相手エースに臆することなく下級生が躍動!全員バレーで勝利を掴み取る 

男子バレーボール

春季関東リーグ戦 4月26日 神奈川・東海大学湘南キャンパス

 春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)は早くも3週目を迎え、現在リーグ戦トップを走る早大は筑波大と対戦した。2025年度バレーボール男子日本代表登録メンバーにMB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)やOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)が名を連ねる中、相手もまたメンバーの一人である牧大晃(筑波大)を擁する。立ち上がりこそ上手くいかなかったものの、川野の得点を筆頭に全員で攻撃を展開する。1セット目は惜しくも相手に献上するも、そのまま3連続でセットを獲得。リーグ戦5連勝目、そしてリーグ戦トップを守り切った。

 第1セットはOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の得点から始まる。そのまま連続得点を重ねたいところだったが、牧の前後に揺さぶるスパイクに苦しめられなかなかペースを掴めない。途中、MB菅原啓(教3=山形南)と麻野の速攻が連続で決まり8-7と1点リードするも、相手も負けじとセンター攻撃を展開する。一進一退の攻防がセット終盤まで続くが、先に20点台に乗ったのは早大だった。川野のスパイクを皮切りに一気にセットを先取したいところだったが、試合はもつれデュースまで流れ込む。惜しくも最後は相手にスパイクを決められ、1セット目を落とす。

喜ぶ部員たち

 ここから立て直しを図り、確実に2セット目を取りたい早大は、試合序盤からOH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)にボールを集める。徳留が期待に応えるように攻撃を展開し7-4と一気に3点差。セット中盤では麻野のクイックやブロック、徳留のレフトスパイクが3連続得点となり、18-10と大差をつける。終盤も早大ペースのまま、最後は小野がバックアタックを決めた。攻撃陣の躍動もあり、25ー15と大きくリードしてこのセットを獲得した。

 続く第3セットは相手の速攻から始まり、やや悪い流れがチームに漂う。それでも菅原が相手の速攻をブロックし、すぐに場を立て直したことで、その後も勢いを離さない。徳留がクロス方向のスパイクを鋭角に打ち込み、7-3とリードを広げる。徐々に相手がディフェンスの連携を取れなくなっている反面、リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)が本領を発揮。ワンタッチされたボールを見逃すことなく、確実に次の攻撃に繋げる。安定感のあるプレーがコート内で繰り広げられ、一時は16-8まで点差を広げる。それでも相手も幅のある攻撃で早大ブロックを翻弄。後半、20-19と1点差まで詰め寄られるが、ここで早大は全員バレーを展開する。ブロックされたスパイクを布台が必死に拾い、そのボールを託された徳留がクロス方向のスパイクを決める。この得点でマッチポイントに乗ると、最後は2セット目同様、小野のスパイクでセットを取り切った。

フライングレシーブをする前田

 ここで勝負を決めたい第4セットだったが、前半は相手の多彩な攻撃についていけない場面が度々見られる。それでも慌てることなく、徳留が完璧なコース取りで点を重ね、8-7とリードを握る。同点に追いつかれても、川野や小野がナイススパイクを連発。悪い流れを断ち切ったかのように思われた。しかし、相手もブロックの間を抜くようなスパイクで点差を重ねる。ここで試合の流れを大きく変えたのは麻野のブロックだった。一度スパイクを止められたことで相手は攻撃が絞られ、思うようなプレーをすることができない。早大はその隙を見逃さず、先に20点に乗せる。セット終盤、徳留のサービスエースが飛び出しマッチポイントとなると、最後もまた小野がレフトスパイクを決める。2セット目から3連続でセットを取り返し、セットカウント3-1でリーグ戦5連勝目を飾った。

 リーグ戦も折り返し地点となった5戦目。立ち上がりの雰囲気はとても良いものとは言えるものでは無かったが、その中でも幅のある攻撃を展開する筑波大に勝ち切れたことは今試合の収穫とも言えるだろう。残り6戦となったが、相手がどのチームであろうと早大の持つ力を発揮して着実な勝利を目指して欲しい。

(記事 高津文音 写真 芦刈れい、井口瞳)

セットカウント
早大

26-28
25-15
25-22
25-18

筑波大
スタメン
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場

梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)

コメント

徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)

ーー試合を振り返って

 前日の練習の雰囲気があまり良くなかったのですが、そのまま筑波戦を迎えてしまったのでその日ごとにいいパフォーマンスをできるようにすることが大切だと思いました。1セット目は雰囲気が良くなくて、2、4セット目はつないでつないで、早稲田らしいバレーをできたと思います。余裕を持った中で自分らしいプレーが2、3、4セット目で出せたのかなとは思います。

ーー帳票(個人成績がランキング形式で公開されるもの)が公開されていると思うのですが気にされていますか

 成績を意識するとうまくいかなくなってしまうので、見ないようにはしています。去年の秋季リーグは最初だったので見ることもありました。今年に入って後輩もできて、難しい立場になってきたので自分のことよりもチームのことというのを考えて基本的に個人の成績は意識しないようにしています。苦しい入りの時にまくれる力がまだないので春季リーグ前半は終わってしまいましたが、後半から全カレ(全日本インカレ)までにうまくできるといいなと思います。

ーー次戦への意気込み

 今回は疲労が溜まる試合だったので明日しっかりとリフレッシュして良い試合の後に良い試合を続けるのは難しいと思うので今日以上に自分らしいプレー、早稲田らしいプレーを心がけたいと思います。