春季関東大学リーグ戦 4月12日 小田原アリーナ
春季関東リーグ戦初戦の相手は、2024年度東日本インカレで、まさかの敗北を喫した東京学芸大。パワープレーで攻めてくる相手に押される場面もあったが、セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)の的確な采配で難を逃れた早大は1セット目を先取する。2セット目、前田の2連続ブロックポイントで相手に行きかけた流れを止め、そのままセットを取り切った。3セット目はMB菅原啓(教3=山形南)にボールが集まり、速攻を駆使して相手を効果的に崩し、セットカウント3ー0(25ー23、25ー23、25ー22)で勝ち星をあげた。
第1セット序盤は、OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)のAパスから前田のトス、そして菅原のAクイックと完璧なコンビバレーを展開し、3連続得点で5ー3に。相手も早大のパワーに負けじと果敢に攻め、中盤から取っては取られの接戦に持ち込まれる。16ー16の場面では、前田がサーブカットで乱れたボールを難なくトスし、MB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)に速攻を打たせると大きくガッツポーズ。一つ一つの行動からチームを活気づける。17ー19と追いかける場面では、徳留のパイプで2連続得点。その後もOH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)がワンタッチを誘う繊細なプレーで20ー19と巻き返す。その後、相手に3連続得点されるが、動じることなくネット際のボールも冷静に判断し、最後は徳留のレフトスパイクでセットを先取した。
チームを勢いづけた麻野の速攻
流れを変えたくない第2セット。5ー5の場面で、徳留がレフトから真下に打ち込むスパイク、その後もサービスエースを取り、勢いに拍車をかけたが、相手も応戦する。守備を崩し、攻撃に持ち込ませない相手のパワーサーブによって11ー11と同点に持ち込まれる。点差が開かないまま試合は中盤に突入。しかし、小野が相手ブロックの上を通る打点の高いスパイクを連続で決めると、前田もブロックで連続得点し、18ー16に。焦りを感じたのか、相手がタイムアウトを取るも、そのままリードを保ち2セット目も獲得した。
大きくガッツポーズする徳留
第3セットは序盤から相手のミスが連発し、5ー2になったところで相手がすかさずタイムアウトを取る。タイムアウト明けもペースを変えることなく試合が進むが、ミスが重なり、11ー12と追い越される。その中でも冷静だった前田が、乱れてコート外に流れたボールをバックトスで戻し、小野が持ち前の圧倒的な力で打ち込むという見事な連携を披露。OP佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)も手首のスナップが効いた、力強いスパイクで着実に点を決め、17ー16に。21ー18の場面で新入生の川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)、瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)がコートイン。しかし得点を決めることができず、21ー21とまたも詰め寄られる。メンバーを戻し、菅原にボールを集め、ミスなく決め切り学芸大に勝利した。
「緊張感のある中でも、全員でコートの中で声を出せていた」(前田)と語るように、雰囲気良くプレーしている姿が印象的だった。新入生の川野、瀬川も公式戦初出場を果たし、短い時間ではあったが観客にプレーする姿をお披露目した。慌てる展開でも前田、リベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)の冷静な判断が初戦の勝利を導く鍵となった。次戦の法政戦も、慌てる展開でも冷静に判断し、一歩一歩着実にプレーする姿に注目したい。
(記事 井口瞳、写真 井口そら)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-23 25-23 25-22 |
0 | 東京学芸大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際) ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山) ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南) オポジット 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
板垣慧(政経4=京都・洛南) |
コメント
前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)
ーー初戦を振り返って
緊張感ある中で全員がコートの中で声を出せてできたのが、良かったかなと思います。明日以降も自分がチームを引っ張ることができれば、自分たちの思うようにできると思うので、その点を頑張ります。
ーー冷静にトスをあげていたのが印象的でしたが、意識はしていましたか
去年から引き続きキャプテンを任せてもらっているのですが、今年は去年とは違った役目だと思っています。合宿などで自分が慌ててしまう場面があって、その反省を活かして自分が慌てなければ後輩たちも冷静にプレーできると思うので、今日は意識していました。
ーー2セット目、ブロックで2連続得点した時のお気持ちは
流れが相手に行きかけてた時、ちょうど自分の前にボールが来たので、決まったことは良かったかなと思います。
ーー明日への意気込み
明日も苦しい試合が続くと思うんですけど、慌てず自分が先頭に立ち、しっかりチームを引っ張っていきたいと思います。
菅原啓(教3=山形南)
ーー試合を振り返って
初戦ということもあって、チームの中に緊張している選手もいて難しい試合でした。全カレ(全日本インカレ)が終わってからの期間でやってきたことを全部出し切れたかは分からないですが、力を発揮して結果的にストレートで勝つことができたので、いい初戦になったのかなと思います。
ーーサーブの威力が増しているように感じますが、サーブについてはいかがですか
全カレ終わってからの期間で、自主練でしっかり本数やろうという話をチームでしていました。自分は積極的にサーブ練習をしていたので、それが効果として出ているのかなと思います。
ーー明日への意気込み
連戦でリーグ戦初週ということもあって慣れない試合にはなると思いますが、しっかり今日は休んで、今日良くなかったことをもう一度反省して明日は取り組んで行けたらいいなと思います。
徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ーー試合を振り返って
みんな緊張したままのプレーが出てしまって、いつも通りのプレーは出ずに、いつもやっていたことが全部は発揮できず、難しい初戦だったと思います。
ーーサーブで攻めてくる相手でしたが、サーブレシーブについてはいかがでしたか
1セット目は自分が崩れてしまっていたので、そこは反省だなと思っています。自分はレシーブがメインで、プレッシャーがある中でも返していかなければいけないという役回りなので、そこはやはり100パーセントを狙う気持ちでスタートからやっていかなければいけないので、明日は自分の役割を考えながらやっていきたいなと思います。
ーー速いテンポのスパイクを叩き込むなど目立つシーンがありましたが、スパイクについてはいかがでしたか
スパイクに関しては、自分の思った通りというのが一番大事だと思うので、自分の直感を信じて、「ここは打つ」と決めたらしっかり打つように決めていました。それが今日は裏目に出ず、凌吾さんがノーマークにしてくれたので、ありがとうございますという感じで打ちました。それ以外は、後半でトスが上がった時にミスを出さずに決め切れたのは、1年生から2年生に学年が上がった中での成長が見られたと思うので、今後も続けていければなと思います。
ーー次戦への意気込み
明日の試合は慶帆さん(高橋慶帆、法大)がライトにいて自分とマッチアップすると思うので、どんなに高い壁でも超えられるように頑張ります。あとサーブレシーブも頑張ります。