全日本大学選手権/2回戦 11月27日 東京体育館メインアリーナ
偶然かはたまた必然か、今年度、定期戦を含め5度目の早慶戦がこの大舞台で繰り広げられた。第1セットから早慶戦らしい白熱したラリーが続き、慶大主将が負傷し退場するアクシデントも発生。それでも落ち着いて早稲田らしいバレーを展開する。セットを連取すると、第3セットでは序盤に点差をつけ、勢いそのままセットカウント3-0(25-19、25-23、25-13)で快勝。明日の第3戦に駒を進めた。
第1セット序盤は慶大にミスが目立つ。連続するダブルコンタクトとスパイクアウトで早大が3連続得点。MB麻野堅斗(スポ2=京都・東山)のCクイック、OP畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)のノータッチサービスエースなどで7-4と点差をつける。しかし、慶大も気迫のこもった雰囲気で対抗し、サービスエースやブロックで巻き返し9-11。慶大を波に乗らせたくない早大は、セッター前田凌吾主将(スポ3=大阪・清風)の揺さぶりをかけるサービスエースや畑とMB菅原啓(教2=山形南)のブロックで4連続得点。慶大のタイム明けからラリーが増え始めるが、リベロ布台聖(スポ2=東京・駿台学園)がブロックフォローやディグで魅せる。長いラリーでも落ち着いて体制を立て直し、攻撃につなげた。その後はサイドアウトを取り合うが、終盤に慶大が相次いでスパイクアウトし、セットを先取した。
布台のレシーブ第2セット序盤はクイックを多用し10-5と前へ出る。その後もOH徳留巧大(スポ1=長野・松本国際)のフェイントやOH佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園)の守備の穴へ打ち込むスパイク等、冷静なプレーが見られる。ラリーの場面では畑のディグや佐藤のパンケーキレシーブが奏功し、相手が崩れたところを麻野が仕留める。しかし、またも慶大の追い上げに遭う。佐藤を狙ったサーブで2本のサービスエースを決められ、さらには早大のミスもかさみ19-17と2点差に迫られる。それでも徳留がレセプションから自ら決めるスパイクなどで2点差を維持し、最後は畑、浅野、佐藤の3枚ブロックでこのセットも早大の手に渡った。
徳留のレセプションこのまま勝ち切りたい第3セットは、序盤から徳留のサーブのターンにサービスエースを含む6連続得点。その後も佐藤のブロック、畑のスパイクで得点を重ね、11-4の場面で慶大にこのセットのタイムアウトを使い切らせる。これ以降も一度引き寄せた流れに乗ったまま、早大らしいプレーを展開した。ディグがネットに寄った場面では布台が落ち着いて丁寧な二段トスを上げ、畑のスパイクにつなげる。菅原のクイックもあり17-8とダブルスコアを維持したままセット後半へ。徐々に慶大に疲れが見え始め、ミスも発生。それでも手を緩めず、浅野翼副将(スポ4=宮城・東北)がディグでボールをつなぎ、安食浩士(スポ2=宮城・東北)がレフトからのスパイクを決めマッチポイントを奪うと、最後は滝谷照(スポ4=宮崎・日南振徳)のライトからのスパイクでゲームセットとなった。
この試合で得点を量産した畑のスパイク東日本大学選手権ではあと一歩のところまで追い詰められ、昨年の全日本大学選手権(全カレ)でも激戦を繰り広げた宿敵・慶大との一戦は、徹底した攻守を見せた早大に軍配が上がった。前戦で課題となったフェイントやティップの処理も改善されたように見受けられ、「日々ピークを更新して」(浅野)いる。まだまだ続く全カレだが、一戦一戦成長し、明日もまた、早大らしさを発揮したい。
(記事 町田知穂、写真 稲積優一、権藤彩乃、末松花菜)
セットカウント | ||||
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早大 | 3 | 25-19 25-23 25-13 |
0 | 慶大 |
スタメン | ||||
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ2=東京・駿台学園) アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ1=長野・松本国際) ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ2=京都・東山) ミドルブロッカー 菅原啓(教2=山形南) オポジット 畑虎太郎(スポ3=福井工大福井) セッター 前田凌吾(スポ3=大阪・清風) リベロ 布台聖(スポ2=東京・駿台学園) |
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途中出場 | ||||
浅野翼(スポ4=宮城・東北) 滝谷照(スポ4=宮崎・日南振徳) 馬渕純(スポ4=岐阜商) 安食浩士(スポ2=宮城・東北) 伊東昌輝(商2=山梨・日本航空) |
コメント
浅野翼副将(スポ4=宮城・東北)
――今日の試合をチームとして振り返って
硬さはやっぱり緊張していたのであったと思うのですが、昨日より今日、今日より明日という風に日々ピークを更新して、いい状態に持っていけている段階なのかなと思います。
――昨日はフェイントやイージーボールを落とす場面もありましたが、今日はかなり拾えていた印象です。守備を振り返って
そうですね。でも、取らなきゃいけないボールっていうのはまだまだあったと思います。今日は結果的には勝ったからいいと思うんですけど、まだまだ詰められるかなと思います。
――個人として振り返って
布台(聖、スポ2=東京・駿台学園)が序盤、あまり調子が上がらずにいた時に、 昨日自分も1セットは出ていて、感覚的には悪くなかったので、いつでも出られるように準備をして、チームがピンチの時にいかに自分が落ち着けられるかということを考えてやっていました。
――明日への意気込み
明日も厳しい戦いになると思うので、今日の反省を生かして明日につなげて、チーム一丸となって戦っていきたいと思います。
畑虎太郎(スポ3=福井工大福井)
ーー今日の試合はどのような意識で臨みましたか
去年のインカレもそうですし、今年の東日本でもそうでしたが、早稲田に対して強いチームなので、向かってくる相手に対して向かっていこうという気持ちでやっていました。
――試合内容をチームとして振り返って
序盤の入りは競ってたりしたのですが、セットを重ねるごとにいいプレーも出てきて良かったと思います。
――ご自身のプレーを振り返って
最後に相手の緩いボールを落としてしまったところ以外は、ブロックやスパイクにいいプレーが多かったと思います。
ーーラリーが続く場面が多かったですが、その時にチームとして意識していたことは
相手はブロックがいいチームだったので、無理に打って捕まるよりも、しっかりリバウンドをとって自分たちが体制を整えてから攻める意識を持っていました。
――次戦への意気込み
明日も難しい試合になると予想されるので、しっかり向かっていく意識で頑張っていきたいと思います。