春季関東大学リーグ戦 4月27日 神奈川・東海大学湘南キャンパス
春季関東大学リーグ戦(春季リーグ)第6戦、春季リーグ前半を全勝で終えたい早大の対戦相手は、昨年の全日本インカレ王者の専大。第1セット、相手のブロックに苦しみながらも最後はMB板垣慧(政経4=京都・洛南)のブロックポイントで接戦を制すると、第2セットは勢いに乗り大差をつけて獲得。第3セットは主導権の握り合いとなったまま終盤までもつれ込むが、一瞬の隙を逃さず早大が攻めの姿勢を見せ、セットカウント3―0(25―23、25―16、27―25)で勝利した。
第1セット、早大はMB菅原啓(教3=山形南)のクイックとブロックの連続得点でスタート。リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)の二段トスをOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)が決め得点し、さらに菅原のクイックとブロックによる連続得点や、セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)がコートサイドの机を乗り越えてまで懸命につなぎ、相手コートに返したボールをMB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)がブロックで仕留めるなど随所に良いプレーが出るも、一進一退の展開のまま中盤まで試合は進む。14―13となった場面で麻野がクイック、そしてサービスエースで得点すると、勢いに乗り4連続得点と大きく前に出る。このままセットを決めたい早大。しかし終盤に相手の攻めたサーブの影響もあり4本の被ブロックが発生し22―22と追いつかれてしまう。デュースまでもつれ込むかと思われた中、24―23の場面でワンポイントブロッカーとして起用された板垣が相手のスパイクを跳ね返し得点。起用に最高のかたちで応え1セット目を25―23で獲得した。
相手スパイクをブロックする菅原、板垣
第2セット、勢いに乗った早大は菅原のブロックやOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)のバックアタック、川野のサーブで字手が崩れたところに麻野がダイレクトを決めるなど序盤から連続で得点し9―4と差をつける。中盤に差し掛かると、麻野、菅原のサービスエースや、川野が拾い小野が上げた後ろからの難しいニ段トスをOH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)が決め切るなど勢いは止まらない。小野がリバウンドを取りもう一度打って決める攻撃力や、布台のディグでの守備力が光る。また、徳留がツーでバックアタックを打つと見せかけてサイドへトスを上げるなど印象的なプレーも飛び出した。リードを広げた最終盤ではセッター瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)やOH中上烈(スポ1=京都・洛南)が投入され、最後は相手のバックアタックをブロックで止め25―16と大差で第2セットを取った。
ブロックで押し合いを制した前田
第3セットは相手主導でスタート。徳留のプッシュや佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)が交代で出場した直後にニ段トスを打ち切るなど巻き返し、拮抗(きっこう)した展開が続く。相手に連続得点が発生し前に出られかけたところを前田がブロックシャットで抑えると、ラリーの場面では粘って菅原がブロックで止めるなど食らいつく。相手のサービスエースやブロックで一時リードを許すが、川野のライン上のノータッチエースや、小野のスパイクで再び競った展開へ戻す。川野のブロックアウトや、菅原が片手でつないだボールを佐藤が内から外へ開きながら打ち切り21―20と遂に前に出る。試合終盤、デュースに突入し24―25の劣勢の場面で菅原のスパイクで得点。ここで相手選手の抗議に対しイエローカードが出され、間が空き、流れが止まる。この隙を前田が見逃さず次のサーブでエースを決めると、続けて最後は菅原、川野の2枚ブロックで27―25でセットを取り切り、セットカウント3―0のストレート勝利となった。
サーブを打つ麻野
押された雰囲気の中でも焦らず、確実にチャンスをつかむことで勝利につなげた今試合。難しい展開になることの多かった今週の試合を乗り越え、これで春季リーグ前半を全勝で終えた。今試合を持って春季リーグは一度間が空き、次戦は黒鷲旗全日本選抜大会となる。リーグ戦と異なるカテゴリーの対戦相手になるが、その中でも早大らしさを出すこと、そして春季リーグ後半につながる収穫を得る有意義な大会としてほしい。
(記事 井口そら 写真 井口瞳、指出華歩)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-23 25-16 27-25 |
0 | 専大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際) ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山) ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南) オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園) |
コメント
前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)
――試合を振り返って
昨日も今日もしんどい試合になったのですが、まだ自分たちのできることができていないということが今週の試合であったので、そこはまた次回できるようにやっていきたいと思います。
――机の上まで追いかけてつないだシーンがありましたが、ボールを追う意識に関して
そういう姿勢がチームに対していい影響を与えられると思うので、最後までボールを追うということは練習の中でも意識して、チームとしてもどんどんやっていきたいなと思います。
――試合終盤、間が空いた状況でサービスエースを取りましたがどのようなことを考えていましたか
攻める必要があるし、雰囲気も押されていたので、ブロックは悪くなかったので、自分が何かしら崩して前で止めれたら名と思っていました。1本目は相手のミスで、2本目はしっかりブロックで止めるというシーンになったので、攻めた結果だったかなと思います。
――被ブロックが増えたシーンもありましたが、トスワークではどのようなことを考えていましたか
もう少しライトを使えたらいいかなというところはあって、川野(琢磨、スポ1=東京・駿台)とはまだ2週間くらいしか合わせられていないので、そこをしっかりと合わせて、9メートルでバレーができるようになれば被ブロックも減るし、打ち方もいい打ち方をすればもっと今後良くなると思うので、そこをしっかり練習で詰めていきたいと思います。
――黒鷲旗、春リーグ後半戦に向けて
ここから疲労の溜まるしんどいスケジュールになるのですが、日々の練習から雰囲気良くやっていく必要があると思うので、1日1日をしっかり集中してやっていきたいと思います。
麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ーー試合を振り返って
今日は雰囲気的にもコートの中に入っていて良くは感じなかったです。点数を取りたい場面で取れなかったことが最後競った原因だと思うので、改善していけたらと思います。
ーーサーブで相手を崩す場面が見られました
フローターサーブは、自分と凌吾さん(前田凌吾、スポ4=大阪・清風)だけなのですが、なるべくミスをしないことを目標にしてやっていて、結果として相手を崩せたのは良かったと思います。
ーー1、2セット目はブロックから流れを作る場面が多かったと思います。ブロックはいかがでしたか
今回のリーグ戦において、ブロックはいい出来になっていて、今日の試合では自分よりは啓(菅原啓、教3=山形南)や他の選手がよく決めていたなという印象でした。チームとしてブロックが良くなっているのはいいことなので、更にこれからの試合においてもいい形にしていければなと思います。
――クイックはいかがでしたか
合わない場面もありますが、徐々に合わせていくしかないなと思うので、練習からもっと精度を上げていけたらいいなと思います。
――黒鷲旗とリーグ戦後半に向けて
黒鷲はこのリーグ戦がある中開催されるので結構ハードなスケジュールになっていると感じます。今回は、SVリーグのチームがいないので勝ち切らないといけないなと思います。しっかり勝ち切ってリーグ戦後半戦に弾みをつけていきたいと思います。