5月17日 春季関東大学リーグ戦 神奈川・日体大健志台キャンパス
春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)第9戦は4月に開催されたプレシーズンマッチで敗北した中大。その際も拮抗(きっこう)した試合を繰り広げたが、今試合はいかに。1セット目では30点台までデュースがもつれるも取り切ることができず、2セット目も献上し、後がない早大は3セット目のデュースを奪取。そのまま4セット目を獲得するも最後は相手の攻撃を捉えきれず、セットカウント2ー3(33ー35、23ー25、29ー27、25ー22、11ー15)で黒鷲旗を含む今シーズン公式戦では初の黒星がついた。
1セット目は相手の強烈なライトスパイクが決まり、先制される。序盤から春季リーグ戦初スタメンとなったMB大谷陸(スポ3=埼玉・川越東)の速攻、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のパイプ、スパイクが決まるも、相手の速攻が止められず接戦が続く。声掛け不足のお見合いもあり、雰囲気が良くない場面も。しかし、相手のサーブミスを端緒にMB菅原啓(教3=山形南)の速攻などでブレイクを重ね12ー9と一歩リードする。点差を保ったままそのまま終盤に突入し、このまま取り切るかと思った矢先、守備の綻びをつかれ3連続失点で22ー21となり、すかさずタイムアウトを要求。その後自分たちのミスや相手の守備の隙をつくスパイクによってデュースに持ち込まれた。小野のパイプやOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)の足の長いスパイクなど要所で良いプレーが出るものの、両者ブレイクできずついには大台の30点台に。最後は相手のレフトスパイクが決まり33ー35でセットを献上した。
切り替えたい2セット目。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)に代わって瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)が投入された。瀬川と大谷の息のあった速攻、OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)のスパイクで連続得点し、4ー4と同点に。相手の緩急のある攻撃を拾い切ることができず、1セット目同様シーソーゲームが続く。相手の強烈なサーブが起点となり、後半で17−20とリードを許す。小野が何度も相手ブロックに打ち込む粘り強いプレーで20−21と背中を捉えた早大だったが、肝心なところでのミスにつけ込まれセットを落とす。
速攻を打つ大谷
崖っぷちの3セット目序盤、相手の力強い攻撃が早大を苦しめる。ブロックアウトを何度も取られ、気が付けば6ー12と6点差にまで相手リードが広がり追い込まれる。川野の2枚ブロックの上から打ち込むスパイクや佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)、菅原、川野の3枚ブロックを中心に点数をもぎ取るが、状況は変わらず後半へ。16ー21の場面では佐藤のパイプから相手のミスもあり、4連続得点で窮地を切り抜ける。川野のスパイクでブレイクし23−23と同点に持ち込むと、またもデュースに。今度のデュースは小野、川野のスパイクでブレイクを獲得し、29−27で早大が制した。
ここを取れば勝利が見えてくる4セット目は菅原の速攻、ブロックで先制。速攻が決まり始め、早大の型にはまってくる。相手の速攻も拾える場面が増え、攻撃のリズムを掴み始めたが、相手オポジットを止めることができない。だが、点差がつかない中でも攻撃の糸口を見つけ、小野がノーブロックでパイプを決めると観客も思わず歓声を上げる。終盤には徳留がフライングでサーブレシーブしたボールを前田がワンハンドで上げ、菅原がプッシュを決める秀逸なプレーで20ー17とリードを保つ。早大のマッチポイントの場面でも相手は攻撃の手を緩めず、サービスエースを含むブレイクで粘るも、最後は小野が2枚ブロックを前に臆することなく打ち切り、獲得した。
レシーブをする布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
運命の最終セットは徳留、菅原、川野の3枚ブロックでの得点や小野のサービスエースなど良いプレーもあったが、相手の攻撃が早大の守備の隙をつき攻撃すらできない。しまいにはスパイクが相手ブロックに捕まり流れは完全に中大へ。菅原の速攻でもう一踏ん張りしたいところだったが相手スパイクが決まり敗北した。
左から徳留、菅原、川野の3枚ブロック
相手の流れを切ることができなかった中大戦。攻守が噛み合わず苦しい場面が続いたが、3セット目では「このまま負けるまい」という意地も垣間見えた。相手リードの展開でも勝ち切ることができていた今までの試合とは違い、早大らしい攻撃を展開できる場面が少なかった。残り2戦となった明日は東海大との対戦。気負いすぎないことも大切だが、集中力高く戦いきってほしい。
(記事 井口瞳、写真 井口そら、山口愛結)
セットカウント | ||||
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早大 | 2 | 33-35 23-25 29-27 25-22 11-15 |
3 | 中大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際) ミドルブロッカー 大谷陸(スポ3=埼玉・川越東) ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南) オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園) 板垣慧(政経4=京都・洛南) 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) 瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北) |
コメント
大谷陸(スポ3=埼玉・川越東)
――試合を振り返って
中盤のサーブミスもですが、競った時に緩いボールを処理し切れず、相手の点数になってしまったので、そのようなボールで1セット目は取られたと思います。正直1セット目を取られた原因は、自分のクイックミスだと思います。クイックをアウトにしてしまってから流れを持っていかれたと感じているので、明日改善しなければいけないと思います。
――春季リーグ戦初スタメンはいかがでしたか
黒鷲旗でスタメンで出場した時は緊張してしまい、最初は思うように動けなかったのですが、今日は緊張というよりかは落ち着かないという感じでした。いつもしないようなクイックミスなどをしてしまったので、経験不足ですし、まだ同期の堅斗(麻野堅斗、スポ3=京都・東山)や啓(菅原啓、教3=山形南)という同じポジションの試合に出ている2人と比べたら劣るのかなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
今日負けてしまったことは取り返しはつかないので、明日の東海大戦で自分が出るかはわからないですが、自分のやれること、ブロックもスパイクも今までやってきたことをやれればと思います。
布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
――試合を振り返って
入りがすごく悪かったです。1、2セット目は一気にいかれてしまって、勝負所で自分たちが点数を取れないというのと、相手がサーブをしっかり打ち込んできているのに対して、自分たちはサーブを打ち込まずに相手の有利な状況で試合を進めてしまった点が1、2セット目で出た課題です。3、4セット目はサーブを打とうということをやったのですが、3セット目も入りは悪かったです。そこからでもサーブをしっかり打って、相手に有利な状況で打たせないというところからの守備が3、4セット目は修正できたのかなと思うのですが、5セット目になって、相手の打ち込まれたスパイクに対してミスを出してしまったことが負けた原因だったと思います。
――ブロックと守備の関係はいかがでしたか
自分の方はひとつコースを開けて守備に入れば良かったのかなというのが出た課題で、それをもっと徹底してやれば良かったのかなと思います。ブロックの完成が遅くて相手に出されていることもあったので、そこは指示を出せば良かったのかなと思います。
――サーブレシーブに関して
サーブレシーブはそんなに悪くなかったと思うのですが、4セット目の最後と5セット目で1本ライン際に取られたのがいらなかったミスかなと思います。キャッチは全体を通してそんなに悪くないのですが、要所での自分のミスがいらなかったと思います。
――3セット目序盤大差をつけられてそこから逆転に成功しましたが、どのような要因がありましたか
追い上げようとはしていたのですが、自分たちの実力というよりは相手のミスが多くて追い上げることができました。初手からあのようなゲームをしていたらセットを絶対に落としてしまうので、相手のミスに救われて取れたセットかなと思います。
――修正していきたい点はありますか
サーブを攻めるということと、ブロックが悪かったと思うので、ブロックと後ろのレシーブの関係をもう一度しっかり揃えて、相手がどこからどのように攻めてきているのかを分かった上で、こちらがどうディフェンスしていくかということを明日しっかり整えていこうと思います。
――明日への意気込み
今日は負けてしまったのですが、気持ちを切り替えて明日いい状態でしっかり勝てるように準備していきたいと思います。