井工大福井)がブロックを弾き飛ばすスパイクを決め、佐藤も本日2本目のサービスエースを決め、チームをさらに勢い付ける。終盤には4人一気に交代し、セッター瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)を中心に攻撃を組み立てる。最後は途中出場した伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)のサーブから瀬川が一枚ブロックで相手を止め25ー13で、ストレート勝利を果たした。
レシーブをする小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
序盤こそ崩れてしまったものの、選手を交代しながら全員で戦いきった。どのチームも夏合宿を経てチーム力を増している。東日本インカレでは苦杯を喫する結果となったが、「誰が出ても強い早稲田」を体現する試合だった。U21世界選手権という大きな舞台を経て戻ってきた小野、川野、中上の今大会での活躍にも注目したい。
(記事 上野沙織、写真 指出華歩、中井遥音)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 27-25 25-13 25-15 |
0 | 駒大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際) ミドルブロッカー 板垣慧(政経4=京都・洛南) ミドルブロッカー ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大) オポジット 畑虎太郎(スポ4=福井工大福井) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
伊東昌輝(スポ3=山梨・日本航空) |
コメント
佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
ーー今日の試合を振り返って
個人としては1セット目、少し自分の中での緊張と、開幕戦で少し硬さが見られたのかなと思っていて、でも1セット目終盤や2セット目以降は少しずつ自分の夏の合宿だったりとかこれまでやってきたことが少し出せたのかなと思います。チームとしても1セット目の入りで簡単なボールが少し落ちてしまう場面だったりとか、自分たちの攻撃や守備の面でうまくいかないこともあったのかなというところと、2セット目以降に関しては途中から出ている選手もしっかり活躍できて、誰が出ても強い早稲田というのを今後ももっと体現していかなければいけないなと思いました。
ーーサービスエースがありましたが
1セット目のエースについては半分ラッキーかなって思っているんですが、3セット目、人の間にしっかりサービスエースを取れたのは、夏合宿中にコース打ちをずっと練習してきたので、その成果が出たんじゃないかなという感じです。
ーー1セット目に前田選手(凌吾、スポ4=大阪・清風)にサーブを打つ前に声をかけられていましたが
緊張してるの?みたいな感じで言われました。ちょっとしますって答えたんですけど。声をかけてくれたので、自分もそこでちょっと和らいだかなって思います。
ーー明日への意気込みをお願いします
明日は専修大学さんが対戦相手で、今日も順天堂大学さんとも良い試合をしていたんですが、自分たちの力をしっかり発揮していけば結果につながると思うので、自分たちの力を発揮するというところで、そのプロセスを大事にして全部出し切れたらいいと思います。
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
――今日の試合を振り返って
今日の試合は、チームとしては初戦なので、アップの時からもかなり緊張していて、合宿中に自分が中心というか、U21(世界選手権)組がいなくてスタメン組がいなかったという中で、自分がチームにどう声がけするかっていうのをアップ中や試合が始まる前から考えていました。それができて、終盤も粘りのバレーができたので、チームとしては少し雰囲気悪かったんですけどそこが課題だなと感じました。個人としては1セット目終盤、悪い雰囲気になった時に、自分がスパイクを決めたり、3セット目に2本連続サービス取ったりという活躍ができたので、慢心することなく、これからの9試合をしっかり戦い抜きたいと思います。
――夏合宿からのポジション変更などされているようですが
夏合宿やSP!KEFESでの(OHからOPへの)ポジション変更はお試しみたいな感じだったんですけど、どのポジションもできるというのが当たり前になっていくと思います。自分のプレースタイル的にはどのポジションでもできるといういいところがあるので、夏合宿は苦手なことにどんどん挑戦していたので、自分がライトに入っても、他の人が出てもっていう、そういうイメージをしたという感じです。
※今試合はOHでの出場
――サーブの調子はいかがですか
サーブというよりは、体作りの方をしっかりとしていて、去年以上に自主トレとかをやっているので、そういったトレーニングがいいサーブというのに結びついたのではないかなという感じです。
――明日への意気込みをお願いします
今日は自分たち初めてのリーグ戦だったので緊張とかもあったんですけど、明日の専修大学戦では、今日できなかった1セット目の入りをもう少し全員で頑張っていきたいと思います。