東日本大学選手権大会/準々決勝 6月26日 東京・エスフォルタアリーナ八王子
東日本大学選手権大会(東日本インカレ)4回戦の相手は、昨年の同大会の準々決勝で惜敗した東京学芸大。1セット目は一進一退の攻防を繰り広げるも、終盤に相手の粘りが勝り、落としてしまう。2セット目は両チームとも相手にブレイクさせることを許さず、デュースにもつれ込む展開となったが、惜しくもセットを献上。3セット目は20点台に入ってから、早大らしい迫力のあるアタックが決まり獲得し、流れをそのままにセットを連取。5セット目は相手の守備により流れを掴み取ることができず、セットカウント2―3(23―25、29―31、25―21、25―17、12―15)で苦杯をなめる結果となった。
4年生がコートにいない中で始まった第1セット。序盤は3―7と追い込まれるも、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の2連続ブロック、セッター瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)のワンハンドトスからのMB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)のクイックが決まり1点ずつ着実に取り返した。しかし、相手のフェイントやブロックアウトに苦戦し、相手が先に20点台へ。終盤はOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)の足の長いアタックが決まってから勢いに乗り、5連続得点で22―21となる。相手守備に何度も拾われる苦しい展開に、焦りがつのり、セットを落とした。
(左から)ブロックをする前田と麻野
瀬川に代わり前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)がスタートで出場した第2セット。序盤は川野が自らレセプションし、ライトから強打のスパイクを決めた。さらに、麻野のセンターを切り抜くようなクイックや前田のブロック、ツーアタックが決まった。後半に差しかかると、相手のブロックに苦戦し、決め切ることができずデュースへもつれ込む。前田の逆サイドへのトスによる川野の強打やMB菅原啓(教3=山形南)のダイレクトなどチャンスを手繰り寄せるプレーもあったが、最後は守備が噛み合わず、このセットを落とした。勝負の第3セット。OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)のレフトからのクロス攻撃が決まり、流れは早大へ。相手はサービスエースをきっかけに1点ずつ点差を縮め、ついには同点に。中盤以降も点差を離すことはできなかったが、18―18の局面で長いラリーの中前田のブロックで流れを掴み始める。このプレーに続いて小野も苦しいラリーの中で決めきり、流れは完全に早大に向いた。終盤は途中出場の伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)のレシーブから川野のクロス攻撃、そして徳留が相手スパイクを見事にシャットアウト。最後は相手のミスによりセットを奪取した。
レシーブをする伊東
第4セットは小野の3枚ブロックの隙をついた強烈なスパイクから始まった。相手の強烈なサーブによって崩される場面もあったが麻野の際どいスパイクやフェイント、菅原のブロックポイントやクイック、さらに小野のサービスエースが決まると相手はすかさずタイムアウトを要求。タイムアウト後、相手サーブのネットインやレフトからの豪快なスパイクが決まる場面はあったものの、徳留のストレートや川野のブロックポイントが決まるなど着々と点を重ねた。最後は小野の時間差攻撃が決まり、セットを獲得した。勝負を決める最終セット序盤は両チーム、スーパーレシーブが炸裂し拮抗した展開に。粘りの激戦の末、相手のレフト攻撃やネットインが決まり、背中を捉えることができない。最後は相手のプッシュ攻撃が決まり、東京学芸大に敗戦した。
サーブを打つ佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
今回の敗北は早大にとって悔しさの反面、自分たちの脆さに気づくことができたいい機会となっただろう。日頃の練習の大切さというのを感じた東日本インカレになった(本間)と言う通り、この試合をきっかけに自分たちの課題を見つめ直すきっかけになったはずだ。今大会をもってシーズン前半は終了となり、体制を強化する夏へと突入する。秋季リーグ戦では「異常を極めた」姿で戦う姿を目に焼き付けたい。
(記事 加藤涼音、写真 町田知穂、山口愛結)
セットカウント | ||||
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早大 | 2 |
23-25 |
3 | 東京学芸大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) |
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途中出場 | ||||
前田凌吾(スポ4=大阪・清風) |
コメント
本間隆太コーチ(平26スポ卒=神奈川・弥栄)
ーー東日本インカレ全体を振り返って
春季リーグ戦が終わってから1週間オフを挟んでから再スタートして、そこから東日本インカレまでの期間は3年生主体の期間でした。3年生も頑張ってはいるのですがそこで4年生の大変さを知ったと思いますし、僕からするといい経験でもあると思いながら、もっと深みを出さないと今の1ヶ月弱の取り組みだと今大会は全く自信がない状態で臨みました。そんなに甘くないというのと、いい選手はたくさんいますが、それだけでは勝てないのがバレーボールの難しさでもあり、面白いところでもあるので、これをどう今の学生が消化するか、というのが今の課題かなと思います。
ーー今回の東京学芸大戦はどのようなお気持ちで臨まれましたか
大きくは意識してはいなかったのですが、ただ、この数週間は松井監督(泰二、平3人卒=千葉・八千代)が業務の関係で練習を見る時間が少なく、私が任される時間が多かったので、少し責任を感じながら帯同させてもらったのですが、先ほども言った通り、本当に自信がなかったので、あの練習じゃ優勝できないよねと思っていましたし、これで優勝できたとしても、あまり得られるものがないのではないかと思っていました。残念だなと思う気持ちと、日頃の練習の大切さというのを感じた東日本インカレになりました。
ーー選手の皆さんに伝えたいことはありますか
そもそも戦ってないと思うんです。先生に指摘されるのが怖かったり、相手に押されて気持ち的にビビってしまったり、そもそも男のスポーツなので、根性論じゃないですけど、相手と目と目を合わせてギラギラするくらいの気持ちじゃないと勝てないと思います。みんな良い子なので、優しいのは良いところなのですが、勝負になったら目の色を変えてやるくらいの自信を持てるくらい練習しなければいけないし、そこが根本的になかったのではないかと思います。
前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)
ーー東日本インカレ全体を振り返って、改善点も含めて教えてください
僕は教育実習で前々日、昨日の試合の前日にチームに帰ってきて、その間も4年生からもどんな感じか聞いていましたが、3年生主体期間で下級生の方向性が見えなかったというのが今日の試合に出てしまったかなと思います。練習からもっとやらないといけないし、このような試合展開になるということは去年と変わってないのかなと思います。(改善点としては)練習をもっとやらないといけないと感じます。練習量も増やさないといけないし、練習量よりも練習の質をあげないといけないなと感じました。
ーー教育実習から帰ってチームの雰囲気を見たときに感じたことは
何を目指してやっているかというところが僕もパッと入って見えなかったというのが本音だったので、もう少し僕が4年生でこの短期間で示しをつけることができればよかったんですけど、それができなかったのが4年生として反省があります。
ーー今日の試合を振り返って
スタートから(相手に)押されていてきつい試合になってたのですが、ベンチから見ていても苦しいなと思って、試合に出る準備はいつでもしていました。2セット目を取られて3セット目を取り返して、チーム的にもよかったのですが、最後ボロが出てしまったなと感じます。
ーー試合が進むごとにコートが静かになっていると感じたのですがチームの雰囲気は
僕も3、4セット目で雰囲気を持ち上げようとしたのですが、押されていたのできついなと思いながら、セット取ることができて上がっていくかなと思いましたが、接戦のときの雰囲気がよくなかったです。去年も今年も3、4年生がいない中でやって、皆もきつかったし見てる側も大変だなと感じたと思います。僕も去年感じてたので何かできたらいいかなと思いました。
ーー個人として東日本インカレと今日の試合を振り返って
教育実習に行っていて、皆には申し訳ないですが、この結果というのは仕方ないと思っています。後輩にどうやって声かけるかなど良い方に持っていくしかないと思います。4年生として3年生も苦しんでいると思うのですが、まだ足りてないと思うので3年生には厳しくいかないといけないし、僕らもまた4年生でチーム作るという上で4冠はもうなくなったのですが、去年は秋季リーグ戦で全勝優勝して、全カレ(全日本大学バレーボール男女選手権大会)では3位なのでだったので次全カレのタイトルを取れるように頑張ります。
伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)
ーー試合を振り返って
チームとしてうまくいかなかったことは、春リーグが終わってからの練習不足、準備不足がすべてプレーに出てしまったということです。
ーー春季リーグ戦後の3年生主体期間を終えていかがですか
自分たち3年生がもっとチームのために考えられていればということを今本当に感じていて、自分を含めてチームに対する思いが薄かったと思います。本当に4年生には助けられてばかりだということを実感しました。
ーー東日本インカレ全体を振り返って
もちろん良いプレーも出ましたが、その中で改善するべき点が、春リーグを終えてからの練習でずっと意識してきたことだったので、それが発揮できなかったという現状です。チームの主体となった3年生が、春リーグが終わってからの1ヶ月間を無駄にしてしまったと感じます。
ーー3セット目から劣勢の場面で出場する場面がありましたが、どのような気持ちでしたか
自分がコートに入る時は劣勢な場面とか、流れを変えることが必要な場面であることはわかっていて昨日もそういう場面がありました。自分のマインドとしては、どうしてもこのセットを取らなければいけないという「結果」にこだわってしまい、チームメイトに声をかけてあげたりとかだったり、もう少し内容1つ1つを考える必要がありました。ただ、流れを変えよう、このセットを取りに行こうということだけを考えることしかできなくて、自分でいっぱいいっぱいになってしまいました。
ーー後半戦に向けて改善したい点は
昨年も同じ形でこの東日本インカレで負けてしまい、そこから夏合宿、秋合宿と頑張ってきたのですが、それ以上のことをやらないと全日本インカレでは結果がついてこないので、自分に厳しく取り組みたいです。まずは4年生を勝たせるために、3年生がもっと期待的な行動を心がけて、チームを巻き込むようなプレーだったり、行動を改めたりして後半戦は気持ちを切り替えて向かっていきたいと思います。