大一番の明大戦 白星を挙げ春季リーグ戦優勝を飾った!

男子バレーボール

5月24日 春季関東大学リーグ戦 神奈川・日体大健志台キャンパス

 ついに迎えた春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)最終日。対戦相手は勝敗数が9勝1敗と同率の明大で、得失セット差を含めた順位は1位早大、2位順大、3位明大と今試合が順位に関わる重要なカードだ。相手の速攻やサイドからの攻撃に苦しむ場面もあったが、OP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)の高さを生かしたスパイクやOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)、OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)の打破力が決め手となり、セットカウント3ー1(26ー24、25ー22、22ー25、25ー20)で見事勝利し、春季リーグ戦優勝を飾った。

 緊張の1セット目は小野の2枚ブロックを突き破るスパイクで先制する。しかし相手も取ったら取り返すという気概のもと中盤まで点差がつかない。15ー13とリードしている場面でミスが続くと、その綻びをつかれたかのように相手のライトスパイクが決まる。だが、相手の攻撃に動じることなく川野のスパイク、MB菅原啓(スポ3=山形南)の速攻、徳留の粘り強いスパイクで応戦した。後半も点差がつかないまま試合が運んでいったが、23ー23と同点の状況で先にセットポイントを取ったのは明大だった。デュース戦に突入するも、流れを譲ることなく川野が強烈なライトスパイクで2連続得点をあげる。最後は徳留が相手の3枚ブロックにも冷静に対処してブロックアウトを取り、26ー24でセットを先取した。

トスをあげるセッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)

 続く2セット目は川野のシャットが決まり再び先制。その後も川野の攻撃を中心に得点する。ブロックアウトを取られたり、相手の速攻が決まる場面もあったが、取られたボールにとらわれることなく自分たちの決め切れるところを確実に仕留めていく。また、11ー10の場面では徳留が必死に拾ったボールを川野がフォローし得点につなげた。中盤には互いに緊迫した状況からか、サーブミスの応酬が続く。そうした展開の中でも小野が圧倒的なパワーでパイプやコート奥を狙った足の長いスパイクを決め、ペースを崩すことなく4点差をつけて20点台に突入。徳留が3枚ブロックにシャットされるがその直後には川野が秀逸なブロックアウトを獲得して逆襲を謀る。最後は相手のミスが続きセットを獲得。

 追い込まれた明大の反撃が始まった3セット目。相手にブロックアウトを取られて先制を許したが、中盤まで接戦を繰り広げる。乱れたところからでも高く踏み込みブロックアウトを取っていく小野のプレーに観客も思わず感嘆の声をあげる。中盤には相手リベロも取れない高い打点からの川野のスパイク、小野のサービスエースでブレイクし18ー18となる。その後も同点のまま20点台に入るが相手のサービスエースが決まり、流れを切れずにセットを奪われた。

アンダーパスでトスをあげるリベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)

 ここは取り切りたい4セット目。序盤から小野のサービスエースを含む4連続得点で一気に早大の流れを獲得し、相手セッターもプレッシャーを感じたのかトスが乱れ始め、7ー3の場面では明大がタイムアウトを要求する。それでも流れは変わらずMB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)のシャットが決まり、追い討ちをかけて早大優位のまま中盤へ。小野が今まで止めることができなかった相手のブロード攻撃を見事にシャットすると、直後にスパイクを決め19ー13となり明大が再びタイムアウトを取る。呼吸を整えた明大は早大の傾向を掴みブロック得点を重ねるが、小野は乱されることなく痛烈なパイプ攻撃を仕掛けリードを保ったままセットを奪取し、明大に勝利した。

ブロックをする菅原

 約1ヶ月半と長期間に及ぶ春季リーグ戦が閉幕した。終盤では黒鷲旗全日本選抜大会(黒鷲旗)も開催され、平日に4日間連続で試合をした週末にも試合がある非常にタイトで苦しい中での戦いだった。選手たちの表情にも試合を経るごとに疲労が見られ、時には雰囲気が悪くなる試合もあった。試合ごとにそれぞれ選手のコンディションが整わない場面もあったが、プレーでお互いを補うように全員で戦い切った。今リーグ戦では松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)も「現時点での課題は達成できていた」と語るように、目に見えた成果が確認できた。6月には早慶戦、東日本インカレと大会が続いていく。このままの調子で成長していく彼らの姿を目に焼き付けたい。

 

(記事 井口瞳、写真 井口そら、町田知穂)

セットカウント
早大 26-24
25-22
22-25
25-20
明大
スタメン
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
板垣慧(政経4=京都・洛南)
ローゼンマーク有廉ジュニア(スポ2=茨城・土浦日大)
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
個人賞
優勝監督賞 松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)
最優秀選手賞 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
セッター賞 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
レシーブ賞 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)

集合写真

コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

ーー優勝が決まった今のお気持ちは

 ほっとしているというか、黒鷲旗も含め長い期間学生たちも頑張っていたので、大きなけがが無ければいいなというのが本音でした。なおかつ自分たちの今の時点での課題もだいぶ達成できたのではないかなと思うので、そういう意味ではよく頑張ったなと感じております。

ーー今日の試合を振り返って

 それぞれの個性が良く出ていたと思いますし、前田(凌吾、スポ4=大阪・清風)がキャプテンとして冷静にトスを上げていたと思います。1年生の川野(琢磨、スポ1=東京・駿台学園)もトスが上がった時には落ち着いてプレーできていましたし、徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)にしてもダイナミックなプレーが見られたということも含め、チーム全体として良いところが出た試合だったなと思います。

ーー3セット目取られてしまった後、選手たちにどのような声掛けをされていましたか

 3-0というのは相当な力の差がないと難しいと思うので、なかなかならないものですからね。「全部出すことをもう1回やろう」と話しましたので、そういう意味だと落ち着いて次のセットに入れたのではないかと思います。

ーー4セット目中盤には前田選手と笑顔で会話されていたと思いますが

 トス回しいいよという話と、落ち着いてやっていこうねという話をしました。

ーー春季リーグ戦を通して課題や収穫を教えてください

 課題としては、基礎基本の部分でもう少ししっかりとできなければいけないことがある点です。良かった部分は個人個人が自分たちの良さをわかってきて、自分の特徴、いいところを伸ばすというのができているところです。できているところはもっと伸ばすし、課題は修正するというところが分かった大会であったなと思います。

ーー東日本インカレに向けてチームの強化していきたい部分はありますか

 これからは3年生中心にチームを作っていくので、そういう意味だと3年生のリーダーシップ、4年生は大変なんだということも含めて学年を一つ上げたかたちで取り組んでいくので、違った立場、精神的な状態で取り組むことがスキルやメンタルの向上につながると思います。そこに期待したいと思います。

ーー学年を一つ上げる取り組みというのは毎年行われているのでしょうか

 昨年は前田がキャプテンだったのでなかなかできなかったのですが、教育実習に4年生が行くタイミングで3年生がリーダーシップを取るというのが2、3週間ほどあります。

 

前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)

ーー優勝が決まった今のお気持ちは

 長い期間のリーグ戦で、リーグ戦の中に黒鷲旗もあり、しんどかったですが、下級生が多い中全員が頑張ったというのが良かったかなと思います。

ーーセッター賞、最優秀選手賞を取られたお気持ちは

 チーム全員が頑張った結果自分になっただけで。本当に先週はしんどかったですが、今日は少しは先週より良いプレーができたというのが一番うれしかったです。

ーー試合を振り返って

 1セット目が一番のキーだと思います。1セット目を逆転で取れたというのが良かったです。個人としては最後までやり切れなかったところがあるので、もっとこれから頑張ろうと思います。

ーー3セット目から4セット目への切り替えで何か意識した点はありますか 

 4セット目は序盤、点差を離したのが良かったと思います。徳留も当たり始めていて、自分が一番得意な攻撃だったので、通れば自分的に余裕もできるのでありがとうという感じでした。

ーー春季リーグ戦を通して課題や収穫はありましたか 

 下級生も多い中4年生が自分1人でやるというところで、(下級生に)頼りながらやりつつ、もっと自分がやらないときついと思います。最後積山さん(積山和明氏、全日本大学バレーボール連盟理事長)も言っていたように、最後は(他大学は)早稲田に対して向かってくると思うので、詰めてやっていきたいです。

ーー東日本インカレへの意気込み

 一回休んで期間が空くのですが、もう一回り大きくなったチームになるために練習から徹底して頑張ってやっていきたいと思います。

 

横山颯大副将(教4=東京・早実)

ーーチームが春リーグを通して変わったところは

 一番良かったところは、去年は黒鷲旗の後にチームが乱れてしまったのですが、今年は黒鷲旗の次の週はいいかたちで試合ができて、その次の週は少し失敗してしまいましたが、今週でまた立て直せたところです。下級生が頑張ってくれたなと思います。

ーー反対に課題は

 私生活で言うと体調不良者が結構出てしまって、そこは意識の問題でもあるので4年生としてリーグ中はみんなが緊張感を持って挑むという組織作りが必要だと感じました。具体的なスキルで言うとたくさん反省点はありますが、試合で点差が開いた時に気持ちが緩むわけではないですが、追いつかれてしまったりするので、それは東日本以降はないようにしたいです。

ーー今日の試合を振り返って

 今年に入ってサイドアウトを頑張ろうと言っていて、サイドアウトに関しては自分たちが目標としている数値をほとんどの試合で達成できました。例年は少し足りないことが多かったので、そこは良かったと思います。

ーー東日本インカレへの目標

 東日本は去年は悔しい結果に終わってしまったので、春リーグ優勝という結果に慢心することなく全員で取り組んでいきたいです。

 

川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園) 

ーー試合を振り返って 

 今日勝てばほぼ優勝が決定する中で明治大学さんとの対戦で、序盤から自分たちのバレーが展開できて競る試合だったのですが、最後勝ち抜くことができたので本当に良かったと思います。 

ーー1セット目終盤、ボールを連続で託される場面がありましたが心境はいかがでしたか 

 自分的にも結構スパイクの調子も良かったので、凌吾さん(前田凌吾、スポ4=大阪・清風)が苦しい場面で自分に託してくれたことは本当にうれしいですし、決めることができて良かったと思います。 

ーー3セット目から4セット目への切り替えで何か意識した点はありますか 

 3セット目終盤で雰囲気的にも落ちてしまった場面があったので、4セット目はそれを引きずらないでもっといい雰囲気で向かっていこうとしました。 

ーー春季リーグ戦を通して課題や収穫はありましたか 

 初めての大学でのリーグで、自分は2週目くらいから試合に出ていたのですが、最初の方よりも後半戦の方がトスとも合ってきて、決定率という部分では上がっていったので、そこが良かったかなと思います。逆に課題は、自分はディフェンス面でブロックはリードブロックなのですが、我慢し切れずにコミットで飛んでしまう場面があったり、ディグでも緩いボールを落としてしまったり、自分のやるべきことができていなかったので、そういったディフェンス面を直していきたいと思います。 

ーー東日本インカレへの意気込み 

 春リーグで優勝することができて、次の東日本インカレでは一戦一戦が大事になってくるので、全て勝ち切れるように頑張りたいと思います。