春季関東大学リーグ戦プレシーズンマッチ 4月5日 大田区記念体育館
春季リーグ戦プレシーズンマッチが4月5日・6日の2日間行われる。早大は1日目のみ参加し、中大と対戦。1セット目は、中盤で中大の力強いスパイクを皮切りに5連続失点し、点差を詰められないままセットを落とす。2セット目は序盤からいい流れで試合が進むも、最後に中大が6連続で得点し逆転され、そのまま終了した。3、4セット目も取っては取られの試合展開だったが、OH小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー)の活躍でなんとか死守する。最終セットは疲労からか序盤でミスが重なり、そのままの流れで献上してしまう。セットカウント2ー3(21ー25、23ー25、25ー23、25ー23、10ー15)で惜敗した。
序盤から両者譲らず、拮抗(きっこう)した戦いとなった第1セット。OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)があげたトスを小野が決め切るプレーや、MB菅原啓(教3=山形南)のサービスエースと良いプレーが出るも、なかなか点差を離すことができない。14ー14と同点の場面で中大の卓越したスパイクが決まり、その後、強靭なサーブで揺すぶられ5連続失点。OP佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)のパワープレーで18ー20と2点差まで詰め寄ったが、相手も応戦し21ー25で先制を許す。
全力で喜ぶ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
メンバーを変え、流れを切りたい2セット目。相手の緩急ある攻撃に翻弄(ほんろう)される場面もあったが、小野、徳留の2年生コンビのパイプで会場を沸かせる。4ー5の場面で小野の強烈なサーブで3連続得点し、中大はすかさずタイムアウトを取る。中盤で大谷陸(スポ3=埼玉・川越東)の速攻を起点に3連続得点で16ー12に。瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)が相手スパイクをシャット、MB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)の押し込みなど、ネット際のプレーが冴えわたり、このままの流れでセットを取るかと思った23ー19の場面。中大の猛威が早大を襲った。サーブで大きく崩され、6連続失点を食らい23ー25でセットを落としてしまう。
流れを変えた大谷の速攻
もう後がない3セット目ではまたもやシーソーゲームが展開される。守備の間を縫うような相手のスパイクや、打てど打てど拾われる苦しい局面も多かったが、小野の攻めのスパイクが相手にプレッシャーを与え、15ー15の同点の場面で3連続得点。耐えかねた中大はタイムアウトを取ると、早大の流れが切られる。しかし、菅原の冷静なプレーに救われ、なんとか3セット目を獲得。続く4セット目、小野と麻野のブロックが相手スパイクをシャットし、好調な滑り出しを見せる。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)の鮮やかなバックトスに会場がどよめく。12ー15と追いかける場面では、佐藤が足の長いパイプを決め、その後もブロックで2連続得点し、同点に。菅原、小野の精巧なプレーを中心に、窮地を乗り越え、セットを守りきる。最終セットは前半で攻撃が噛み合わずミスが重なり、流れに乗り切れない。セッターを前田から瀬川に、リベロを布台から伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)に変更し、気持ちを入れ替えて臨む。小野にトスが集まるも、中大の猛攻を止めることが出来ず10−15でセットを終えた。
瀬川の鮮やかなバックトス
今回の中大戦は試合全体を通し、いいプレーも多くあったが苦しい展開が多く、流れを掴めるかどうかが鍵となった。春季リーグ戦開幕まで残り1週間を切った今、春合宿を経て個人の能力だけでなく早大のチーム力も確実に上がってきた。春季リーグも厳しい戦いになる事が予想される。そんな中でもチーム内で声を掛け合い、「異常を極めた」粘りのバレーを見せて欲しい。
(記事 井口瞳 写真 井口そら、指出華歩)
セットカウント | ||||
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早大 | 2 | 21-25 23-25 25-23 25ー23 10ー15 |
3 | 中大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 小野駿太(スポ2=静岡・聖隷クリストファー) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際) ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山) ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南) オポジット 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園) セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
板垣慧(政経4=京都・洛南) 伊東昌輝(商3=山梨・日本航空) 大谷陸(スポ3=埼玉・川越東) 瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北) 中上烈(スポ1=京都・洛南) |
コメント
大谷陸(スポ2=埼玉・川越東)
ーー今日の試合を振り返って
1セット目があまり良くない形で取られてしまって、2セット目から自分が出ることになったのですが、技術的にはスターティングメンバーの2人(麻野、菅原)より劣るところは多いんですが、声出しやチームの士気が下がらないようなパフォーマンスを意識していました。2セット目は途中までは良かったんですが、最後淡々と終わってしまって。3セット目も自分が出ることになり、士気が下がらないようにみんなで集まって声掛けをしていた結果、勝つことができたのかなと思います。
ーー春合宿ではどのような感じでしたか
Bチームや、Aチームに少しだけ出る感じだったのですが、2本に1本くらいサーブをミスしてしまったんですが、先生の指導もあって今日は1本もミスせずにできたので成長できたなと思います。
ーークイックの調子はどうでしたか
ワンタッチを取られる部分もあったので、打てる方向を増やすのと、瀬川とのコンビを練習して決定率をもっと上げたいです。
佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
ーー今日の試合を振り返って
3月末までの春合宿で、ローゼン(ローゼンマーク有廉ジュニア、スポ2=茨城・土浦日大)がアクシデントで怪我をしてしまい、自分が変則的にオポジットのポジションに入ることになりました。1年生の時にやってはいましたが、慣れないポジションではあったので、声を出すことや雰囲気を落とさないように意識していました。立場的にも上級生になり、4年生がコートからいなくなった時に、もっと声を出せたら良かったと思います。
ーー春合宿はどんな感じでしたか
チーム内で、自分のポジションであるアウトサイドヒッターのスタメン争いが厳しく、なかなか春合宿の時に出れないことが多かったのですが、その限られた中で、自分のパフォーマンスを結果としてどれだけ出せるのかを意識して、取り組みました。
ーー今回オポジットとしての出場でしたがやりづらさはありましたか
1年生の時にやっていたポジションではあるので、そこまでやりづらさはなかったですが、スパイクは、レフトに比べたら、まだまだ練習が必要なポジションだとは思います。
ーー力強いプレーが増えたような感じがしますが
全カレ(全日本インカレ)の時から、ボールの力の入り方だったり、サーブも良いボールが入ることが多くなったりしてきたのかなと思いますが、まだまだ最後の場面でミスが多かったりしたので改善していければと思います。
ーー春季リーグへの意気込みをお願いします
どのポジションで出るのかはまだ決まっていないのですが、出ることになったら、今までやってきたことや自分の役割をしっかりと考えて、上級生としてチームを引っ張って全部出していけたらなと思います。
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
ーー今日の試合を振り返って
自分は途中からの出場っていう形で、1セット目に見る時間があったので、相手のブロックやこちらの攻撃を余裕をもって考えられて、2セット目から攻撃の組み立てに生かせたということは良かったなという風に思います。しかし、2セット目取り切れる場面で自分の終盤のサーブミスからセットを取られてしまったというところは反省すべき点かなと思います。最後5セット目も途中から入る形でしたけど、勝ちきれなかったところはもう少しコンビとかを合わせていく必要があるのかなと反省しています。
ーー終盤、試合に途中出場する際どのようなことを意識していましたか
攻撃が単調にならないようにというところで、強気にクイックとかを使っていくというところは5セット目からでも意識していました。
ーーブロックが好調でしたが振り返ってみていかがですか
自分としては大学レベルになると自分は高さが全然ない方だと思っているので、しっかり飛ぶというところはこの身長だからこそできることというか、やらなければいけないことだと思っています。ブロックの部分ではしっかり飛ぶことを意識してこれまでやってきたので、それが大学の試合でも成果として出たっていうことは少し自信にもつながったかなという風に思います。
ーー春リーグへの意気込みをお願いします
大学に入学してから初めての公式戦になるので緊張するとは思いますが、強気なプレーとかコートの中を盛り上げることを意識しながら、1年生としてチームに貢献できることをしていきたいと思います。