昨日の反省を力に変え天理大に白星! 全カレ準決勝進出を決めた

男子バレーボール

全日本大学選手権/4回戦 11月29日 船橋アリーナ

 全日本選手権大会(全カレ)はとうとう折り返しとなる4日目。早大は直近の関西秋季リーグ2位の天理大と対戦。対戦機会の少ない相手で、慣れていない部分もあったのか、1セット目では中盤に点数を追い上げられ、苦しい展開も見られた。しかし2、3セット目では真ん中からの攻撃やブロックを中心とした守備が冴えわたる。セットカウント3ー0(25ー22、25ー20、25ー15)でストレート勝利をおさめ、見事準決勝進出を決めた。

 OH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)のサイド際へのスパイクから1セット目が始まる。序盤は早大のペースで着実に点数を重ね、MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のブロックを中心に4連続得点で11ー4に。天理大はすかさずタイムアウトをとると、その後から強いサーブやBクイックなど、速い攻撃を中心に追い上げられ、5連続失点。苦しい場面が続くも、冷静なラインジャッジやOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)のパイプなど着実なプレーで追い上げる。セッター前田凌吾主将(スポ3=大阪・清風)や菅原啓(教2=山形南)の要所でのブロックポイントも早大に勢いをもたらす。最後は連続して天理大にミスが発生し、25ー22でセットを先取した。

選手を鼓舞する4年生たち

 2セット目は序盤から取っては取られの、両者の意地が見えた展開が続く。前田がネット際に寄ったボールをワンハンドで上げ、麻野が決めるコンビネーションの良さを発揮。しかし、相手もライトからの鋭いスパイクや、状況により使い分けるクイックで試合は硬直状態が続いたが、13ー13の場面で試合が動く。前田のツーアタック、徳留の相手のブロックアウトを誘うスパイク、菅原のAクイックで3連続得点。長いラリーでも慌ただしくも懸命にボールをつなぐと、セット後半には佐藤が大きく躍動し、ハイセットを打ち切るなどで5得点を挙げる。最後はリリーフサーバー、伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)のノータッチサービスエースがエンド際にイン。25ー20でセットを取り切った。

前田のワンハンドトス

  このまま取り切りたい第3セット。OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)がクロススパイク、ブロックで2連続得点。その後も麻野のCクイック、前田のツーアタックなど早大らしい鮮やかなプレーが繰り広げられ、14―11。この場面から天理大にミスが多発する。それでも油断せずに取り切れるボールは確実に取り切り、18―11と7点差に追い込む。点差を離したこの場面で、多くの途中出場選手が投入される。最後は板垣慧(政経3=京都・洛南)のブロックが決勝点となり、25―15でセットを獲得し、準決勝進出を決めた。


プッシュをする麻野

 「選手たちも一丸となって試合に臨めた」(佐藤)天理大戦。インカレの独特な雰囲気に最初は飲まれる部分もあったが、徐々に早大らしさを出し、準決勝まで駒を進めた。一昨年、準決勝で苦い経験をした4年生も今年で引退。その時の雪辱を果たすためにも、その先のステップへ進むためにも、チーム一丸となって戦ってほしい。

(記事 井口瞳、写真 高津文音、町田知穂、三浦佑亮)

 

セットカウント
早大 25-22
25-20
25-15
天理大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教2=山形南)
オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園)
途中出場
浅野翼(スポ4=宮城・東北)
馬渕純(スポ4=岐阜商)
板垣慧(政経3=京都・洛南)
安食浩士(スポ2=宮城・東北)
伊東昌輝(商2=山梨・日本航空)
コメント

板垣慧(政経3=京都・洛南)

――今日の試合を振り返って

 昨日の日大戦がフルセットで2点差でというゲームで、自分たちとしても反省することが多かったです。夜のミーティングをみんなでして、反省点と、今日どうやって戦っていくかを話し合って、チームとしてまとまってやることを明確にできたのが、今日の勝利につながったかなと思います。

ーー1、2セット目は外から見ていてコートの中の雰囲気はいかがでしたか

 1セット目の始めの方はお見合いのボールとかもありました。自分たちがやってきたことをやれば勝てると自分は確信していて、そこで不安な部分はあったんですけど、だんだんとコミュニケーションを取って連携が取れてきたので、2セット目は安心して見ることができたかなと思います。

ーー決勝点を決めた感想は

 1戦目に出てから出場する機会がなかなかなくて、ずっとアップだけして終わるみたいなことが多くて、「絶対決めてやろう」みたいな気持ちがあったので、最後決められて良かったです。

ーー明日への意気込み

 今日の試合で最終日まで残ることが決まったのですが、自分たちが1年生の時に負けたのがここ(準決勝)なので、絶対勝ち切って、決勝まで行って日本一になるということを胸に、チームでまとまって戦っていけたらなと思います。

麻野堅斗(スポ2=京都・東山)

――昨日の日大戦の守備面はどのような評価でしたか

 結構相手のクイックをマークしきれなかったというか、序盤からずっと自分たちのサーブが弱くて相手にAパスを返されてクイックを使わせるシーンが多かったのが昨日の課題だったので、今日はそこの反省としてしっかりサーブで攻めたり相手を崩したりしてそこからブロックという展開を作れたかなと思います。

――天理大は対戦機会が少ない大学ですが戦いづらさはありましたか

 僕も東山出身で相手も東山の人が多い中だったので個人的には関西のバレーというか、早いバレーというのは頭の中でイメージできていたのでそんなに戦いづらさはなかったです。

――対談の時多くの人がブロックを課題としていましたが全カレを通して変化は見られますか

 やっぱり全カレ前にずっとブロック練習をチームで取り入れていて今日はそこがよく出ていた試合かなと思うので、今日良くて明日悪いのはあまりよくないと思うのでこうやって継続していって、明日からもブロックポイントを取ってチームを救えたらと思います。

――次戦への意気込み

 どちらが来ても僕たちがやるべきことはそんなに変わらないと思うので、対戦相手が決まったらもう一度ミーティングをして、今日のような雰囲気でチーム一丸となって戦っていきたいと思います。

佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)

ーー天理大とはここまであまり対戦機会がありませんでしたが、どのような印象を持っていましたか

 直接対戦したことはなくて、具体的にどういうチームなのかは実際にやってみないと分かりませんでしたが、サイドが速くてボールが相手コートに行ってからの展開が速いというのはある程度予想していました。そういうところをチームで考えながら試合に臨みました。

ーースパイクミスが少ない印象でしたが、攻撃面を振り返って

 データから(相手は)ディフェンスが良いチームだというのは分かっていました。勝負どころで無理に打ちにいってスパイクエラーになってしまうよりは、自分のかたちで打ち込んで、拾われてからの展開に意識を置いていたので、ミスが少なかったのかなと思います。

ーーご自身の守備について、レセプションとブロックをそれぞれ振り返って

 (レセプションは)相手の良いサーブが入ってきましたが、サービスエースを取られることはなかったのでそこは対応できたと思います。(ブロックは)相手のオポジットがハードヒットしてくる選手でしたが、手を前に出してワンタッチで上げることができていたのでそこは良かったと思います。

ーーチーム全体として試合を振り返って

 昨日は少し苦しい試合になってしまったんですけど、今日はもう1回チームひとつとなってまとまって臨もうと試合前に話していました。コート内もコート外も、ベンチの選手や上で応援してくれる選手たちも一丸となって試合に臨めたのはすごく良かったと思います。

ーー実際に天理大と対戦して、戦いづらさはありましたか

 サイドの攻撃が本当に速くて、パイプも速かったので、そういうところでブロックがつけないことが少しありましたが、そこは少し割り切るようなかたちで。速い攻撃で綺麗に決められたのはしょうがなくて、取れるところでしっかり取ることをチームとして意識できたので、気持ちとしてそこまで焦りはなかったです。

ーーご自身のプレーが徐々に良くなっている印象を受けますが、ここまでの試合を通してインカレには慣れましたか

 インカレは独特な雰囲気があると思っていて、最初は少し硬くなってしまいました。それでも日にちを追うごとにその雰囲気に慣れたというか。観客の方々がたくさんいて、自分が良いプレーをすれば盛り上がってくるので、楽しいという気持ちに変わってきました。

ーー次戦への意気込みをお願いします

 今日はしっかりチーム一丸となって戦うことができたので、明日も引き続きチーム一丸となって向かっていきたいと思います。